僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

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幼少時代。

お城に行くぞ。

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 それから一ヶ月が経った。この一か月で色々な事があった。まずはお姉さんのお見合い相手が決まった。ルステイン伯爵家麾下の準男爵の嫡男であるラーモン・ニメイジ様という方のようだ。お爺様によると実直な若者で、家柄的にも申し分ないと言う。一夫多妻が当たり前の貴族の中で一夫一妻が良いとおっしゃられ、家柄より、器量の良い女性を探しているそうだ。
 そんな中、エメイラヒルデ師の指導を受けている女性がいると言う事を聞きつけ、調べるとミシェ姉さんが優秀な女性だとわかり、お見合いをさせてもらいたいと当主に直談判したと言っていた。ミシェ姉さんとその人が上手くいけばいいなと思う…玉の輿だしね。

 お兄さん達二人はエメイラの指導がない日はリョウチキンとスサンオウトールのお店をどうするか夜二人で話し合ってる。ロイック兄さんが経営者。ストラ兄さんがその補佐となるみたい。ストラ兄さん、学校は大丈夫?と聞いたら勉強しなくても一位取れるから大丈夫と言っていた。相変わらずハイスペックだ。

 お父さん、お母さんは相変わらず仲が良い。お父さんは最近隊商の準備で忙しいみたい。領主の口利きで王都行きの便が増えて嬉しい悲鳴をあげている。

 ペギーは商会にすっかり馴染んだ。真面目な仕事ぶりで商会員かぞくからの評判が良い。最近師匠の指導に参加するようになった。僕達の妹弟子だね。それに加えて空いてる時間に弓の練習をしているそうで、ミザーリも刺激をなっていると言っていた。

 僕はと言えばあんまり変わりのない生活をしている。朝は修行、そしてお店に出てから書写。昼寝をしてから、エメイラの相手をする。たまにミザーリと近所を出歩き、夜は家族とご飯を食べて話をして寝る。そんな感じの毎日だ。変わった事といえばご領主様にレシピの献上をする日が決まり、登城のための服を買うと言って、お母さんとミシェお姉さんが衣装屋を呼びよせ着せ替え人形になったくらいか。なお言葉使いは変えなくて良い、礼儀作法は教えなくて良いとご領主様が言っているらしいので、特に指導はない。それで良いのか?と思うが向こうの意向なのでありがたくそうさせてもらおう。


 そんな日々を過ごし、登城の日を迎えた。特に緊張はしていない。三歳児だし、失敗しても良いね!と思って自然体だ。逆にお母さんがハラハラしている。お母さんが登城するわけではないのにね。

 そんなお母さんとミシェ姉さんに見送られ、昼ごろ僕とお父さんは馬車に乗って城にでかけた。一旦街の広場に出て城方面への大通りに出た。この辺は繁華街ではなく、工業区という鍛冶屋や木工や石工などが集まった区画だそうだ。馬車の窓の外には職人ぽい人達が歩いていた。特に数が多くて目立つのは地精ドワーフ達で、地精ドワーフが物作りが好きなのはファンタジーそのものだな、と思った。
 工業区を抜けると貴族街に入る。貴族街とは言ってもお爺様みたいな伯爵配下の貴族の屋敷が数軒であとは家来や、兵士や城に働くものの屋敷や集合住宅が多い。変わったところでは侍従とメイドの専門学校があるとお父さんが言っていた。
 馬車は城の手前に車止めがあって馬車はそこまでしか入れない。荷物の納品の時は何人か荷物持ちを連れてくるそうで歩きが大変だと言っていた。
 お父さんと手を繋いで歩いていると城門と城壁が見えてきた。石を積み上げた城壁は高く堅牢でやぐらがあり、てっぺんは規則的に凸凹している。これが狭間(さま)ってやつなのか、と僕は初めてみる城に感激していた。

 城壁と城門は見えたけどそこからは馬車一台が通れるだろう砂利道が曲がりくねって続いていた。さらに木橋が多くて歩きにくい。途中でドルトに抱き抱えられ道を歩いた。ドルトが言うには合戦の時はわざと木橋を落とすようだ。

 城門に辿り着いたが川?堀?があり渡れない。お父さんは声を張り上げ門に向かって叫ぶ。

「スサン商会です!お呼びにより参上しました!」
「しばし待たれよ!」

 と城門から声が聞こえる。しばらくすると跳ね橋が降りてきて城門への道ができる。城門の横には紋章が彫られてかっこいい!お父さんとドルトはそこで一礼して門をくぐった。

 門をくぐると門番の詰め所があった。門番とお父さんはにこやかに話をしながら商売の話をしている。商会の者はここで城の物の物資の注文を受けとるとドルトが小声で説明してくれた。僕のような子供は珍しいのであろう、色々と質問をされる。ここでは『スサンの天使』の名前が通っているらしく喜ばれた。

 城門をやっと抜ける。そこには二本の塔が建っていてその間にまた門がある。それを抜けるとようやく城だ。禿山の上に立つ白亜の城で美しい。ここはルステインの涙とも言われる名城で有名な建築家が建てたのだとお父さんが言った。

 城入り口にも門がある。最後に身分証明できる物を見せなければならないと言う。お父さんは商業ギルドの、僕は料理ギルドのカードを見せた。厳密に言えば僕は出さなくても良いらしいが、僕が招待されているので出した方が良いと言われ、カードを提出した。
 門番さんは驚いていた。だって三歳児が料理ギルドのカード(しかもAランク)持ってるんだもの。それはおどろくよね!
 
 やっと城に入る。僕達の戦いはこれからだ(終わりません)。




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