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第1章
一目惚れ
しおりを挟むそう思いながらも、内心は少しだけ嬉しく思ってしまうなんて……
政略的な結婚だってわかってる。忘れているわけなんかじゃない。それでも少しだけ、ほんの少しだけ嬉しく思ってしまうのは許してもらえないかな…
それにしても何かの用事のついでに誰かを見にいくなんてあってもいいこと。もしかして、そんなことが恥ずかしかったのだろうか。
「そうなのですね。ですが、正直それくらいなら……」
「……そう、、、それくらいなら良かったんだ……でも、、その……僕はそこで君をみてしまって……その……今思えば一目惚れだったんだと思う…………でも僕にはそんな経験なくって、、その……どう関わりを持っていいかも、どう伝えればいいかもわからなかったんだ……」
フレッド様が喋ってる内容は聞こえてはくるが、理解するのにはちょっと時間がかかりそう…
でも目の前のフレッド様は普段の様子とは全然違い、恥ずかしそうに口元を抑えながら言葉を口にし、顔は赤くなってしまっている。
頬が赤く、なんて感じでもなく、頬もおでこも耳さえ。そして首も真っ赤になってしまっている。
でも一目惚れ!??そんなそぶりどこにあった??
私好かれているな、なんて思ったこともない。
そりゃ、大事にしてもらっているとは毎日毎日思っていた。
政略結婚の相手をこんなに大事にしてくれるなんて感動さえしてしまう程、大事にしてもらっているとは思っていた。
でもそれは恋の相手ではなく、どちらかというと家族へ向ける情のようなものだと思っていた。
それが間違いだったってことなのかしら………
「そこからはどうしていいかさえ分からなかった。関係はよくないにせよ婚約者がいる令嬢。話しかけてみることさえ躊躇した。
………だって一度話してしまったらきっともうごまかしさえきかなくなる……。
でもその後サリーの婚約破棄の話を聞いた。デイヴはなんだか嬉しそうにその話をしながら、サリーにはきっとすぐにでも新しい婚約者ができるはずっていうんだ………今度は絶対いいやつと婚約して、幸せになるべきだと。
だからパーティーでエスコートをしたいと申し出たんだ………
一度話せば、自分自身が少しは冷静になれるかもと思った。
でも話してみたらデイヴの話しなんかよりもずっと、ずっとずっと魅力的で……その…どうにかしなきゃと、いや……どうにかしたいと思ったんだ………
もっと話してもっとサリーの事を知りたいと思った……いや、少しでも僕のことを知って欲しいと思ったんだ……そしてあわよくば僕のことを好きになってほしいと。
でもダンスを踊って…気づいたらもういなかった…
気づいたときには遅かったよ。デイヴに聞いたら帰ったと聞かされ、何かしてしまったんじゃないかと…」
えと………私の婚約者様はなにをおっしゃってるんだろう……これじゃあまるで私に婚約者ができるかもと思ったから焦ったように聞こえる。それに私が帰ったから何かしてしまったんじゃないかと思った?もしかしてだからあんなに翌日謝ってきたのかしら?
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