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お母さんが大好きだ。
私が高校に入学少し前の三年前。お父さんが病気で死んでからは二人で暮してきた。
お母さんとお父さんは仲の良い夫婦で私の自慢。
いつかは私もこんなふうに穏やかに結婚するんだって、子供の頃からそう思っていた。
ある日の夕方。大学生受験に合格をして、そのお祝いに外食に行く途中で私とお母さんは異世界に召喚された。
不安だったし混乱していたけど隣にはお母さんがいたお陰で少しは安心ができた。
召喚された場所はお城の謁見の間。
王様とか騎士とか兵士とかメイド服を着た人たちとか、部屋の内装はどこか豪奢で日本のものじゃない。まるでゲームの世界みたい。
そして、聖女である私は世界を浄化してほしいと頼まれたのだ。
そうしないと返してもらえないからたくさん悩んだ末にいっぱい特訓をして頑張った。
お母さんが応援をしてくれたから頑張れた。お母さんと一緒に元の世界に帰りたいから辛くても頑張った。
ここで一番親身になってくれたのは私の守護騎士のエリオットさん。
聖騎士でもある彼は最初、色々ときつくて怖い人なのかなって思ったけれど、そんなことは全然ない。
意外と気さくで私が困っているといつも助けてくれて私はすごく感謝をしている。
私よりも10歳年上の28歳で騎士として鍛えているからか背も高くて筋肉もほどよくあってゲームキャラみたいなイケメンだ。
長めに整えられた金髪に切れ長の深い青の瞳、その瞳はいつも冷静で知的。赤地に金色の糸で刺繍された騎士服を着て、輝く銀色の剣を腰に差しているエリオットさんはとても格好良くて女性にとても人気だ。
でも女性が苦手だと言っていて婚約者もいないみたい。
守護騎士なので四六時中一緒にいる。強くて優しく私をとても大切にしてくれるから……たぶんはじめての恋をした。
そのせいで元の世界に帰りたいけれど帰りたくない気持ちがもう半分ある。
でも帰らないといけない。友達とかお父さんのお墓とか残していた物が多すぎるからやっぱり帰りたいのだ。
この想いはそっと胸にしまっておいて、もし帰れなかったらエリオットさんに好きになってもらいたいな。なんてね。
聖女の修行も順調で浄化も少しずつ出来てきた一年程経ったある日、私は浄化の旅へと赴くことになった。
この世界には瘴気という悪い魔力みたいなものがあるらしい。それを浄化するのが私の聖女の役目だ。
「本当に気をつけてね」
お母さんが私の頭を撫でながら心配そうな顔をした。もう子供じゃないのに過保護になって子供扱いをするのは恥ずかしいからやめてほしいと思いつつも少し嬉しかったりする。
「大丈夫だよ。私には仲間が沢山いるし」
「そうね、頑張って……応援しているから」
そう言ってお母さんは私を抱きしめてくれた。もう帰れないかもしれないと思うと胸がキュッと切なくなるけど笑顔で行かないと。
「エリオットさん、お母さんをよろしくお願いします!」
エリオットさんは旅に連れて行かないことにした。お母さんを守ってもらうなら誰よりも強くて信頼のできる人がいいと思ったから。
「はい、お任せください。聖女様の母君は必ずお守りいたします」
エリオットさんは引き受けてくれた。お母さんとも楽しそうに話しているのをたまに見るから。きっと大丈夫。
「ごめんなさいね……よろしくお願いします」
お母さんはエリオットさんに頭を下げた後、また私を抱きしめた。
「もしも危なくなったら無理をしないで逃げるのよ」
「うん、わかった。でももしそうなったら他の人たちを見捨てることになるから……私はやっぱり逃げるなんてしたくないな」
「あなたって子は……」
お母さんはそれから寂しそうに笑った。そしてハンカチをくれた。
「コレしか無いけど持っていてちょうだい」
「……ありがとう。大切にするね」
私は最後にお母さんを抱きしめた。なんだか泣きそうになったから気づかれたくなかったのだ。お母さんも私のことを抱きしめ返してくれたけれど、その体は震えていたと思う。やっぱりお母さんも不安なんだ。
だから早く聖女の役目を終えて一緒に帰ろう。
そう約束したのに……どうしてこうなったんだろう?
私が高校に入学少し前の三年前。お父さんが病気で死んでからは二人で暮してきた。
お母さんとお父さんは仲の良い夫婦で私の自慢。
いつかは私もこんなふうに穏やかに結婚するんだって、子供の頃からそう思っていた。
ある日の夕方。大学生受験に合格をして、そのお祝いに外食に行く途中で私とお母さんは異世界に召喚された。
不安だったし混乱していたけど隣にはお母さんがいたお陰で少しは安心ができた。
召喚された場所はお城の謁見の間。
王様とか騎士とか兵士とかメイド服を着た人たちとか、部屋の内装はどこか豪奢で日本のものじゃない。まるでゲームの世界みたい。
そして、聖女である私は世界を浄化してほしいと頼まれたのだ。
そうしないと返してもらえないからたくさん悩んだ末にいっぱい特訓をして頑張った。
お母さんが応援をしてくれたから頑張れた。お母さんと一緒に元の世界に帰りたいから辛くても頑張った。
ここで一番親身になってくれたのは私の守護騎士のエリオットさん。
聖騎士でもある彼は最初、色々ときつくて怖い人なのかなって思ったけれど、そんなことは全然ない。
意外と気さくで私が困っているといつも助けてくれて私はすごく感謝をしている。
私よりも10歳年上の28歳で騎士として鍛えているからか背も高くて筋肉もほどよくあってゲームキャラみたいなイケメンだ。
長めに整えられた金髪に切れ長の深い青の瞳、その瞳はいつも冷静で知的。赤地に金色の糸で刺繍された騎士服を着て、輝く銀色の剣を腰に差しているエリオットさんはとても格好良くて女性にとても人気だ。
でも女性が苦手だと言っていて婚約者もいないみたい。
守護騎士なので四六時中一緒にいる。強くて優しく私をとても大切にしてくれるから……たぶんはじめての恋をした。
そのせいで元の世界に帰りたいけれど帰りたくない気持ちがもう半分ある。
でも帰らないといけない。友達とかお父さんのお墓とか残していた物が多すぎるからやっぱり帰りたいのだ。
この想いはそっと胸にしまっておいて、もし帰れなかったらエリオットさんに好きになってもらいたいな。なんてね。
聖女の修行も順調で浄化も少しずつ出来てきた一年程経ったある日、私は浄化の旅へと赴くことになった。
この世界には瘴気という悪い魔力みたいなものがあるらしい。それを浄化するのが私の聖女の役目だ。
「本当に気をつけてね」
お母さんが私の頭を撫でながら心配そうな顔をした。もう子供じゃないのに過保護になって子供扱いをするのは恥ずかしいからやめてほしいと思いつつも少し嬉しかったりする。
「大丈夫だよ。私には仲間が沢山いるし」
「そうね、頑張って……応援しているから」
そう言ってお母さんは私を抱きしめてくれた。もう帰れないかもしれないと思うと胸がキュッと切なくなるけど笑顔で行かないと。
「エリオットさん、お母さんをよろしくお願いします!」
エリオットさんは旅に連れて行かないことにした。お母さんを守ってもらうなら誰よりも強くて信頼のできる人がいいと思ったから。
「はい、お任せください。聖女様の母君は必ずお守りいたします」
エリオットさんは引き受けてくれた。お母さんとも楽しそうに話しているのをたまに見るから。きっと大丈夫。
「ごめんなさいね……よろしくお願いします」
お母さんはエリオットさんに頭を下げた後、また私を抱きしめた。
「もしも危なくなったら無理をしないで逃げるのよ」
「うん、わかった。でももしそうなったら他の人たちを見捨てることになるから……私はやっぱり逃げるなんてしたくないな」
「あなたって子は……」
お母さんはそれから寂しそうに笑った。そしてハンカチをくれた。
「コレしか無いけど持っていてちょうだい」
「……ありがとう。大切にするね」
私は最後にお母さんを抱きしめた。なんだか泣きそうになったから気づかれたくなかったのだ。お母さんも私のことを抱きしめ返してくれたけれど、その体は震えていたと思う。やっぱりお母さんも不安なんだ。
だから早く聖女の役目を終えて一緒に帰ろう。
そう約束したのに……どうしてこうなったんだろう?
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