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第2話 ティア=ケヒト
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私の名前はティア=ケヒト。現在14歳だ。
実はアガトラムに名乗った名前は偽名である。
本名は・・・秘密にしておこう。
ブリドン王国の隣国であるフォーモール神国出身。私はその国の研究機関に属していた。
そして今の私はフォーモール神国から逃亡した身である。
私は神国の国宝の一つを宝物庫から盗み出して実験に使用してしまったのだ。
まあ、バラバラにして溶かしたのはやり過ぎたと反省はしている。おまけに与えられていた研究区画で大爆発を起こしてしまい死者は出なかったものの重傷者を多く出してしまい投獄されていたが、本が読みたい未知を調べ解き明かしたい、新しい発明を産み出したいという欲求に我慢できずに脱獄。指名手配されてしまい行動を制限されてしまった為に神国での研究を断念して隣の王国に逃げ込むことにしたのだ。
この世界には人を殺し、犯し、食するモンスターが存在する。
しかし自分は『異能力者』。
一人でも越境できると思っていたが、見通しの甘さに先の自分を殴り倒したい。
王国と神国の国境の関所に他の関所より配置人数が少ない場所があると噂に聞いたのでそこから越境しようと考えていた。
いざ着くと、その関所に人はいなかった。いや、いるにはいたが関所を守る兵士ではなく、全員が女性でしかもなにも身に付けていない全裸の状態で関所前に磔にされ逃げられないように固定されていた。
その周りに緑色の肌のモンスターが囲っていた。
そして、この世界のモンスターは特定の条件を達成することにより進化することが出来る。
どうやらこの関所はゴブリンに占拠されてしまったようだ。よく見ると成人並みの体躯のゴブリン、進化種ホブゴブリンの姿が見えた。私なら百体くらいならなんとかできたが、ぱっと見で千や二千は確実にいた。ここを突破するくらいなら厳重な警備を敷かれているであろう他の関所で馬車の荷台にでも隠れるほうが越境できる可能性があるというものだ。女性達は生きているようだが今の私にはどうすることもできない。町に着いたら冒険者ギルドにどうにかして報告はするからそれまで頑張ってと心から願うことしかできない。
私はすぐ関所から離れようとしたが既に遅かった。
閉ざされていた関所の重厚な門が開いた。
そこには黒い狼に乗り、弓や槍等の武器を装備した騎乗に特化したゴブリンである『ゴブリンライダー』の集団が姿を表した。ゴブリンライダーの表情がニヤニヤと薄気味悪い笑顔を浮かべている。完全に私をロックオンしているようだ。
私は全力で奴等の方に向かって走り、私は異能力を発動させ関所を『跳び越えた』。
その際見てしまった。見えてしまった。
王冠を被り、剣を持つ雄ゴブリン『ゴブリンキング』。
王冠を被り、長杖を持つ雌ゴブリン『ゴブリンクイーン』。
重厚な鎧を身に着ける雄ゴブリン『ゴブリンナイト』。
マントを身に着け短杖を持つ雌ゴブリン『ゴブリンマジシャン』。
軽装に短剣を持つゴブリン『ゴブリンシーフ』等々ゴブリンの上位種がウジャウジャ関所にいるのが、それにおかしな点がある。
キングとクイーンが一緒にいるという事態。
キングとクイーンの進化条件の一つとして群れの頂点、リーダーになる必要があって雄ならキング、雌ならクイーンに進化するはずで一緒にいるのがまずおかしい。群れと群れが統合される場合はリーダー同士で勝負して、勝った方が群れのリーダーとなり負けた場合、キングとクイーンどちらであってもホブゴブリンに退化し、ステータスも減少し、二度と進化できなくなると冒険者ギルドの調査で判明している。
あとゴブリンはモンスターの中でも進化先が多岐にわたり、性別によって進化先が変わるモンスターでもある。
考えられるのは『キングやクイーンより強い奴がいる』だ。しかもキングとクイーンの退化を防ぐような能力を持った。自然ではキングとクイーンが勝負をせず手を組むのは本能的にあり得ず、どちらかが死ななければ両方ホブゴブリンに退化するらしい。
関所を跳び越えブリドン王国に入った後は無我夢中で逃げ回った。
奴等はいやらしいことに一日中私を追いかけ回し遊んでいるのだ。殺しても殺しても諦めず、しかも人のいる場所に行かないようにしているのか、時々進行方向に先回りして進行方向を変えさせてくる。
寝ることも食事をすることも気を緩めることもできずに追い回される。
完全に弄ばれてる。
そして四日間追い回され続け、遂に私の気力が尽き倒れ込んでしまう。
ゴブリン達も飽きたのか近付いてきて私の衣服に手を掛けた、瞬間バラバラになった。
私は隻腕の獣人の青年に助けられた。
しかしその獣人は少しおかしかった。
個体差を差し引いても一般的な犬の獣人と比べ、体の各部、耳、首、尻尾が太くしっかりしている。顎骨や筋肉が発達していて頬骨の位置が高く目がつり上がっているように見える。
歯も強靭なようでさっきゴブリン達の所持していた鉄製の武器を再利用できないようにするために噛み砕いていた。犬の獣人はそんな馬鹿みたいなことはできない。
それに犬の獣人の毛色は種類は豊富だが、青年のような見事な銀髪は見たことがない。
なにより青年は獣人が使えないはずの異能力が使える!!!
私は青年に興味が湧いた。
それに青年はお誂え向きに片腕を失っている。
私が神国の国宝をバラバラに分解し、溶かし、素材にして造り上げた最高傑作であるこの『義手』の実験台、げふんげふん!担い手に相応しいだろう。是が非でも装着させてやる。
実はアガトラムに名乗った名前は偽名である。
本名は・・・秘密にしておこう。
ブリドン王国の隣国であるフォーモール神国出身。私はその国の研究機関に属していた。
そして今の私はフォーモール神国から逃亡した身である。
私は神国の国宝の一つを宝物庫から盗み出して実験に使用してしまったのだ。
まあ、バラバラにして溶かしたのはやり過ぎたと反省はしている。おまけに与えられていた研究区画で大爆発を起こしてしまい死者は出なかったものの重傷者を多く出してしまい投獄されていたが、本が読みたい未知を調べ解き明かしたい、新しい発明を産み出したいという欲求に我慢できずに脱獄。指名手配されてしまい行動を制限されてしまった為に神国での研究を断念して隣の王国に逃げ込むことにしたのだ。
この世界には人を殺し、犯し、食するモンスターが存在する。
しかし自分は『異能力者』。
一人でも越境できると思っていたが、見通しの甘さに先の自分を殴り倒したい。
王国と神国の国境の関所に他の関所より配置人数が少ない場所があると噂に聞いたのでそこから越境しようと考えていた。
いざ着くと、その関所に人はいなかった。いや、いるにはいたが関所を守る兵士ではなく、全員が女性でしかもなにも身に付けていない全裸の状態で関所前に磔にされ逃げられないように固定されていた。
その周りに緑色の肌のモンスターが囲っていた。
そして、この世界のモンスターは特定の条件を達成することにより進化することが出来る。
どうやらこの関所はゴブリンに占拠されてしまったようだ。よく見ると成人並みの体躯のゴブリン、進化種ホブゴブリンの姿が見えた。私なら百体くらいならなんとかできたが、ぱっと見で千や二千は確実にいた。ここを突破するくらいなら厳重な警備を敷かれているであろう他の関所で馬車の荷台にでも隠れるほうが越境できる可能性があるというものだ。女性達は生きているようだが今の私にはどうすることもできない。町に着いたら冒険者ギルドにどうにかして報告はするからそれまで頑張ってと心から願うことしかできない。
私はすぐ関所から離れようとしたが既に遅かった。
閉ざされていた関所の重厚な門が開いた。
そこには黒い狼に乗り、弓や槍等の武器を装備した騎乗に特化したゴブリンである『ゴブリンライダー』の集団が姿を表した。ゴブリンライダーの表情がニヤニヤと薄気味悪い笑顔を浮かべている。完全に私をロックオンしているようだ。
私は全力で奴等の方に向かって走り、私は異能力を発動させ関所を『跳び越えた』。
その際見てしまった。見えてしまった。
王冠を被り、剣を持つ雄ゴブリン『ゴブリンキング』。
王冠を被り、長杖を持つ雌ゴブリン『ゴブリンクイーン』。
重厚な鎧を身に着ける雄ゴブリン『ゴブリンナイト』。
マントを身に着け短杖を持つ雌ゴブリン『ゴブリンマジシャン』。
軽装に短剣を持つゴブリン『ゴブリンシーフ』等々ゴブリンの上位種がウジャウジャ関所にいるのが、それにおかしな点がある。
キングとクイーンが一緒にいるという事態。
キングとクイーンの進化条件の一つとして群れの頂点、リーダーになる必要があって雄ならキング、雌ならクイーンに進化するはずで一緒にいるのがまずおかしい。群れと群れが統合される場合はリーダー同士で勝負して、勝った方が群れのリーダーとなり負けた場合、キングとクイーンどちらであってもホブゴブリンに退化し、ステータスも減少し、二度と進化できなくなると冒険者ギルドの調査で判明している。
あとゴブリンはモンスターの中でも進化先が多岐にわたり、性別によって進化先が変わるモンスターでもある。
考えられるのは『キングやクイーンより強い奴がいる』だ。しかもキングとクイーンの退化を防ぐような能力を持った。自然ではキングとクイーンが勝負をせず手を組むのは本能的にあり得ず、どちらかが死ななければ両方ホブゴブリンに退化するらしい。
関所を跳び越えブリドン王国に入った後は無我夢中で逃げ回った。
奴等はいやらしいことに一日中私を追いかけ回し遊んでいるのだ。殺しても殺しても諦めず、しかも人のいる場所に行かないようにしているのか、時々進行方向に先回りして進行方向を変えさせてくる。
寝ることも食事をすることも気を緩めることもできずに追い回される。
完全に弄ばれてる。
そして四日間追い回され続け、遂に私の気力が尽き倒れ込んでしまう。
ゴブリン達も飽きたのか近付いてきて私の衣服に手を掛けた、瞬間バラバラになった。
私は隻腕の獣人の青年に助けられた。
しかしその獣人は少しおかしかった。
個体差を差し引いても一般的な犬の獣人と比べ、体の各部、耳、首、尻尾が太くしっかりしている。顎骨や筋肉が発達していて頬骨の位置が高く目がつり上がっているように見える。
歯も強靭なようでさっきゴブリン達の所持していた鉄製の武器を再利用できないようにするために噛み砕いていた。犬の獣人はそんな馬鹿みたいなことはできない。
それに犬の獣人の毛色は種類は豊富だが、青年のような見事な銀髪は見たことがない。
なにより青年は獣人が使えないはずの異能力が使える!!!
私は青年に興味が湧いた。
それに青年はお誂え向きに片腕を失っている。
私が神国の国宝をバラバラに分解し、溶かし、素材にして造り上げた最高傑作であるこの『義手』の実験台、げふんげふん!担い手に相応しいだろう。是が非でも装着させてやる。
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