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神の修行。
ボールペン騒動。
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帰ってきたらちょうどリーリシアも戻ってきた。二人で色々話す。僕は今日会ったことを話す。
「……それでアネーシャさんに薬草を教えてもらったんだ」
「そう。すっかり仲良くなったみたいね…でも変ね。アネーシャ、あなたの外見くらいの男の子苦手なのよ」
「そうなんだね。でも何も言われてないな。途中から風をまとうのをやめて姿を見せてくれたんだよね。結構無防備に」
「ええ?それはよっぽど気に入られたんじゃないかな」
「まあ、嫌われるよりは良いよね」
「そうね」
「そのあとナーディルさんとまた訓練をして、権能の事を教えてもらった。はい、これ」
僕は薔薇の花束を創り出して渡した。
「え!?どこからそれを出したの?収納?」
「違うよ。創り出した」
「リョウ、あなた簡単にやってるけどここでは神力がよっぽどないとそんな事できないわよ」
「だから権能じゃないかってナーディルさんが言ってた」
「そうね。その可能性が高いわ」
「リーリシアさ、僕の権能とかスキル、わからないよね?」
「そうね。今まさに習得してる最中だもの。読めないわ」
「こういう場合肉体を読むの?それとも精神?」
「両方かな。いつもは分かれてないからそんな手間はいらないわね」
「なるほどね」
「私の方からも話があるの」
「うん」
「あのね、怒らないで聞いてね。うちの子で仕事はきっちりやるんだけど人付き合いが苦手というか内気な子がいるの」
「うん」
「その子がね、私たちの事を聞いてヘソを曲げちゃってね、困ってるの」
「わかるよ。大事な母親を取られる気持ちなんだろうな」
「そうなの。でね、私たちの事ちょくちょく覗くかもしれない。この中は覗けないようになってるから良いんだけど、外がね……」
「あー。外でいちゃいちゃしないようにしないとね」
「ありがと。あとね、あなたにえこひいきしてると思われるとまたヘソを曲げると思うの。だから外ではちょっと呼び方変えて良いかな?」
「どういうふうに?」
「あの子とかこの子とか、そういうふうにどちらかと言えば子供扱いをしている感じかなあ」
「なるほど。自分と同じ扱いだと見せたいって事だね」
「そうなの。良いかなあ?」
「良いに決まってるじゃん。僕は今はここで客人な訳だし、リーリシアの仕事が円滑に行くのが大事だよ」
「ありがとう。リョウ大好きよ」
「僕も大好きだ」
リーリシアとキスをしようとする。
そこに外から喧嘩してるような声が聞こえてきた。
「リョウエスト君に会うのは俺が先だよー!」
「私の方が先に来ましたわ。私が先でなくって?」
「あのペンの価値わかってるー?あれが作られるようになったら画期的なんだよー」
「それよりあのペンの学術的価値の方が価値ありますわ。あのペンの構造を解き明かして後世につたえなくてはいけませんのよ」
「おふくろにどっちが先に聞くかきめてもらおー」
「そうですよね。そうしていただくのが良いわ」
ノックの音が聞こえる。リーリシアは諦めて外に出て話を始めた。どう考えてもボールペンの事だよな。
しばらく待ってたら最後リーリシアの雷が落ちて中に二人とも入ってきた。僕はお茶とお菓子を用意した。
「リョウエスト君、はじめまして。土の神で技巧と経済を司るグンヴォルですー。よろしくー」
「リョウエストさん、私水の神で知識と魔法と魔術の神をしておりますマデリエネですわ。よろしくお願いしますわ」
「はい。よろしくお願いします。リョウって呼んでください」
「わかったー。リョウだねー」
「リョウさんでよろしいのね。わかりましたわ」
「それでペンの事ですよね」
「そや。どうやって作るん?」
「あれは地球のものなのですか?」
「地球のですけどちょっと違います。もうちょっとわかりやすくしますね」
僕は三倍くらい大きなペンを2本作った。
「これで少しわかりやすくなったと思うんですけどこの芯の上の透明な所にドロドロなインクが入っています。まずはこのインクを作らないとダメですね」
「なるほどつづけてー」
「で、この鉄の部分、芯で言うのですがここをインクが伝ってきて、この先で溜まります。それをボール状の先で紙に書いていくという感じです。まずは真円のボールを作る技術と鉄加工の技術がいると思います」
「それでは今の技術では難しいんじゃなくて?」
「確かにそうやな。でも技術転用は可能やな」
「あとこんなペンもあります」
僕はガラスペンとインクと紙を出す。
「これはペン先をインクに浸して物を書くつけペンです。ペン先に施された細い溝見えますか?その溝がインクを吸い上げ、そのインクで文字や絵を描くんです。インクがありますので描いてみて下さい」
「描きやすいですわね」
「これ良いわー」
「どうでしょう。これなら技術的にまだ可能域だと思うんですが」
「確かにそうだねー」
「これはどうしてインクを吸い上げるのでしょうか?」
「毛細管現象というんですがこういう細い管があると液体は吸い上げられるんですね」
「じゃあどうして紙に書けるのでしょうか?」
「紙がインクを吸い取る事により書けます」
「なんてことでしょうか。私こんなことも知らなかったとは。反省でございますわ」
「これ一本当たり結構しそうやー」
「一本一本作ってたら高くなりそうですね」
「そうだねー」
「大量に作れる機構ができたらコストダウンしそうですけどね」
「なんか思いつかないー?」
「うーん。鉄の型を作ってそこにガラスを流し入れるとかどうですかね?」
「そうかー。その手があるなー。爆発的に売れそうな気配がぷんぷんするわなー」
「まあ、そこら辺はグンヴォルさんにお任せします。大丈夫ですかマデリエネさん?」
「毛細管現象が面白すぎて夢中になってしまいましたわ」
「……それでアネーシャさんに薬草を教えてもらったんだ」
「そう。すっかり仲良くなったみたいね…でも変ね。アネーシャ、あなたの外見くらいの男の子苦手なのよ」
「そうなんだね。でも何も言われてないな。途中から風をまとうのをやめて姿を見せてくれたんだよね。結構無防備に」
「ええ?それはよっぽど気に入られたんじゃないかな」
「まあ、嫌われるよりは良いよね」
「そうね」
「そのあとナーディルさんとまた訓練をして、権能の事を教えてもらった。はい、これ」
僕は薔薇の花束を創り出して渡した。
「え!?どこからそれを出したの?収納?」
「違うよ。創り出した」
「リョウ、あなた簡単にやってるけどここでは神力がよっぽどないとそんな事できないわよ」
「だから権能じゃないかってナーディルさんが言ってた」
「そうね。その可能性が高いわ」
「リーリシアさ、僕の権能とかスキル、わからないよね?」
「そうね。今まさに習得してる最中だもの。読めないわ」
「こういう場合肉体を読むの?それとも精神?」
「両方かな。いつもは分かれてないからそんな手間はいらないわね」
「なるほどね」
「私の方からも話があるの」
「うん」
「あのね、怒らないで聞いてね。うちの子で仕事はきっちりやるんだけど人付き合いが苦手というか内気な子がいるの」
「うん」
「その子がね、私たちの事を聞いてヘソを曲げちゃってね、困ってるの」
「わかるよ。大事な母親を取られる気持ちなんだろうな」
「そうなの。でね、私たちの事ちょくちょく覗くかもしれない。この中は覗けないようになってるから良いんだけど、外がね……」
「あー。外でいちゃいちゃしないようにしないとね」
「ありがと。あとね、あなたにえこひいきしてると思われるとまたヘソを曲げると思うの。だから外ではちょっと呼び方変えて良いかな?」
「どういうふうに?」
「あの子とかこの子とか、そういうふうにどちらかと言えば子供扱いをしている感じかなあ」
「なるほど。自分と同じ扱いだと見せたいって事だね」
「そうなの。良いかなあ?」
「良いに決まってるじゃん。僕は今はここで客人な訳だし、リーリシアの仕事が円滑に行くのが大事だよ」
「ありがとう。リョウ大好きよ」
「僕も大好きだ」
リーリシアとキスをしようとする。
そこに外から喧嘩してるような声が聞こえてきた。
「リョウエスト君に会うのは俺が先だよー!」
「私の方が先に来ましたわ。私が先でなくって?」
「あのペンの価値わかってるー?あれが作られるようになったら画期的なんだよー」
「それよりあのペンの学術的価値の方が価値ありますわ。あのペンの構造を解き明かして後世につたえなくてはいけませんのよ」
「おふくろにどっちが先に聞くかきめてもらおー」
「そうですよね。そうしていただくのが良いわ」
ノックの音が聞こえる。リーリシアは諦めて外に出て話を始めた。どう考えてもボールペンの事だよな。
しばらく待ってたら最後リーリシアの雷が落ちて中に二人とも入ってきた。僕はお茶とお菓子を用意した。
「リョウエスト君、はじめまして。土の神で技巧と経済を司るグンヴォルですー。よろしくー」
「リョウエストさん、私水の神で知識と魔法と魔術の神をしておりますマデリエネですわ。よろしくお願いしますわ」
「はい。よろしくお願いします。リョウって呼んでください」
「わかったー。リョウだねー」
「リョウさんでよろしいのね。わかりましたわ」
「それでペンの事ですよね」
「そや。どうやって作るん?」
「あれは地球のものなのですか?」
「地球のですけどちょっと違います。もうちょっとわかりやすくしますね」
僕は三倍くらい大きなペンを2本作った。
「これで少しわかりやすくなったと思うんですけどこの芯の上の透明な所にドロドロなインクが入っています。まずはこのインクを作らないとダメですね」
「なるほどつづけてー」
「で、この鉄の部分、芯で言うのですがここをインクが伝ってきて、この先で溜まります。それをボール状の先で紙に書いていくという感じです。まずは真円のボールを作る技術と鉄加工の技術がいると思います」
「それでは今の技術では難しいんじゃなくて?」
「確かにそうやな。でも技術転用は可能やな」
「あとこんなペンもあります」
僕はガラスペンとインクと紙を出す。
「これはペン先をインクに浸して物を書くつけペンです。ペン先に施された細い溝見えますか?その溝がインクを吸い上げ、そのインクで文字や絵を描くんです。インクがありますので描いてみて下さい」
「描きやすいですわね」
「これ良いわー」
「どうでしょう。これなら技術的にまだ可能域だと思うんですが」
「確かにそうだねー」
「これはどうしてインクを吸い上げるのでしょうか?」
「毛細管現象というんですがこういう細い管があると液体は吸い上げられるんですね」
「じゃあどうして紙に書けるのでしょうか?」
「紙がインクを吸い取る事により書けます」
「なんてことでしょうか。私こんなことも知らなかったとは。反省でございますわ」
「これ一本当たり結構しそうやー」
「一本一本作ってたら高くなりそうですね」
「そうだねー」
「大量に作れる機構ができたらコストダウンしそうですけどね」
「なんか思いつかないー?」
「うーん。鉄の型を作ってそこにガラスを流し入れるとかどうですかね?」
「そうかー。その手があるなー。爆発的に売れそうな気配がぷんぷんするわなー」
「まあ、そこら辺はグンヴォルさんにお任せします。大丈夫ですかマデリエネさん?」
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