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旅立つ者。
ミシェ姉さんの結婚式の準備。
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マリカさんが我が家に来てから数日が過ぎた。マリカさんの事が話題となって店のお客様が増えたのだと言う。マリカさんは朝開店後から入って夕方まで頑張っている。夜僕らとご飯を食べてからロイック兄さんと話している。マリカさんの滞在はミシェ姉さんの結婚式までと決まった。
ミシェ姉さんは結婚式の準備に余念がない。結婚式のドレスや、お茶会用のドレス、夜会用のドレスが届きそれを試着して楽しんでるのが唯一の娯楽で、あとは貴族のしきたりについての勉強や、領主夫人としてやらなければいけない仕事などの勉強に時間を使っている。
スサン商会はスサン商会で結婚式やミシェ姉さんの新生活の為に動いている。前ガルスキー男爵の館があまりに趣味が悪いのでそこの改装や、いらない調度品を売り払う事などを請け負って担当者が走り回っている。家具は僕が地精の家具屋にお願いした。大樽一本贈ったら最高の仕事をしてくれた。ミシェ姉さんも新郎のラーモン様、ラーモン様の父親のニメイジ男爵も地精の仕事の出来に驚いて僕に追加料金を請求してくれと言ってきた。僕はストークを通して請求は結構です、と伝えたがニメイジ男爵は恐縮しているようだった。
僕の仕事はあとは料理だけだ。結婚式のパーティーはニメイジ男爵邸で行われる。厨房があまり広くない為、ある程度は作り置きを出す事になった。前日に料理を作り錬金術師のデボンさんと一緒に腐らないよう保存の変質をかける、という方針に決まった。
料理はミシェ姉さんのリクエスト料理を中心に出すことになった。当初9品出すと言っていたが、現実的に考えて6品出す事になった。
それとは別にお姉さんにある物を一緒に作らないか提案する。お姉さんはそれは良いわね、と言って賛成してくれた。これは日持ちするので結構前でも大丈夫なはずだ。心配なら錬金布で一気に保存をかければ良いなと思う。
商業ギルドにやってきた。時間短縮のために道具を作ったからだ。ロイック兄さんに見せたら、これを商品化すると言われてしまった。マレイローさんとアポを取り、商業ギルドに行く。付き添いはロイック兄さんとストークだ。
「ようこそいらっしゃいました。リョウ様、こちらでの二回目の商業登録、ありがとうございます。すでに商業登録しているものを確認しました。独創的で素晴らしいアイデアばかりですね。今日はどのような感じのものでしょうか」
「お肉を細かく、する魔法道具、と油で揚げる時、に使う魔法道具」
「なるほど。油で揚げるというのは料理ギルドで提唱された新しい概念ですね」
「そう。油多め、焼くというのを、揚げるというの」
「わかりました。今日は実演してくれますか?」
「わかったー。まずはお肉を上の皿にのせるー。スイッチ押す」
肉が挽肉になって出てきた。
「これをエストバーグとかにする」
「なるほど。均一に細かくなってますね。細かくする事でどんな違いがでますか?」
「エストバーグ、なめらかになる。美味しくなる。加工が早い」
「全然変わると言う事ですね。これは採用にしたいと思います」
「ありがと。名前、スサンミンサーで」
「かしこまりました」
次にフライヤーを出す。
「これ、油入れる」
フライヤーに油を注ぐ。
「スイッチ入れる。温度は、二段階。野菜を揚げる温度、肉を揚げる温度。
野菜、揚げる」
かぼちゃとタマネギを揚げる。
「野菜、温度高い、野菜、ダメになる」
上がったかぼちゃと野菜をマレイローさんに食べてもらう。
「ほぉ。ホクホクしている。この揚げると言うのも美味しいですね」
「野菜の、旨みがでるの。次は肉、リョウチキンを揚げる」
温度のスイッチを切り替える。しばらくすると温度が上がったと魔法道具が知らせてくれる。
「これで、温度、上がった。チキンを入れるの」
「はい」
「お肉は温度、必要。必要な温度、するの、これ」
「なるほど。切り替えができるのは便利ですね」
「これで決まった、時間揚げる。同じものができる」
「ロイックさん、『スサンの天使』などで役に立ちそうですね」
「ええ。早速導入予定です」
「揚がった。食べて」
「はい、頂きます」
マレイローさんはリョウチキンを頬張る。
「なるほど。言っている意味がわかりました。これと同じ美味しさができるという意味ですね。時間を設定するタイマーは商業登録されているのでそれと組み合わせてみたらどうでしょうか?」
「それは良いですね、リョウ、それ使って改良してみたらどうか?」
「うんー。それは、ロイック兄さん、お願い。僕は、ミシェ姉さんの、結婚式、間に合わす、作ったの」
「そうだな。これは後で登録する形にしたいと思います。とりあえず今日はそのタイマーの商業登録の内容を教えていただきますか?」
「後ほど準備します」
「ありがとうございます。実験をして最適な時間を探し当てたいと思います」
「とりあえず仮登録としておきましょう。そうする事によって類似や同一の登録を防ぐ事ができます。これもお金が動きそうです。念の為にしておきます」
「マレイローさん、ありがと」
ミシェ姉さんは結婚式の準備に余念がない。結婚式のドレスや、お茶会用のドレス、夜会用のドレスが届きそれを試着して楽しんでるのが唯一の娯楽で、あとは貴族のしきたりについての勉強や、領主夫人としてやらなければいけない仕事などの勉強に時間を使っている。
スサン商会はスサン商会で結婚式やミシェ姉さんの新生活の為に動いている。前ガルスキー男爵の館があまりに趣味が悪いのでそこの改装や、いらない調度品を売り払う事などを請け負って担当者が走り回っている。家具は僕が地精の家具屋にお願いした。大樽一本贈ったら最高の仕事をしてくれた。ミシェ姉さんも新郎のラーモン様、ラーモン様の父親のニメイジ男爵も地精の仕事の出来に驚いて僕に追加料金を請求してくれと言ってきた。僕はストークを通して請求は結構です、と伝えたがニメイジ男爵は恐縮しているようだった。
僕の仕事はあとは料理だけだ。結婚式のパーティーはニメイジ男爵邸で行われる。厨房があまり広くない為、ある程度は作り置きを出す事になった。前日に料理を作り錬金術師のデボンさんと一緒に腐らないよう保存の変質をかける、という方針に決まった。
料理はミシェ姉さんのリクエスト料理を中心に出すことになった。当初9品出すと言っていたが、現実的に考えて6品出す事になった。
それとは別にお姉さんにある物を一緒に作らないか提案する。お姉さんはそれは良いわね、と言って賛成してくれた。これは日持ちするので結構前でも大丈夫なはずだ。心配なら錬金布で一気に保存をかければ良いなと思う。
商業ギルドにやってきた。時間短縮のために道具を作ったからだ。ロイック兄さんに見せたら、これを商品化すると言われてしまった。マレイローさんとアポを取り、商業ギルドに行く。付き添いはロイック兄さんとストークだ。
「ようこそいらっしゃいました。リョウ様、こちらでの二回目の商業登録、ありがとうございます。すでに商業登録しているものを確認しました。独創的で素晴らしいアイデアばかりですね。今日はどのような感じのものでしょうか」
「お肉を細かく、する魔法道具、と油で揚げる時、に使う魔法道具」
「なるほど。油で揚げるというのは料理ギルドで提唱された新しい概念ですね」
「そう。油多め、焼くというのを、揚げるというの」
「わかりました。今日は実演してくれますか?」
「わかったー。まずはお肉を上の皿にのせるー。スイッチ押す」
肉が挽肉になって出てきた。
「これをエストバーグとかにする」
「なるほど。均一に細かくなってますね。細かくする事でどんな違いがでますか?」
「エストバーグ、なめらかになる。美味しくなる。加工が早い」
「全然変わると言う事ですね。これは採用にしたいと思います」
「ありがと。名前、スサンミンサーで」
「かしこまりました」
次にフライヤーを出す。
「これ、油入れる」
フライヤーに油を注ぐ。
「スイッチ入れる。温度は、二段階。野菜を揚げる温度、肉を揚げる温度。
野菜、揚げる」
かぼちゃとタマネギを揚げる。
「野菜、温度高い、野菜、ダメになる」
上がったかぼちゃと野菜をマレイローさんに食べてもらう。
「ほぉ。ホクホクしている。この揚げると言うのも美味しいですね」
「野菜の、旨みがでるの。次は肉、リョウチキンを揚げる」
温度のスイッチを切り替える。しばらくすると温度が上がったと魔法道具が知らせてくれる。
「これで、温度、上がった。チキンを入れるの」
「はい」
「お肉は温度、必要。必要な温度、するの、これ」
「なるほど。切り替えができるのは便利ですね」
「これで決まった、時間揚げる。同じものができる」
「ロイックさん、『スサンの天使』などで役に立ちそうですね」
「ええ。早速導入予定です」
「揚がった。食べて」
「はい、頂きます」
マレイローさんはリョウチキンを頬張る。
「なるほど。言っている意味がわかりました。これと同じ美味しさができるという意味ですね。時間を設定するタイマーは商業登録されているのでそれと組み合わせてみたらどうでしょうか?」
「それは良いですね、リョウ、それ使って改良してみたらどうか?」
「うんー。それは、ロイック兄さん、お願い。僕は、ミシェ姉さんの、結婚式、間に合わす、作ったの」
「そうだな。これは後で登録する形にしたいと思います。とりあえず今日はそのタイマーの商業登録の内容を教えていただきますか?」
「後ほど準備します」
「ありがとうございます。実験をして最適な時間を探し当てたいと思います」
「とりあえず仮登録としておきましょう。そうする事によって類似や同一の登録を防ぐ事ができます。これもお金が動きそうです。念の為にしておきます」
「マレイローさん、ありがと」
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