【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】

暖夢 由

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第2章

即位式

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それからあまり語られはしないが、この騒動により離縁された者がいる。キャロル様だ。
キャロル様は王女とともに他国の貴族女性を害そうとした事が嫁ぎ先にばれ、王族の捕縛騒動の裏でひっそりと離縁されていた。その後カリシャール国の生家に戻されたが、歓迎されることもなく、とある子爵家の前当主に嫁がされたそうだ。しかしその方は病で人を認識することがままならず、家族であれ、メイドであれ暴力をふるってしまう為、ただその介護の為だけに嫁がされたそうだ。
私がキャロル様を見たのは、王女の後ろでニタニタと微笑んでいたのが最後だった。


そして、今日はついに即位式。

1年前は多くの石が飛んでいた中央広場で即位式が行われる。あの時とは雰囲気も違い、厳かな中に緊張感があるものの、それはこれからの期待に溢れた緊張感だ。

大きな音楽とともに登場したのがライアン陛下とジョージ王子。


「皆の者、よく集まってくれた。

1年前、皆が変化を望んだことで今この時があるのだ。この1年でこの国は大変な変化を遂げた。体制が変わったことはもちろんだが、それよりも皆の目が変わったように思える。希望に満ち溢れた目、そして今後も変えたいと望む目。そのような眼差しを持ったものが多くいるこの国は、これからもどんどん変化していくだろう。

そしてそんな国をこれから導いていくのが新たな王である。まだまだ未熟な王ではあるが、皆とともに成長していくことに期待している。皆もこれから支えてやってほしい。

それでは紹介しよう!イヴァンカ国の新国王、ショーン・カシクロンだ」



その声とともに大きな歓声と大きな拍手に迎えられ、ショーン様、いえ、ショーン陛下が姿を現した。


初めて会ったときの姿とはどこか違うその顔つきは、すでに王となったからだろうか。


新国王に関してはすぐに話し合いが持たれた。
その第一候補として名前が上がったのはフレッド。


しかし、フレッドは自分はすでにナシェルカ家に嫁いでいるからと強く拒んだ。ナシェルカ領で領民たちとサリーとともに発展させていきたいのだと。


そして次の候補に上がったのがショーン様。
遠縁とは言えフレッドたちの親戚にあたることもあるが、なにより今回の騒動での働きを評価された形だ。だが、適性を見極めるためにと、1年間ジョージ様とフレッドとショーン様の3人で国の運営を行ってきた。

始めはショーン様も王になることへの戸惑いしかなかったという。しかし、自国を大切にする気持ちだけで必死に学んだ。そしてその働きは周りも巻き込み、国を変えて、いや、新しい国を作っていった。

貴族は民の為にその重責を担い、平民は国の為、家族の為に働ける環境を整備する。まだまだ課題は残っていたが、1年でショーン様の意志も固まり、態度も変化し、即位式では堂々とした姿だった。
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