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第1章
可愛らしくて愛おしい方
しおりを挟む「ふふっ、ふふふふっ!」
私は耐えられずに笑ってしまった。
「サリー?」
「ふふっ、申し訳、、ふっ、ありません。ふふふっ。」
「えと……」
フレッド様が困ったようにこちらを見ているけど、もうだめ...堪えられないんだもの。
だってもう一年ですよ?婚約して一年。
それなのにバツが悪そうに隠していた内容がこんなことだなんて。
しかもそれを真っ赤な顔をしながら言い訳するように話しているなんて。
第2王子殿下がなさることではないじゃない。
王子なら基本的に願えばその要望は叶うと言うのに、こんなことを隠して必死に領地経営をやっていただなんて。
こんな可笑しくて可愛らしいこと、もう堪えられないの。
「ふふふふっ、そんなことをずっと隠していらしたのですか?ふふふっ、しかもそれっていつまでそのままになさるつもりだったのですか?ふふっ、来月には私たちの結婚式ですよ。まさかその時もそのままで結婚式が終わったらそのまま領地へ行くご予定でしたか?ふふっ」
「そんなことは……その、、、もしかしたらしてたかもしれない…けど……」
「もういやだ、あまり笑わせないで下さい。ふふっ、そんなに必死になっておっしゃって下さるくらいならどこかのタイミングで言ってくださればよかったのに」
私がこの話を聞いて感じたことはただそれだけ。そしてなんて可愛らしくて愛おしい方なのかってこと。だってただ一言好きだ、愛してるって言えばいいだけなのに1年間も隠すなんて。これお義母様が言ってくれなかったら本当にどうなってしまっていたのか。
「そうなんだけど…自分で作ったストーリーは、もう自分では崩せなくて……
いつ、どのタイミングで、どうやって言えばいいのか。
毎晩考えてたよ……でもわからなかったんだ………
でもサリー、笑わないでくれって言ったのに…」
いまだになんだかぐじぐじと言い訳をしながら話しをするフレッド様。
そして恨めしそうな顔で私を見つめてくるけれど、こんな事笑わずにはいられるわけがない。我慢なんてできないわ。
「面白い話であっても笑わないように努力するとは申し上げましたが、これは無理です。努力では我慢できませんでした。ふふふっ。だって今までずっとすごく紳士的で、理性的で、領地経営に一生懸命で。その根本の理由がこんなことだなんて。ふふふっ。可笑しいですわよ。」
私がずっと笑っているとフレッド様が立ち上がりこちらに足を進めてくる。私がくすくすと未だ堪えられない笑いを口にしながらその様子を見ていると、私の座っているソファーに腰掛け、私よりたくましい腕で私をギュッと抱きしめた。そして私の肩に頭を乗せてくる。
こんな風に抱きしめられるのは初めてで、なんだか甘えられているみたい。
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