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いたずらっ子

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心配そうに両手を私の頬に当て、必死に涙を拭うフレッド様。その様子はとても3歳年上とは思えません。

「ふふっ、では約束ですよ。これからこんな隠し事はなさらないで下さい」

「わかった。もう隠し事はしないと誓うよ!」

そんなに必死に誓わなくても、こんな嘘をつく必要がないことだけ嘘をつかないでもらえたらいいのですが、今は放っておきましょう。

その様子にまたふふふと私が笑っていると、むっとした顔をされて両頬を包んでいます。

ほんとに今までの年上らしいフレッド様はどこへいってしまわれたのかしら。

そう思っていると急にぐっとフレッド様のお顔が近くなり、ちゅっと音がなりました……

…………いまなにをされました?……

「……サリーがそんなに可愛いのが悪い……」

そう言うとまたちゅっと音がなります。

…………


この一年、パーティーへのエスコートや領地へ一緒に行った際にもエスコートして頂きました。
でも唇を重ねたことはありません。それどころか、手をつないだことだって手を引かれた時の数回しかないのに……

今日の朝まで私よりいくつも年上に見えていたフレッド様は今は幼い男の子がいたずらが成功したような顔をしています。

「ははっ、サリー真っ赤。もっとしていい?」

「なっ、だめです!」

「ふっ、そっか。じゃあ初夜までお預けだね。でもその日は覚悟しといてね」

今日の朝までとはどこかで人が入れ替わってしまったのかもしれません……

お顔は同じはずなのにまったく別の人に見えます………



「サリー、お願いがあるんだ。そろそろ僕に敬語を使うのはやめてくれないかな。あと少しすれば夫婦になるんだ。敬語を使われていると距離を感じるんだ。まぁ、、その原因を作ってたのは僕だって自覚があったから今まで言えなかったんだけど……それにフレッド様もやめてほしい。僕はもう第2王子殿下じゃなくなって、フレッド・ナシェルカになるんだ」

そう言われれば確かにそうなのです。でもほんとに今までは政略的な結婚だと疑ったこともなかったわけで、今までは仕方がなかったのです…



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