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第1章
淡い恋心(アイシャ視点)
しおりを挟むそしてなにより意外だったのは、彼もサリーと一緒で領地の事を変えていきたいと思っていると言うこと。そのために織物のことも調べていたのだと言う。
父が王弟であることを鼻にかけることもなく、自分が公爵を継いでも恥ずかしくないように知識をつけたいのだと言った。
それからは私たちは競い合うように自分の領地の事、お互いの領地の事、他の領地のことについて調べ、自分たちの領地に必要な事を勉強した。
そして、お互いの領地でもっと交流を持てるようにしようと決めた。
どんなやり方があるのかまだよくわからないため、まずは領地の物を相手の領地で簡単に売れるようにすることから。
まず最初にその取り組みをベルジャン公爵領とクルーディス公爵領から始めることにした。
爵位の事を気にしたりはしないけど、やはり同じ公爵家同士ならやりやすい。だからお互いの両親を説得し、最初に公爵家同士の領地への定期馬車を作ることにした。
とりあえず1日3回、お互いの領地を行き来させることにする。定期馬車には花や野菜、果物だけでなく、衣類などの荷物も乗せた。定期馬車に乗せれることで生産者が直接馬車の手配することが減り、生産者の手間も負担も減った。
そして、試作として、お互いの領地にお互いの領地用の店を用意した。
ベルジャン公爵領にはクルーディス領の物を扱う店を。クルーディス公爵領にはベルジャン領の物を扱う店を。各店に数人の人を置き、賛同した店の商品を置いた。
これがかなり反響を呼び、今まではすぐには手に入らなかった物が手に入りやすくなったと購入する人が多く、自分たちが直接行かずとも商品を売ってくれるやり方は生産者達にも好評だった。
ベルジャン領とクルーディス領で成功してからはナシェルカ領への定期馬車を作ったが、ナシェルカ領で出来るようになったのは取り組みを始めて1年後の事だった。
でもこの取り組みを始めたことでベルジャン公爵家とクルーディス公爵家の関係はかなり近いものになった。
同時に私とデイヴもよく話しをするようになった。
学校ではサリーと3人のことも多かったけど、公爵会や、王家とのお茶会などにはサリーは呼ばれなかったから、そうした時には2人で話すことも多くなった。
そして、いつの間にか私はデイヴをずっと目で追っていることに気付いた。
領地の事や、剣の事を話す時のまるで子どものような満面の笑みを浮かべて話し、さりげなく気遣ってくれる優しさ、ベルジャン公爵や、私の父の前で堂々と話す姿など、いつの間にか彼に惹かれてしまっていた。
でもベルジャン公爵家とクルーディス公爵家の結びつきなどありえない。
もしこの両家が親族にでもなってしまえばきっとかなりの力を持ってしまう。
王家も議会もきっとそれを歓迎はしないだろう。
だから気付いてしまった淡い恋心には蓋をするしかない。
誰にも気付かれないように。
どうせあと1年もすればいやでも婚約者が決まってしまうはず。
そう。だからこんな気持ち、持ってはいけない……
それなのにいつの間にか目は彼の姿を探してしまう。
話しかけられればドキドキと心臓は高鳴り、嬉しくなってしまう………
今のうちにちゃんと自分の気持ちを抑えなければと思うのに……
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