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もういいよ。いくらでも笑って
しおりを挟む「そうなんだけど…自分で作ったストーリーは、もう自分では崩せなくて……でもサリー、笑わないでくれって言ったのに…」
フレッド様が恨めしそうな顔で私を見つめてきますが、こんな事笑わずにはいられません。我慢なんてできません。
「面白い話であっても笑わないように努力するとは申し上げましたが、これは無理です。努力では我慢できませんでした。ふふふっ。だって今までずっとすごく紳士的で、理性的で、領地経営に一生懸命で。その根本の理由がこんなことだなんて。ふふふっ。可笑しいですわ。」
私がずっと笑っているとフレッド様が立ち上がり近寄ってきます。その様子を見ていると私の座っているソファーに腰掛け、私をギュッと抱きしめられました。そして私の肩に頭を乗せてきます。
こんな風に抱きしめられるのは初めてで、なんだか甘えられているようです。
「もういいよ。いくらでも笑って。
僕は始めからサリーのその笑顔が好きなんだ。たまたま見たのがデイブとアイシャ嬢と笑いあっているところだった。その笑顔を見た時、ドキッとしたんだ。今まで見てきた女性の仮面のような笑顔とは違う、まるで弾けるような笑顔だった。あの時から君を振り向かせたかった。僕に笑いかけてほしかったんだ。
順番も全部違っていたと思う。ほんとはこれを先に伝えるべきだったと思う。でも僕にはそれが出来なくて、だから今伝えさせて。サリー、君のことが大好きなんだ。愛してる……僕と結婚してほしい……」
拗ねるようにつぶやくように始まったフレッド様の言葉。なんだか可愛くて肩にある頭に手を当て、髪を撫でてみました。その髪の毛は柔らかく、とても手触りのいい髪の毛です。
ゆっくりと手を動かしているとフレッド様が私の笑顔が好きだったと言ってる…
そして、大好きだと……愛してると………
気づいたら私の頬には涙が落ちていました。
私は1年前、フレッド様から婚約を申し込まれました。その時の内容は間違いなく政略結婚。でもそれが嫌だと思ったことはありません。ロディ様とは違い、お互いを尊重でき、領地経営についても相談することができる最高の結婚相手だと思いました。
それでもアイシャとデイヴを見ているとたまに羨ましくもありました。想い想われ、その気持ちが前面に出ている婚約関係。私が一生築くことができない関係。
そう思っていました。
それなのにこんな一言を聞いてしまうとその嬉しさに涙が溢れてしまうのです。
「サリー!?ごめん、嫌なこと言った?」
「ふふっ、フレッド様は領地経営だけでなく、女心をもう少し勉強されるべきです。これは嬉しくて涙が出ているのです。私は愛し愛されることは無縁だと思っておりました。フレッド様とも信頼で結ばれていると、でもそうではなかった…それが嬉しくて…泣いているのです……」
「そんな、違う!違うよ!ただ言えなかっただけで……その、ずっと愛してる。いつかこうやって言いたいと思ってた。でも言えなくて……そんな風に思わせてしまってごめん。これからは正直に告げるから泣かないで」
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