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67.血
しおりを挟むあぁ………
どうしよう…………
私はこの手紙を読んで、どうしようもない虚無感に襲われた。
自分がこんな男の娘だなんて………
自分にもこの男と同じ血が流れている。
私にもこんな思考が混ざっているんだろうか………
こんなにも自分勝手で、自分を守ることしか考えていない思考が。
つらつらと、長々とまるで自分は被害者であるかのように書かれていた手紙の内容は要するに結婚前から結婚後までずっと母を裏切り続けていたということ。
そしてその浮気相手の手のひらでいいように転がされて母を殺したということ。
ヨランダたちを子爵家に迎え入れたのも私のせいで、それに打ち解けられなかった私が悪いと暗に責めている。
そしてアルバが私になり替わろうとしていたことだって仕方がない事だったのだと。
最後に自分は騙された被害者なのだと言いたかっただけ。
あの裁判が終わってもなお、あの男はまだ気づかないのだ。
自分の愚かさに。
そして今あるのは母を殺した罪悪感ではなく、騙されていたという後悔だけ。
どうして私は長い間こんな男の愛情を求めていたのだろう。
この家に来ることができなかったらきっと今でも愛情を求め続けていた。
なんて愚かで滑稽なんだろう。
あの男と同じ………だから母を守ることができなかった……
あんな男の娘でなければ、もっと利口に立ち回れていただろうか……
母を助けてあげられただろうか………
「ナタリー?今何を考えてる?
その顔、きっとよくないことを考えているでしょう」
隣から私の顔を覗き込んだティティ祖母様が言った。
「お祖母様、私はあの男の娘だからこんなにも愚かなのかしら。
私があの男の娘でなかったら……こんなに愚かでなければ母を救えたのかな………
私がもっと………もっと…………
母を救いたかった…………もっと一緒に生きてほしかった………ぅっ、ぅ~」
私が言葉を続けるうちに、温かいぬくもりに包まれていた。
安心するぬくもり。私を守ってくれるぬくもり。
大好きな匂い。
しがみつくように私は祖母の身体に手を回して泣いた。
祖母は幼い子をあやすように何度も私の背中をトントンとたたいてくれた。
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