【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】

暖夢 由

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第1章

淡い期待(元ドルマン侯爵視点)

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確かにあいつにはいつも伯爵家が侯爵家に縁を求めて来たから婚約をしてやったと言っていた。
本来であれば伯爵家こそが由緒正しき我が家に頭を下げなければならないのだが、私は侯爵家当主として、礼節を重んじているため頭を下げていると。
確かにそんなことも言っていたが、伯爵家の娘だって侯爵家に逆らうことはできないはずだ、適当にあしらってもいいが縁を切られるようなことはするなと言ってきた。

ちゃんと言っていたんだ!!


それなのにあんなことをしでかすなんて!
ちゃんと縁は切るなと言っておいたのに!!
あの馬鹿のせいでなにもかもめちゃくちゃだ!


伯爵家に謝りに言っても冷たい目をした執事に家にさえ入れてもらえず、話しさえできない。
もう支援をしてもらえないと悟り、他家へ支援を頼んでもあのパーティーの出来事を知らないものなどいない。信用もされないし、ナシェルカ家に目をつけられたくないと、誰からも相手にさえしてもらえない。


どうして………


もうすぐロディとサリーが結婚するはずだった。そしたら適当な養子でも見つけて来て、領主交代したら一生安泰の生活を手に入れるはずだったんだ。


あと1年。あと1年だったはずなのに!


一夜にして俺は全てをなくした。


明日はもう約束の1か月の日。


1か月以内に支援金の返済を迫られたけど、返済なんてできるはずがない。
このままお家取り潰しとなるのが関の山だろう。


だがお家取り潰しになったら借金はどうなる?


平民になったら返済義務はなくなるだろうか。


それなら一生返済に苦しむよりいいのかもしれない。


そんなことをふと思っていたらルドルフが家にやってきた。
ルドルフは遠縁の25歳だが、3男で継ぐ家もなく、財務官として働いている。
学校の成績は優秀だったが、兄たちも優秀だった。だから卒業後そのまま財務官として働き始めた。
そんなルドルフが我が家に何の用か……
そうか、親戚として助けに来てくれたのかもしれない。
確かに財務官ならば、今の我が家の現状を見て、なにかできることがあるのかもしれない。


そんな淡い期待が頭を過ったのに……
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