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第1章
侯爵令息からの誘い(アイシャ視点)
しおりを挟むそんなある日のお茶会で私はとある侯爵令息に声をかけられていた。
この男がなぜか大層自分に自信がある方で………
何度婚約の釣書が送られてきたかわからない。
それと共に自分の想いを認めた手紙がついてくる。
そしてこの日も………
「アイシャ嬢、ごきげんよう。今日もとても美しい。日の光で白銀の髪の毛が輝き、私に見て欲しいとねだっているようです。そして、その魅力的な瞳に見つめられると、私もあなたを見つめずにはいられない。やはり私にはあなたしかおりません。どうか私と結婚しください」
こんないかにも嘘臭いセリフを吐いてくる。
こんな事を言えば女性がなびくと思っているのだろうか。
この男、確かに見目は整っていると思う。
でも、あちこちの女性と浮名を流している。
そんな男お断り!
それなのに何度断ってもなぜかまたこうして話しかけてくる。
私は爵位なんか気にしてはいないけれど、この男はもっと爵位に気を使うべきだと思う。
侯爵令息が公爵令嬢に断られても断られても手紙を送るなんて………
「侯爵令息、申し訳ございませんが何度もそのことはお断りしているはずです。
侯爵令息でしたら私などではなくとももっといい方が」
「アイシャ嬢、侯爵令息ではなく何度もカルメとお呼びくださいと言っているではありませんか。
こんな所で話もなんですので、今日こそは隣で話をしましょう。さぁ!」
そういって私の手を乱暴に握る男。
何度も呼ばないって意思表示をしているのにどうして伝わらないのかしら!それに名前呼びを許したことなどないのに。
いたいっ!!
断っても話も聞かず、乱暴に手をひく男。
抵抗したいのに、意外にもその力は強く、そのまま手をひかれて、無理やり足をすすめられてしまう。
いやっ!
「アイシャ、お待たせ。
おや?カルメン殿、アイシャとお約束でしたか?私がこの後アイシャと約束していたのですが」
そう言って私たちの目の前に立つデイヴ。
「デイヴィッド殿?あっ、いや、その……どうしてもアイシャ嬢が私と話したいというので席に案内しようかと」
明らかに動揺しながらそんなことをいう男。
誰があんたなんかと話がしたいって言ったのよ?
「デイヴィッド様、ごきげんよう。
侯爵令息、申し訳ございませんが、お聞きの通り私デイヴィッド様とお約束がございますので、手を離して頂けますか?」
満面の笑みで私がそう言うと、口元を引きつらせながらも笑顔で、やっと私の手を放した。
「それならそうとおっしゃってくれればよかったのに。
ではまた今度はお茶を共にしましょう。それではデイヴィッド殿、アイシャ嬢、失礼します」
そう言い残し、そそくさとその場をあとにした。
2度と会いたくないわ!!
私が無意識に先ほどまで捕まれていた場所をこすっているとデイヴが手を取り、確認する。
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