【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】

暖夢 由

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第1章

サリーがそんなに可愛いのが悪い

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「そんな、違う!違うよ!ただ言えなかっただけで……
愛してる!!愛してるんだ!!

いつかこうやって言いたいとずっと思ってた。でも言えなくて……サリーにそんな風に思わせてしまってごめん。
これからは今までの分まで正直に想いを告げるからどうか泣かないで」




心配そうに両手を私の頬に当て、必死に涙を拭うフレッド様。その様子はとても3歳年上の男性とは思えない。


「ふふっ、では約束ですよ。これからはこんな隠し事はなさらないで下さい」


「わかった。もう隠し事はしないと誓うよ!」


そんなに必死に誓わなくても、こんな嘘をつく必要がないことだけ嘘をつかないでもらえたらいいのだけど、今は放っておこう。


その様子にまたふふふと私が笑っていると、むっとした顔をして、頬を包んでいる手に力が入る。


ほんとに今までの年上らしいフレッド様はどこへいってしまったのかしら。


そう思っていると急にぐっとフレッド様のお顔が近くなり、ちゅっと音がなった……


…………いまなにをしました?……


「……サリーがそんなに可愛いのが悪い……」


そう言うとまたちゅっと音がなる。


…………
この一年、パーティーへのエスコートや領地へ一緒に行った際に、何度もエスコートしてもらった。
でも唇を重ねたことはない。それどころか、手をつないだことだって手を引かれた時くらいしかないのに……


今日の朝まで私よりいくつも年上に見えていたフレッド様、今はまるで幼い男の子がいたずらを成功させた時のような顔をしている。


「ははっ、サリーの顔が真っ赤。もっとしていい?」


「なっ、だめです!」


「ふっ、そっか。じゃあ初夜までお預けだね。でもその日は覚悟しといてね。きっと手加減なんてできないから」


今日の朝までとはどこかで人が入れ替わってしまったのかもしれない……


顔は同じはずなのにまったく別の人に見えてしまう………


「本当は手も繋ぎたかったし、抱きしめたかったし、キスだってしたかった。それに夜だって隣で眠って欲しいと思ってた。初夜は結婚式の日まで我慢するつもりだったけど、サリーの事を抱きしめながら眠って、朝起きて一番最初に見るのはサリーの顔が良かった。だから今日からは今まで我慢した分を全部する!
今まで我慢したんだ!もう我慢するのはやめる!」


そう宣言している。
ふふふっ。そんな宣言聞いたことがない。私がおかしくって、ただ小さく笑いながらそれを聞いていると更にフレッド様が続ける。


「サリー、お願いがあるんだ。そろそろ僕に敬語を使うのはやめてくれないかな。もう少しすれば夫婦になるのに敬語を使われていると距離を感じるんだ。


まぁ……その原因を作ってたのは僕だって自覚があったから今まで言えなかったんだけど……それにフレッド様もやめてほしい。僕はもう第2王子殿下じゃなくなって、フレッド・ナシェルカになるんだ。サリーの夫になるんだよ」


そう言われれば確かにそう。でも本当に今の今まで政略的な結婚を疑ったこともなかったわけで、今までは仕方がなかったと思う…
そう理解してほしい。
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