225 / 595
6歳の力走。
大舞踏会後半戦。
しおりを挟む
ブースが出来た所で続々と人が集まってきた。最初に来たのは王様の側近の侍従達だった。僕は彼らとハイタッチして他のブースの様子を見に行く。次に来たのは上級貴族様方ご家来衆だ。これ絶対エフェルト公爵様が情報流したよね。あっという間に皿がなくなっていく。それに追いつくように料理人達は頑張っている。
雲は食いつきが悪かったが一人の婦人がもらったのを見た人たちが次々にブースに向かっていった。列が出来ているね。みんな楽しそうにもらっている。これもエンターテイメントだと思うんだ。笑顔にできたら最高でしょ。
スイーツ処は女性が並んでいる。予想してなかったけど貴族の地位関係なくみんな並んでいるようだ。一通り見て選びたいという心理だろう。それを眺めていたらミシェ姉さんが現れた。どうやらお友達になった人たちと見に来たらしい。顔の傷を心配してくれたがここで魔術使おうとしちゃダメだよ。すんでのところで止めて事なきを得たんだけど危なかった。ミシェ姉さんと少し話したんだけど、派閥関係なく友達になった人が多かったみたい。良かったね。
ミシェ姉さんが去った後ロイック兄さんとマリカさんも来た。なんとマリーダさんとメリンさんも一緒にいる。なんでだ、とロイック兄さんに聞いたら内緒と言われた。何か良くわからないけど仲良いことは良い事だ。ロイック兄さんに教えてもらったんだけど、僕を襲撃してきた少年たちは上級貴族の子息でどうしようもない不良貴族だそうだ。ただの子息が当主を殴ったらわかるよね、とロイック兄さんはニヤリとした。ロイック兄さん、結構怒ってる。まあ穏便に、とは言ったけどあとは知ーらない。
6時間が過ぎた頃やっと厨房が落ち着いてきた。仕込みの人たちに休憩してもらって表の人たちも交代交代で休みをとって回る。あとはイレギュラーがなければ大丈夫だろう。予定してたより早く終結に向かってる。僕も初めて休憩を取った。ストークもミザーリも座らせる。二人ともずっと立ちっぱなしだったからね。座って話をしてたらサイスさんがやってきた。
「リョウエスト様、王様はじめ、貴族の皆様方がお礼を言いたいと申しております。どうされますか?」
「厨房の、様子見てから、行きます」
「かしこまりました。よろしくお願いします」
「はい!」
厨房に戻ると問題はないようなのでストークとミザーリを連れて王様の所へ向かう。
「王様、お呼びで」
「よくやったな。見事な料理だった。お前に感謝したい。これだけの豊かな食事をこの国に与えてくれたことにな。これからも励めよ」
「ありがと、ございます」
「リョウ、大丈夫?」
「ルマーニ様、問題ない」
「そう。良かった」
「リョウエスト、これが終わったら回復魔法をかけてもらえよ」
「ありがと、ございます。ウルリッヒ様」
「リョウエスト、素晴らしい料理だったわ。また私たちに振る舞ってね」
「はい、王妃様」
「こんな小さい子に暴力を振るうとは許せんな。リョウエスト、ワシに任せとけ」
「ありがとうございます。先王様」
王様御一家にはこんな挨拶をした。その後侍従に連れられて色んな方から感謝の言葉をもらった。中には暴力を振るった少年の親も居て平謝りして賠償金を提示されたが、それを断って大丈夫です、と答えた。なんか負けたと思うからだ。別にお金には困っていないしね。今後ともよろしくお願いします、と言って去った。
美食家三人衆のエフェルト公爵様、グロッサム侯爵様、ナータリア伯爵様はそれぞれこんなレストランが作りたいと言っていた。劇場型の概念が突き刺さったらしい。僕はいくつかアドバイスをさせてもらった。是非作ってもらいたいものだ。
結局40家ほど回って残り時間が1時間切った。うどんの所に結構な人が並んでいる。締めのうどんと言った所か。結構な数の酔客がいる。酔って迷惑をかけていないようだが騎士団の皆様は周りから離れない。彼らは早く終われと念じている事だろう。デザートがほぼなくなっている。女の人のスイーツ欲はすごいな。あれだけ用意したものが全くないとは恐れ入った。
残り時間10分を切った。最後駆け込みでブュッフェを物色している人達がいる。ブュッフェの料理も無くなってきた。すごいなほとんどロスなしで終われるんじゃないかな。無くなったブュッフェ台はすでに脇に置かれている。あとは何も起こらない事を願うだけだ。
時間になった。演奏が止まる。あちこちで拍手が始まり全体が拍手で包まれる。終わった。やり切ったぞ。厨房のみなと握手する。疲れて座ってしまうものも出た。普通に疲れるよね。これでやっと帰れる。後片付けが終わったらね。
お客様が引いていく。色んな貴族に美味しかったよ、と言ってもらえた。それが単純に嬉しくてつい泣きそうになる。長かった社交シーズンの終わりに本当に良い経験ができたと思う。少し痛かったけどね。ストークやミザーリと目があって頷いた。フィグさんがやってきた。ほぼ、後片付けが終了したのだという。フィグさんとお互い労わる。侍従達はお客様を追い出…送っている。ドアが閉まる。
ミッションコンプリート。
雲は食いつきが悪かったが一人の婦人がもらったのを見た人たちが次々にブースに向かっていった。列が出来ているね。みんな楽しそうにもらっている。これもエンターテイメントだと思うんだ。笑顔にできたら最高でしょ。
スイーツ処は女性が並んでいる。予想してなかったけど貴族の地位関係なくみんな並んでいるようだ。一通り見て選びたいという心理だろう。それを眺めていたらミシェ姉さんが現れた。どうやらお友達になった人たちと見に来たらしい。顔の傷を心配してくれたがここで魔術使おうとしちゃダメだよ。すんでのところで止めて事なきを得たんだけど危なかった。ミシェ姉さんと少し話したんだけど、派閥関係なく友達になった人が多かったみたい。良かったね。
ミシェ姉さんが去った後ロイック兄さんとマリカさんも来た。なんとマリーダさんとメリンさんも一緒にいる。なんでだ、とロイック兄さんに聞いたら内緒と言われた。何か良くわからないけど仲良いことは良い事だ。ロイック兄さんに教えてもらったんだけど、僕を襲撃してきた少年たちは上級貴族の子息でどうしようもない不良貴族だそうだ。ただの子息が当主を殴ったらわかるよね、とロイック兄さんはニヤリとした。ロイック兄さん、結構怒ってる。まあ穏便に、とは言ったけどあとは知ーらない。
6時間が過ぎた頃やっと厨房が落ち着いてきた。仕込みの人たちに休憩してもらって表の人たちも交代交代で休みをとって回る。あとはイレギュラーがなければ大丈夫だろう。予定してたより早く終結に向かってる。僕も初めて休憩を取った。ストークもミザーリも座らせる。二人ともずっと立ちっぱなしだったからね。座って話をしてたらサイスさんがやってきた。
「リョウエスト様、王様はじめ、貴族の皆様方がお礼を言いたいと申しております。どうされますか?」
「厨房の、様子見てから、行きます」
「かしこまりました。よろしくお願いします」
「はい!」
厨房に戻ると問題はないようなのでストークとミザーリを連れて王様の所へ向かう。
「王様、お呼びで」
「よくやったな。見事な料理だった。お前に感謝したい。これだけの豊かな食事をこの国に与えてくれたことにな。これからも励めよ」
「ありがと、ございます」
「リョウ、大丈夫?」
「ルマーニ様、問題ない」
「そう。良かった」
「リョウエスト、これが終わったら回復魔法をかけてもらえよ」
「ありがと、ございます。ウルリッヒ様」
「リョウエスト、素晴らしい料理だったわ。また私たちに振る舞ってね」
「はい、王妃様」
「こんな小さい子に暴力を振るうとは許せんな。リョウエスト、ワシに任せとけ」
「ありがとうございます。先王様」
王様御一家にはこんな挨拶をした。その後侍従に連れられて色んな方から感謝の言葉をもらった。中には暴力を振るった少年の親も居て平謝りして賠償金を提示されたが、それを断って大丈夫です、と答えた。なんか負けたと思うからだ。別にお金には困っていないしね。今後ともよろしくお願いします、と言って去った。
美食家三人衆のエフェルト公爵様、グロッサム侯爵様、ナータリア伯爵様はそれぞれこんなレストランが作りたいと言っていた。劇場型の概念が突き刺さったらしい。僕はいくつかアドバイスをさせてもらった。是非作ってもらいたいものだ。
結局40家ほど回って残り時間が1時間切った。うどんの所に結構な人が並んでいる。締めのうどんと言った所か。結構な数の酔客がいる。酔って迷惑をかけていないようだが騎士団の皆様は周りから離れない。彼らは早く終われと念じている事だろう。デザートがほぼなくなっている。女の人のスイーツ欲はすごいな。あれだけ用意したものが全くないとは恐れ入った。
残り時間10分を切った。最後駆け込みでブュッフェを物色している人達がいる。ブュッフェの料理も無くなってきた。すごいなほとんどロスなしで終われるんじゃないかな。無くなったブュッフェ台はすでに脇に置かれている。あとは何も起こらない事を願うだけだ。
時間になった。演奏が止まる。あちこちで拍手が始まり全体が拍手で包まれる。終わった。やり切ったぞ。厨房のみなと握手する。疲れて座ってしまうものも出た。普通に疲れるよね。これでやっと帰れる。後片付けが終わったらね。
お客様が引いていく。色んな貴族に美味しかったよ、と言ってもらえた。それが単純に嬉しくてつい泣きそうになる。長かった社交シーズンの終わりに本当に良い経験ができたと思う。少し痛かったけどね。ストークやミザーリと目があって頷いた。フィグさんがやってきた。ほぼ、後片付けが終了したのだという。フィグさんとお互い労わる。侍従達はお客様を追い出…送っている。ドアが閉まる。
ミッションコンプリート。
173
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
Gランク冒険者のレベル無双〜好き勝手に生きていたら各方面から敵認定されました〜
2nd kanta
ファンタジー
愛する可愛い奥様達の為、俺は理不尽と戦います。
人違いで刺された俺は死ぬ間際に、得体の知れない何者かに異世界に飛ばされた。
そこは、テンプレの勇者召喚の場だった。
しかし召喚された俺の腹にはドスが刺さったままだった。
異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
狼になっちゃった!
家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで?
色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!?
……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう?
これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。
実家にガチャが来たそしてダンジョンが出来た ~スキルを沢山獲得してこの世界で最強になるようです~
仮実谷 望
ファンタジー
とあるサイトを眺めていると隠しリンクを踏んでしまう。主人公はそのサイトでガチャを廻してしまうとサイトからガチャが家に来た。突然の不可思議現象に戸惑うがすぐに納得する。そしてガチャから引いたダンジョンの芽がダンジョンになりダンジョンに入ることになる。
タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる