【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】

暖夢 由

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第1章

公表については相談させてください

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「いや、とても熱心に領地のことを考えているんだなと感心してしまいました。これからこんなに素敵な方と家庭を築いていけると思うとうれしくなってしまったんです」

私は恥ずかしさに顔が熱くなっているのに、追い打ちをかけるように更に恥ずかしくなることをいうフレッド様。こういう言葉をさらりと言えるのは王子教育で身につくのかしら。

「………ありがとうございます。でもまだ蜘蛛の糸だというのは公表していないんです。聞かれた職人さんたちには隠さず話していますが知らない人も多いんです。
どうしても嫌悪感がある人はいると思いますし、だからどのタイミングでどのように公表すればいいか、今度相談に乗ってもらえますか?」

蜘蛛と言われれば拒否感を持つ人もいるだろう。
私も普通の女の子と一緒で蜘蛛が好きだったわけでもないし、もちろん触った事だってなかった。でもナシェルカ蜘蛛を初めてみた時、なんとなく可愛いと思ってしまった。
巣を触ることに関しても触ることが嫌だと思う事もなかった。

でもこれが世間一般の意見だなんて思わない。それでもこんな素敵な糸を世間に評価してほしい。
それには好評の前準備も大事だ。だから家族だけではない別な視点も入れたいと思っていた。
だからフレッド様の視点はとてもありがたいのだ。

「もちろん!喜んで相談に乗らせてもらうよ。
でもサリーは本当に素晴らしい才能の持ち主だね。普通蜘蛛の糸を見てもそれを糸として使おうだなんて思わない。それをドレスにしてしまうだなんて。
しかもそれを別の悩みの種さえ巻き込んで素晴らしい商品に仕上げている。本当に素晴らしい女性だよ……」


こんなに一人で話し続けるほど熱弁したのに、フレッド様は嫌な顔一つしないでいてくれる。それどころか素晴らしいと言ってくれる。

こんな風に二人で領地の事を話す。私が求めていたのはこういう形だったんだろうなとわかってしまった。ロディ様とでは絶対に築くことのできなかった関係性。あの時男爵令嬢が居なければきっと婚約破棄など言われなかっただろう。
そう思うとあの令嬢にも感謝するべきかもしれない。
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