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第1章
フレッドと呼んで頂きたい
しおりを挟むでも謝罪されるようなことはなにもないのだからこんなものもらえない。
それに男としてあるまじき行為ばかりの婚約者がいた私からしたら、そんなこと気にもしていなかったのにこんなものをもらうなんて…
「殿下、お心配り大変ありがたく存じます。しかし、謝罪されるようなことはございません。それなのにこのような品を頂くなど…」
「サリー嬢、これは私からの気持ちなのです。私の為と思って受け入れてほしい」
そう言われてしまえばこれ以上はお断りすることはできない。
素直にお礼を言って、頂戴するしかない。
「畏まりました。殿下のお気持ち大変ありがたく頂戴致します。」
父が隣でにこにこしながら感謝を述べて受け取っている。
お父様、情に脆いのが唯一の弱点と思っていたけど、お酒も弱点だなんて。これは早急に執事にも知らせなければいけないわ…
「ところでサリー嬢、できれば昨日のようにフレッドと呼んで頂きたいのですが。」
私が父の事を考えていると突然目の前からそんな言葉が投げかけられる。しかし、昨日は第2王子とは知らず、フレッド様としか知らなかったためフレッド様と呼ぶことができたのだ。今は王子だとしっている。それなのにフレッド様と呼ぶだなんて不敬にあたる。
「昨夜は知らなかったとはいえ、大変失礼いたしました。ですが、殿下をそのように呼ぶことなど不敬にあたります。ご容赦頂ければと…」
「呼ばれる私がそう呼んでほしいと願っている。不敬でもなんでもない。昨夜のようにぜひフレッドと呼んでください」
私が断ろうとするのに、それに被せるようにフレッドと呼ぶようにといってくる。
……何故にこんなに名前呼び推し?
そしてこんなやり取りを図書館でも繰り広げた気がする。
でもあの時はアイシャがいてくれて、2人でお断りの言葉を伝えていたけれど今日は一人しかいない。
そして伯爵家の娘でしかない自分がこれに抗えるすべはない。
まぁ、図書館ですら断れなかったのだけれど……
「畏まりました…では公の場以外ではそのように呼ばせていただきます。」
さすがに公の場では無理です。
そんな身分不相応な行い、身を滅ぼしかねません!
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