【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】

暖夢 由

文字の大きさ
26 / 166
第1章

淡い恋心(アイシャ視点)

しおりを挟む


そしてなにより意外だったのは、彼もサリーと一緒で領地の事を変えていきたいと思っていると言うこと。そのために織物のことも調べていたのだと言う。


父が王弟であることを鼻にかけることもなく、自分が公爵を継いでも恥ずかしくないように知識をつけたいのだと言った。


それからは私たちは競い合うように自分の領地の事、お互いの領地の事、他の領地のことについて調べ、自分たちの領地に必要な事を勉強した。
そして、お互いの領地でもっと交流を持てるようにしようと決めた。
どんなやり方があるのかまだよくわからないため、まずは領地の物を相手の領地で簡単に売れるようにすることから。
まず最初にその取り組みをベルジャン公爵領とクルーディス公爵領から始めることにした。
爵位の事を気にしたりはしないけど、やはり同じ公爵家同士ならやりやすい。だからお互いの両親を説得し、最初に公爵家同士の領地への定期馬車を作ることにした。


とりあえず1日3回、お互いの領地を行き来させることにする。定期馬車には花や野菜、果物だけでなく、衣類などの荷物も乗せた。定期馬車に乗せれることで生産者が直接馬車の手配することが減り、生産者の手間も負担も減った。
そして、試作として、お互いの領地にお互いの領地用の店を用意した。
ベルジャン公爵領にはクルーディス領の物を扱う店を。クルーディス公爵領にはベルジャン領の物を扱う店を。各店に数人の人を置き、賛同した店の商品を置いた。
これがかなり反響を呼び、今まではすぐには手に入らなかった物が手に入りやすくなったと購入する人が多く、自分たちが直接行かずとも商品を売ってくれるやり方は生産者達にも好評だった。


ベルジャン領とクルーディス領で成功してからはナシェルカ領への定期馬車を作ったが、ナシェルカ領で出来るようになったのは取り組みを始めて1年後の事だった。
でもこの取り組みを始めたことでベルジャン公爵家とクルーディス公爵家の関係はかなり近いものになった。




同時に私とデイヴもよく話しをするようになった。
学校ではサリーと3人のことも多かったけど、公爵会や、王家とのお茶会などにはサリーは呼ばれなかったから、そうした時には2人で話すことも多くなった。



そして、いつの間にか私はデイヴをずっと目で追っていることに気付いた。
領地の事や、剣の事を話す時のまるで子どものような満面の笑みを浮かべて話し、さりげなく気遣ってくれる優しさ、ベルジャン公爵や、私の父の前で堂々と話す姿など、いつの間にか彼に惹かれてしまっていた。


でもベルジャン公爵家とクルーディス公爵家の結びつきなどありえない。
もしこの両家が親族にでもなってしまえばきっとかなりの力を持ってしまう。


王家も議会もきっとそれを歓迎はしないだろう。


だから気付いてしまった淡い恋心には蓋をするしかない。
誰にも気付かれないように。


どうせあと1年もすればいやでも婚約者が決まってしまうはず。
そう。だからこんな気持ち、持ってはいけない……


それなのにいつの間にか目は彼の姿を探してしまう。
話しかけられればドキドキと心臓は高鳴り、嬉しくなってしまう………
今のうちにちゃんと自分の気持ちを抑えなければと思うのに……
しおりを挟む
感想 63

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした

果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。 そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、 あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。 じゃあ、気楽にいきますか。 *『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。

悪役だから仕方がないなんて言わせない!

音無砂月
恋愛
マリア・フォン・オレスト オレスト国の第一王女として生まれた。 王女として政略結婚の為嫁いだのは隣国、シスタミナ帝国 政略結婚でも多少の期待をして嫁いだが夫には既に思い合う人が居た。 見下され、邪険にされ続けるマリアの運命は・・・・・。

良いものは全部ヒトのもの

猫枕
恋愛
会うたびにミリアム容姿のことを貶しまくる婚約者のクロード。 ある日我慢の限界に達したミリアムはクロードを顔面グーパンして婚約破棄となる。 翌日からは学園でブスゴリラと渾名されるようになる。 一人っ子のミリアムは婿養子を探さなければならない。 『またすぐ別の婚約者候補が現れて、私の顔を見た瞬間にがっかりされるんだろうな』 憂鬱な気分のミリアムに両親は無理に結婚しなくても好きに生きていい、と言う。 自分の望む人生のあり方を模索しはじめるミリアムであったが。

<完結> 知らないことはお伝え出来ません

五十嵐
恋愛
主人公エミーリアの婚約破棄にまつわるあれこれ。

謹んで、婚約破棄をお受けいたします。

パリパリかぷちーの
恋愛
きつい目つきと素直でない性格から『悪役令嬢』と噂される公爵令嬢マーブル。彼女は、王太子ジュリアンの婚約者であったが、王子の新たな恋人である男爵令嬢クララの策略により、夜会の場で大勢の貴族たちの前で婚約を破棄されてしまう。

【完結】女王と婚約破棄して義妹を選んだ公爵には、痛い目を見てもらいます。女王の私は田舎でのんびりするので、よろしくお願いしますね。

五月ふう
恋愛
「シアラ。お前とは婚約破棄させてもらう。」 オークリィ公爵がシアラ女王に婚約破棄を要求したのは、結婚式の一週間前のことだった。 シアラからオークリィを奪ったのは、妹のボニー。彼女はシアラが苦しんでいる姿を見て、楽しそうに笑う。 ここは南の小国ルカドル国。シアラは御年25歳。 彼女には前世の記憶があった。 (どうなってるのよ?!)   ルカドル国は現在、崩壊の危機にある。女王にも関わらず、彼女に使える使用人は二人だけ。賃金が払えないからと、他のものは皆解雇されていた。 (貧乏女王に転生するなんて、、、。) 婚約破棄された女王シアラは、頭を抱えた。前世で散々な目にあった彼女は、今回こそは幸せになりたいと強く望んでいる。 (ひどすぎるよ、、、神様。金髪碧眼の、誰からも愛されるお姫様に転生させてって言ったじゃないですか、、、。) 幸せになれなかった前世の分を取り返すため、女王シアラは全力でのんびりしようと心に決めた。 最低な元婚約者も、継妹も知ったこっちゃない。 (もう婚約破棄なんてされずに、幸せに過ごすんだーー。)

【完結】優雅に踊ってくださいまし

きつね
恋愛
とある国のとある夜会で起きた事件。 この国の王子ジルベルトは、大切な夜会で長年の婚約者クリスティーナに婚約の破棄を叫んだ。傍らに愛らしい少女シエナを置いて…。 完璧令嬢として多くの子息と令嬢に慕われてきたクリスティーナ。周囲はクリスティーナが泣き崩れるのでは無いかと心配した。 が、そんな心配はどこ吹く風。クリスティーナは淑女の仮面を脱ぎ捨て、全力の反撃をする事にした。 -ーさぁ、わたくしを楽しませて下さいな。 #よくある婚約破棄のよくある話。ただし御令嬢はめっちゃ喋ります。言いたい放題です。1話目はほぼ説明回。 #鬱展開が無いため、過激さはありません。 #ひたすら主人公(と周囲)が楽しみながら仕返しするお話です。きっつーいのをお求めの方には合わないかも知れません。

処理中です...