騎士様も異世界人

キマイラ

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 私はパーシヴァルさんのことが好きらしい。困った。だって私は彼の主人兼生贄である。好意を伝えられてもパーシヴァルさんだって困るだろう。いや本当にどうすればいいの? 悩みだけがどんどん増えてくる。一番いいのは好意を伝えないことだと思う。そうすれば今まで通りの生活が送れる。けれど私はお荷物だ。いつまで彼が私を養ってくれるかも定かじゃない。どうにか、彼に依存しない生活の基盤を手に入れないと。じゃないと私は安心できない。いつまでこの想いを伝えずにいられるかも分からないのだ。楽になりたくて伝えてしまいたくなる日が来た時に安心して伝えられるようにしておきたいと思うのは我儘だろうか。

 私は努めて普段通り振る舞った。だというのにパーシヴァルさんに言われてしまった。「なにか悩みがあるのですか?」と。

「なんでもないですよ」

 にっこりと笑顔を作ってそう言った。だというのにパーシヴァルさんは納得していない様子で言葉を続けた。

「なんでもないことはないでしょう」

「本当に、なんでもないんですよ。だから気にしないでください、パーシヴァルさん」

「そんな顔で気にしないでくれと言われても無理ですよ、マスター」

「私、そんなにひどい顔をしてますか」

「ひどい顔というか思い悩んだような顔をしていますね」

「……パーシヴァルさんには内緒です。あなたには言いたくないことだってあるんですよ」

 そう言うとパーシヴァルさんは傷付いたような顔をした。……そんな顔をさせたいわけじゃなかった。言葉選びを間違えたと気付いた時にはもう遅かった。

「……ごめんなさい。あなたを傷付けるようなことを言いたいわけじゃなかったんです」

 そう言って私は逃げるように寝室に駆け込んだ。

「マスター!」

 背後から私を呼ぶ声は無視した。

 私いったいなにをしてるんだろう。もっと上手く誤魔化すことだってできたはずだ。あんな言い方をしなくたってよかった。嫌われちゃったかな。……嫌われちゃったよね。……馬鹿みたい。好きだと自覚した途端にこんなことになるなんて。どうしてこうも上手くいかないんだろう。
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