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スパイからの話
疑惑が深まった・・・・
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こちらは、英国スパイの独逸帝国内、ホテルの一室だ。 朝から街が騒がしいから急いでホテルに召集をかける。 [えらく、街が騒がしいが。」 「どうやら例の工事現場で大規模な爆発があったらしい。」 「ひょっとして原爆開発に失敗したのか。」 「うわさでは、隕石が落ちたなどと言うヤカラもいるが。」 「街は軍人でイッパイだ、それに非常検問もいくつもある、皆、心して行動には注意して欲しい。」 「しばらく活動は中止だ。」 「わかった、ほとぼりが冷めるまで連絡はしない。」 それぞれ、散って行った。 ダム工事現場を当たりをつけてスパイを送り込んだが、ひとりも帰ってこない。 独逸帝国がダム工事現場には鉄壁の守りを強いているのだ。 だから原爆工場であると当たりをつけた。 当たりは間違っていなかった。 被害の大きさから間違いなく原爆開発関連の工場である。 なんせ、このホテルのあるところまで地鳴りが響いたのだから。・・・・こちらはゲシュタポ本部だ。 もう蜂の巣をつついた様だ。 逮捕者もかなり出ていた。 日ごろウワサのある軍人など、証拠もないのに引っ張られている。 ゲシュタポ本部では、その軍人達に聞き込みがおこなわれていた。 「昨日はどこに居ました。」 「待機宿舎だ。」 「君を34番街で見かけているが。」 「イヤ、人の空似だ。」 「オレじゃない。」 浮気していたらしい、本当のことなど言えない。 「もう、わかった連れて行け。」 「待ってくれオレは何も知らない。」 ゲシュタポでは日ごろウワサの絶えない不良軍人や古い、かつてのゲルマン軍人らが、コレ幸いと粛清されていく。 ゲシュタポは原因を調べる機関ではなく、新独逸ゲルマン主義に反するヤカラを粛清する機関であるからだ。 ダム工事現場は三日三晩燃え続けて、やっと炎が下火になった。 原因調査は政府の科学調査班が行い、消防や警察は入れなかった。 原因は確実なものがなかった。 中には隕石の落下説、休火山爆発説や地磁気のみだれによる爆発などと奇想天外な説を唱える学者が多かった。 工場の守衛など、生存者はいなかった。 行方不明者は10人で、死体などは発見されなかった。 現場の燃え具合がひどく、原型をとどめている機械や骨組みはなかった。 とうぜん、放射能被害もでたが、まだ放射能の恐ろしさが解明されていないので、なんら防護服などは考量されなかった。 あとで、ガンや奇病で死亡する者がでるのだが、現場の混乱で終わってしまった。 原爆の恐ろしさが、まだわかっていない時代であった。 学者の中には地層が大きく崩れているからダム工事が地層の破砕帯を破壊して大きな崩落になり。 それが引き金となり爆発したのではないか。 ただ爆発が工事現場にしては大きすぎる、なんらかの危険な爆発物があったのではないか、と危惧する学者までいた。 なんせ原爆工場は最高機密であったから、ここに危険な爆発物を造る工場があった、とは知らないからだ。 独逸帝国ゲッペルン総帥は現場での行方不明者、捜索を発表しただけに留まった。 まあ、うやむやに終わらせたいのだ。 いろいろな仮説で原因がわからずに済めば好都合でもあった。 原爆開発は米国などには絶対にバレてはまずいのだ。 なんせ、原子物理学者が(亡命ユダヤ人の科学者)米国に亡命したからだ。 混乱の中の独逸帝国であった。
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