大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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試験飛行だ。

新型VTOLの試験飛行

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 操縦席は2席ある。 左がキャプテン席で、右がコパイ(副操縦席)だ。 ヘッドセットを桜井記者に渡しながら、艦長は左に座る。 一応、経験者だからだ。 ヘッドセットの通話を確認する。 「さて、点検をしますか。」 艦長がメモ板に挟んだチエック項目用紙に鉛筆でチェツクしながらレ点をつけていく。 飛行前の点検はキャプテンが必ずスルのだ。 他人任せにはしない。 「水素量よし、液体水素温度よし、バルブ漏れよし、接続回路よし、液体水素の循環回路よし、緊急封鎖弁よし、・・・・・・」 延々と点検は続く。 その間、桜井従軍記者は、あらましの操縦マニュアルに眼を通していた。 それによると、自身が持っている操縦免許で十分カバーできるものであった。 この機には人口知能ともいえる光通信の演算機(配線がクリスタルアクリル繊維で機器の重さが軽いのだ。)が3台装備されているらしい。 なぜ、3台か。 それは、故障率を減らすためらしい。 1台でもOKだが、2台はバックアップなのだ。 そして、サポート機能によりVTOL飛行が、ごく普通の操縦者なら可能となったのだ。 点検が終盤だ。 艦長は、そこで人工知能の電源を入れた。 「あーっ、あはようございます艦長、隣のヒトは、え、え、現閣僚の環境大臣ではないですか。」 「おはよう、今は従軍記者として搭乗してもらってる。」 「了解です、環境イヤ従軍記者さん、本機のズノーのコトハナです。」 「よろしく、コトハナ。」 「いえ、光栄です、大臣ほどの身分の人を乗せるのは初めてです。」 艦長は、「調子はどうだ。」 「整備してもらい、気分は最高です。」 「そうか、では試験飛行のシークエンスを頼む。」 「操縦幹は桜井従軍記者だ。」 「えっ、いいんですか?」と桜井記者。 「オレがOKと言ってるんだから。」 もう、20年ちかく飛んでない桜井大臣だ。 若かりし頃、飛行軍創世記の猛者であったが県議会議員から政権政党に入り、飛行軍を退職したのだ。 しかし、サポートのコトハナは遠慮なんかなしで、「では、離陸用意。」 「ハイ、・・・」 もう、ガチガチの桜井君だ。 シュン、シュン、シュン、シュンとペラが廻る音だ。 空気をペラが切る音しか聞えない。 機内は静かだ。 シーーーーーューーーーンと連続音が響くと同時に機体がななめ上に浮いた。 「えーっと、桜井従軍記者改め桜井君でいいですか?」 コトハナが聞いた。 「イーです、サポートしてください。」 「では、桜井君、操縦幹の握る雰囲気はわかりますか。」 「え、え、なんとなく、初期のヘリ免許もありますので、その雰囲気ですか?」 「まあ、そんなもんです、では言うとおりにお願いします。」 それから、あーだ、コーだ、の連続で、なんとかなった。 そして、自由に空を飛翔できるのにも時間はかからなかった。 「艦長、これはすごいですね、ヘタなフライトシュミレーターより操縦が容易い。」 「そうだろう、なんせオタク科学者の須藤博士の開発した人工知能だから。」 「えっ、あの変態科学者の?」 「まあ、ちまたでは、しかし私は尊敬してるんですよ。」と艦長。  そして、「音声をゆかりんで。」 「ハイ、ゆかりんでーす。」 「いいじゃないですか、これはイイ。」 「でしょ。」と艦長。 がぜん、ヤル気が湧いてきた桜井従軍記者だ。  とても電子音声合成とは思えない、ゆかりんパージョンである。 まさに、永遠の16歳(数えで17歳)のゆかりんである。 (現実では三十路越えであるが、それを認めるヤツは死刑である。) ゆかりんが、「そろそろ、水素燃料が・・・・」 「では、帰艦します。」 「着陸シークエンス開始します。」 甲板にオⅡのでかい文字が見える。 艦首のでかい幼女イラスト(なんと紺色正統派スク水のイラストだ。)が映える。 「こちら、艦長だ、試験飛行はマズマズだった。」 「艦橋、了解です。」 VTOLは中央エレベーターの上に降下した。 そして、そのまま格納庫へ。 二人は続いて艦内を艦長の案内でCIC(中央司令所)へ。 「ここが、本艦の頭脳でもある所です、とうぜん最高軍事機密です。」 「了解です。」 桜井は閣僚であるから入ることができる。 ドアが2枚あり、声紋から指紋などの検査で、2枚目のドアが開く。 超硬質セラミック製複合装甲のCICである。 核兵器の直撃でも、生き残れるらしいが、試験をしたわけではない。 艦長は真ん中のでかい画面を示した。 「これが、現在の我が艦の状態を示す画面です。」 ひと目で、艦の状態がわかる。 速度や状態や燃料の量、装甲の具合などだ。 飛行甲板に着陸する機のショック量まで表示される。 そして、イマドコ衛星とリンクした状態も表示されているのだ。 艦長が、「独逸帝国までは、あと、どの位だ。」 係官が、「あと14日です。」 まだ、そんなにかかるのか、まあ地球を半周するのだ。 それに、パナマ運河は空母がデカイから通れないのだ。 喜望峰周りになる。 しかし、40ノットの快速である。 訓練も兼ねているから、問題はないのである。 帰りに米国のサンデェゴ軍港にお披露目も兼ねて寄る予定らしい。 今から、独逸帝国総帥の驚愕する顔が楽しみな艦長と桜井記者であった。
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