銀腕のアガトラム

アカヤシ

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第6話 神国では大騒ぎになってます

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「もう照れ屋さん、これでいい?」

カイリは一度コートの前を閉じ、再び開いて見せた。その時間は5秒も経っていなかったがコートの中身は全裸+縄ではなく、ちゃんと服を着ていた。ただし縄で縛り上げているのは変わりなかった。

なぜ縄で縛ったままなんだよ!!!

「気持ちいいから?・・・ッ!」

ビュンッ!!!ビュッ!!!ビビュン!!!ビュッ!!!ビビュン!!!

「え?」

カイリの右腕がティアでは視認出来ない速度で何度か振られる。次の瞬間何かが三人の前に飛び出してきた。飛び出してきたのはゴブリンと黒い毛色の狼。ただし首がない状態。つまり死体だ。

「え?え?何?何が起きた?」

「ナナゴウの奴が殺ったんだよ・・・・新聞社に入って腕を鈍らせたかと思って試してみたが衰えてはいないようだな」

「アガトラムも酷いな、こっちに向かって来ているのが分かっていたのに黙っているなんて」

「この場にゴブリンに殺されるような奴はいないだろ?」

「ハカセちゃんは頭はいいけど戦闘に不馴れな女の子なんだから、」

「だからハカセちゃんはやめろと・・・なんで戦闘に不馴れなんてわかる?」

カイリはニタニタと笑顔を作る。

「僕はね~、神国から帰ってきたんだよ~」

・・・・こいつ、まさか!!!私の事を知っているのか!!!いやいや、まさか、そんなはずは、

『ハカセちゃん、ハカセちゃん、その白衣はおじいちゃんから貰ったんだよね~、大きくなったら学者になるって周囲に言ってたもんね~、確か6歳の誕生日プレゼントが始まりだったかな?その後も白衣を着続けて、クローゼットに10着以上、』

カイリはティアの側まで近寄り小声で話す。

こいつ私の素性を知ってやがる!!!

「あれ?なんて名前だっけ?」

「・・・・ティア=ケヒト」

『10歳までおねしょしてたらしいね。異能力を使ってバレないようにしてたらしいけどメイド長にバレた時の、』

きゃああああああああああああ!!!確定!!!確定だよおおおおおおお!!!しかもコイツ私の過去、黒歴史を知ってる!!!

『小さい頃、自分は天才だと言い回って、友人達に『博士』って呼ばせてたよね?まあ、確かに君は6歳で飛び級で学校に入学して1年で卒業したのは脅威的だね』

どこまで調べてんのコイツ!怖いんですけど!!!

『小さい頃、悪戯をやり過ぎて祖母に罰として、光が全く入らない、外部の音が聞こえないように仕掛けが施された、最低限体が動かせる程度の真っ暗闇の狭い部屋に閉じ込められて閉暗所恐怖症になっちゃったんだよね?部屋を明るくして添い寝してもらわないと眠れかったんだよね~?部屋の明かりが消えただけでわんわん泣いちゃうくらいに』

・・・・もう、一思いに殺してくれ!!!

これで神は存在しない事が証明されたな。なんでこんな奴と出会ってしまったのだろう。これでも毎朝神へのお祈りは欠かさないのに・・・・あ、ごめんなさい。本当は神なんて全く信じてなかった。親や周りが五月蝿いからテキトーにやって流してた。心の中で舌出して『いるわけないだろバーカ』とか考えてた。

『何が欲しい?金か?地位か?それとも・・・分かった、世界の半分をやろう、それでどうだ?黙っててくれるか?』

『動揺しすぎだよ、君は魔王か!大丈夫大丈夫。神国にも通報しないしアガトラムにも言わないから。だって友達だよね僕達。これからも君達と一緒にいていいよね。今回だけじゃなく面白いネタが手に入りそうだし』

『恩に着るぞカイリよ』

『けどいいのかい?神国は今大騒ぎだよ』

『・・・・ちなみにどれくらい?』

『生きて連れて帰ると『税金五十年免除』『身分又は爵位の陞爵』『莫大な賞金』『借金帳消し』『神国での罪帳消し』等々、嘘の情報を提供した者や偽物を連れて来た者は『財産差し押さえ』『市民権剥奪』『強制重労働の刑』等々、その、言いづらいんだけど、ブフフッ!神都の城壁に、君の30m級の姿絵が置かれてたよ。『迷子です、この子にピンと来たらご連絡下さいって、ブフッ!』

・・・・帰りたくねええええええ!!!!
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