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第1章
手土産の理由
しおりを挟む「だから、謝ろうと思った……謝って許してもらって……できるならサリーと結婚したいと……
でもどうしたらいいのかわからなくて。
今まで令嬢と仲良く、まして結婚なんて、そんな事を考えたことすらなかったから…その…正攻法がわからなかったんだ……
だからとりあえず外堀を埋めることにした。
まず父親と母親にナシェルカ領の財力について話した。
元々問題に上がっていた内容だったから持っていきやすかったよ。ナシェルカ伯爵は陞爵させるべきだと……
その話も上がってはいたけど他の貴族の反対にあってた……だから、、だから、、僕がナシェルカ領に婿養子として入るのを謳い文句にしてはどうかと……そう言ったんだ……」
私の目の前にいるのは本当にあのフレッド様なのだろうか……
いつも冷静で仕事に精力的に取り組むフレッド様。それが今はなんだか悪いことがばれてしまった子どものようにたまに口をキュッと結びながら、たまに私の方をちらっと伺うようにしてまた話し出す。
でもあのパーティーの翌日のやり取りににこんな裏話があったなんて…
「その時の母の顔は忘れられない…にやにやとして『でもあなたいいの?たしか「どの女もしなだれかかり、隙さえあれば迫ってこようとする妖怪にしか見えない。そんな女とは婚約も結婚もしない」のじゃなかったの?』 って。さっき見たようなあの顔でそう言ったんだ。きっと僕の気持ちを全て見透かしてたんだと思う。でも、それでも父と母の協力が必要だった。だから大丈夫だから婚約の許可が欲しいと願った。
そして、翌日ここに来たんだ。サリーの父と母に好かれたくて手土産までもって。」
あぁ、、あの手土産…父が顔を緩ませて受け取った高級なお酒と皇室御用達のスイーツ。
あれは賄賂のつもりだったのね…
「会って話せば、もしかしたらサリーも僕の事を気に入ってるなんて事……あるといいなだなんて思いながら……少しだけドキドキしながらここに来たんだ。
……だけどサリーは頑なに手土産を断ろうとするし、パーティー会場から一人で帰ったことも自分の意志だったという。少しも好かれていない事だけは分かって……正直どうしたらいいのかわからなくなって悩んだよ。だから必死に考えて、、その………まるで王命のように伝えたんだ。
政略的な部分ももちろんある結婚ではあるけど、実はそれも後付けでしかなくって。それどころか必死になって考えたサリーに魅かれた理由すら後付けでしかない。……ただ婚約することを断られないように必死に考えた理由だったんだ……
でもそんな始まりにしてしまったから、今度はいつそんな雰囲気にしてしまっていいのかわからず、サリーが喜ぶことをしようと思ったらまず、領地をもっと栄えさせないとと思って。サリーが僕との結婚を決めてくれた一番大きな理由はそこだったから……だからその………その………」
なにそれ……
なにそれ…………
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