【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】

暖夢 由

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第1章

ロディ様の……ねぇ

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パーティーの参加者が面白そうにこちらを見ている。
まるでここにだけスポットライトが当てられているかのように注目されている。
伯爵家の娘が会ったこともない男爵家の娘に婚約破棄をされる。そんな前代未聞なこと……面白いに決まってる!私なら覗き込んでみるわ!


でも残念なことになぜか私は当事者になってしまっている。それなら聞かなければいけない。


なぜ当事者でも関係者でもない男爵令嬢に私は婚約破棄を突きつけられるのか。


「それはロディ様が婚約破棄されたいとおっしゃるからよ。ねぇ、ロディ様?」


ロディ様の腕にぎゅっとしがみつき顔を横に傾け、上目遣いで見つめると、ロディ様の顔がさっきよりもよりニヤニヤと…気持ち悪い……
その様子、身長の低い私の母がやると可愛いと思えるけど、ロディ様と身長の変わらない令嬢が下から覗き見るようにしているさまはあまり可愛いとは思えない……
でも本人たちは満足しているようだから問題はないのだろうけど。


「でしたらロディ様がおっしゃるべきではないのですか。無関係な女性に言わせるなど紳士のなさることではないかと。」


「無関係なんかじゃないわ。私はロディ様の……ねぇ?」


親密さをアピールするかのようにまたロシェンカ男爵令嬢がロディ様の身体に自分の胸を押し付ける。
胸元が広くあいているドレスの為、そうして胸を押し付けることで胸が形を変え、ギュッと当たっていることがこちらからもよくわかる。
あぁ…浮気されてたと言いたいのね?こんなところでそんなこと堂々と宣言できるなんて、よっぽどの強心臓をお持ちなんだわ。
だって私のお父様とお母様を見るともう最高の笑顔になっていらっしゃいますわよ?はぁ、怒ると笑顔になる人が1番怖いと思うの。似たもの夫婦だわ……


「それではロディ様も婚約破棄なさりたいと思っていると言うことで間違いありませんわね?」


「あたりまえ「あなたではありません!ロディ様にお聞きしております」」


私が言質を取ろうと重ねる質問にロシェンカ令嬢が再度口を開こうとするから押し黙らせる。
いつまでもこの方に話をされていると話が先に進まないわ。


「あ、当たり前だ!だいたい……お茶会をしても、会話も弾まない。僕は、僕は侯爵家の人間なんだ。も、もっと、敬うべきなんだ。だから、だから!!婚約は、破棄するんだ!!!」


あら、こんなに話すところなんて初めてみたわ。私の方を睨みつけ、人差し指で私を指しながらそう断言するロディ様。
意外に話せるのね。それに侯爵家の人間だから敬うべきだなんて、そんなことを心の中で思っていたのね。これでは会話も弾まないわけね。
なんだかちょっとすっきりできてよかった。
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