黄色い水仙を君に贈る

えんがわ

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それから、生徒会室は俺にとって地獄だった。


目を開けば、会長の膝に座ってるのは転校生の輝くんで──。


輝くんの腰に腕をまわしくっつく凛也と肩に腕をまわす双子……。


会計も副会長も皆口を開けば「輝」と呼ぶだけだった。


その、会長の膝の上は俺の場所で……。恋人の特権だと思っていた……。


それは、どうやら俺の勘違いらしい……


「なぁ、由利!お前も食堂に行くだろ!?龍二達が好きな物頼んでいいって。何頼む!?」


「俺は、遠慮しようかな……。邪魔者みたいだし……。」


「そんな、こと言ったら友達が可哀想なんだぞ!隆二達に謝れ!」


……じゃあ、龍二を俺から奪ったお前は俺に何をしてくれんだよ……。



そんな汚い感情が、俺を黒くした。


「由利…。そんな、冷たい言い方をするような人だったんですか…?見損ないました。」


なんで……。お、れただ、遠慮しようかなって言っただけなのに……。


「「邪魔者ってなんか、僕達が悪いみたいじゃーん。」」


「由利ちゃんこそ、俺達のこと邪魔だと思ってるんじゃない?」


「由利……こわ……」


なんで…………。この空間で俺を空気にしていたのは君達なのに……。



どうして「俺が」君たちを否定したことになってるの……?



この時、龍二なら俺の事庇ってくれる……?許してくれる……?


「由利……。」


「りゅ、じ?」


「輝に手を出したらお前でも許さないからな。」


「え……。」


龍二の言葉は、重い石のように俺の頭に落ちてきて


やけに、低い声はこれが現実だと突きつけられてるようで……。


「わかったな?」


「わ、わかりました。」


俺が輝くんに関わることなんてほとんどない。



そんな約束事よりも、突きつけられた現実の方が



俺をこんなにも滑稽にしてくれる…………。








俺は、また、走ってこの場から逃げた。





















俺は、会長に捨てられた。いつか、別れを切り出されるかもしれない……。



「好きな人が出来た」と……。



そんなの……



「耐えらんないよ……りゅ、じ。」





俺を好きと言ってくれた会長は、全部全部嘘だったのだろうか……?





会長は1度も俺を愛してなどいなかったのだろうか……?




考えれば、考えるほど俺の心は暗くなるだけだった。




「うわああああああああ!」




誰もいない廊下で、感情をぶつけるようにただただ俺は泣き叫んだ。



会長の他に、生徒会にも嫌われた…………。









俺の居場所は、



























もうどこにもない──────────


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