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しおりを挟む「ウッ‥」
飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなってきた。本当に毒だったのか…
前で私の婚約者に縋りつきながら男爵令嬢がニィッと笑う。その姿はまるで悪魔のようだった。
こいつが仕組んだ事か。
「…そう、これで悪役令嬢はいなくなるのよ。私は推しの公爵様と結ばれるハッピーエンドにたどり着いたのよ」
訳の分からないことを言っている。そうしているうちに目の前がボヤけ、もう無理かも知れないと思った時だった。
ビー
【毒を検知しました】
機会音が会場に響き渡った。この音の元は…私?!!
【毒の解析を始めます。解析中…100%完了しました。この毒は南部に生息しているキノコ、から取れる毒です】
機械音が続ける。
【毒の解除が可能です。毒を処理しますか?】
恐る恐る、そう尋ねる機械音に「はい」と返答してみる。
【毒を完全に分解しました】
ピー
そう言って機械音は消えて行った。会場は全員が唖然としていて、無音だ。
婚約者も友人らも黙って私を見ている。
数分経っても静かなままなので少し気まずなっていると、後ろからコツコツと足音が聞こえて来た。
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