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第1章
キャロル様、あっぱれ!!
しおりを挟む「そんな……そんな……私はただフレッド様の為を思って……
私がどう思おうと世間では婚約破棄された女性は傷物とされます。
どのような理由で婚約破棄されたにせよ、世の反応などそういうものなのです。
だからフレッド様の隣にいるには清廉潔白の女性でならないと思い、申し上げたまでなのです。
ですが、気分を悪くさせてしまったのなら謝罪をさせてください。
申し訳ございません。お詫びに後日王都の我がギャラリーへご招待させていただきますわ」
………
………キャロル様って素晴らしい!!!
キャロル様を見ると、先ほどまで泣きそうに目に溜めていた涙が頬をつたっている。
そしてこの状況でもデートに誘うだなんて普通の人にはできない荒業!!
あっぱれ!!
周りからは「おぉ!!」という声と、くすくすと笑う声が聞こえてくる。
そして騒ぎを聞きつけたのだろう。主役の二人にそのご両親、そしてジョルダン公爵が駆けつけてきた。
顔色が悪いのはジョルダン公爵。状況がのみ込めないのに娘は涙を流している。普段なら相手に抗議するのかもしれないが、今回の相手は第2王子。抗議などできないだろう。
「殿下、いかがなさいましたか?」
顔色が悪いまま公爵がフレッド様に尋ねます。
「ああ、ジョルダン公爵。いや、あなたのご令嬢が私のエスコート相手のサリー嬢を侮辱するので大変不愉快に思っていたところですよ。それにまさかご令嬢がこのようなパーティーでエスコート相手を差し置いて自分と踊ってほしいなどとあさましい願いを口に出すなど思っても見ませんでした。
それも公爵の娘とも有ろう方がね」
フレッド様……作られている笑顔と吐き出される毒が同一人物から出ているとは思えないものになっていますよ。
でもそんなフレッド様の様子を見て、デイヴとアイシャは少し口元が緩んでいるのがわかる。
他の方にはきっとしかめっ面にでもうつっているだろう。
でもあの二人は悪だくみをするとき、こんな風にしかめっ面みたいに険しい顔をしながら口元を緩めるのだ。
確かにキャロル様のされたことは普通の令嬢はしないこと。
令嬢は男性に誘われるまで待つか、もしくはエスコート相手である父親などに勧めてもらってダンスを踊ることが普通だ。
キャロル様のようにエスコート相手がいる男性に、自分からダンスに誘うことなど……聞いたことはない。
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