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68.祖父母の来訪
しおりを挟む「本当にナタリーはマリアに似て馬鹿ね。
マリアもこうして突っ走っていろいろ考えてしまう子だったのよ。
人生なんて思い通りに行くことなんて本当に一握りなのにそれがうまくいかないから自分が悪いだなんて。自分を過信しすぎよ。
でもね、私もマリアには生きていてほしかった。
こうして大きくなったナタリーとマリアと一緒にお話して、お買い物もして、もっともっとたくさんのことを話したかったわ。
でも愚かな私はあんな最低男との結婚を許してしまったわ。
結びつきを欲したこともあるし、ご両親を見て安心してしまったこともある。
でも私は見逃してしまってはいけなかった。
今でも思うわ。あの時、あの男との婚約をしなければ。違う人を勧めていたらと。
でもね、最悪なあの男との結婚でもいいこともあったの。
それはナタリー、あなたが生まれてくれたことよ。
あなたが生まれてきてくれて、私もマリアも他のみんなもとても幸せをもらったのよ。
生きていればね、多くのことを後悔するけれど私たちは前に進まなきゃいけない。
それをマリアも望んでるわ。
だから過去を振り返って、悲しむことはしても、自分を責めるのはもうやめましょう。
そんなことをしても誰も幸せになれないもの」
私は祖母の言葉にただ涙を流した。
そっか、お祖母様も自分を責めていたんだ。
あの時、こうしておけば。
そう思うことはきっとこれからだってある。
でもそんなことをいくら考えても実際はもうどうしようもできない。
だからこれ以上は自分を責めない。
そんなこと急にはできないけど、減らしていけるようにはしよう。
じゃないと、こうして一緒に苦しんでくれる人がそばにいるから。
この3日後、フランク祖父様とイサベラ祖母様が伯爵家を訪れた。
裁判が終わった時に約束していた訪問だった。
カル祖父様もティティ祖母様も2人のことを責めたりはしなかった。
自分たちにもどうしようもできなかったこと。
状況は同じだったのだろう。
そう思うと責めることなどできず、私のためにもこれからも付き合いをしようと言ってくれた。
だから2人が来た時にあの男からの手紙を見せた。
2人は憤慨し、特にイサベル祖母様はどうしてあんなの子に育ってしまったのか、そう泣き崩れた。
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