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オトタチバナⅡ、キール軍港へ
独逸帝国親善訪問
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とうとう、やってきた。 独逸帝国のキール軍港へ、随伴の駆逐艦2隻と入港する日本海軍正規空母オトタチバナⅡだ。 キール軍港では、祝砲を鳴らして歓迎ムードが満々である。 キール軍港専属の消防艇が放水して虹をつくり歓迎ムード満点である。 独逸帝国も威信をかけているようだ。 なお、桟橋の水深の関係から接岸できずに、ポンポン船での連絡となる。 軍港の沖あいで投錨して、式典の用意である。 初日は定番の独逸帝国軍関係者に限った親善見学会である。 日本側は独逸帝国総師の訪問を希望していたが、まだ回答は独逸帝国側からはなかった。 しかし、当日に総帥自ら参加の意向があり、警備体制などの打ち合わせがあった。 独逸帝国側から、警備の近衛兵が同乗するらしい。 まあ、当然である。 日本でいうなら、今上陛下が行幸(ぎょうけい)啓たしますことと同様であろう。 総師の空母の訪問は仮想敵国の空母でもあるので、反対が多かったが、総帥自ら、仮想敵国の兵器を一度観て見たいからであった。 水上戦車の開発にメドがついて、ドーバー越えが目前であるのだ。 ここで、仮想敵であり、いざ戦闘になったとき敵対する兵器を観て見たい。 総帥は独逸帝国軍人の身の安全を考えるオトコであった。 悪の権化の北のナンチャラとは独裁者として、反対であった。 独逸国民の人気から、わかるのだ。 (ヒトラーも当時の人気はすごかったのだ。) 独逸帝国で、いちばん反対したのは宣伝大臣であった。 「万一、総帥の身に・・・・」 と叫んでは反対のパフォーマンスがすごかった。 だが、ロンメロ将軍のひと言で総帥は決したのだ。 「敵を知れば、戦いは負けない。」 「戦いは、やる前に99パーセント決まっている。」 「残りの1パーセントが神のいたずらだ。」 総帥は自身の安泰より独逸帝国の安泰を望む漢(オトコ)でもあったのだ。 欧州に覇権をとなえて、第一次大戦の敗北による独逸国民の屈辱に答えた総帥である。 話し合いで国際社会の問題は解決しない。 よく、パヨクやデモをやるヤツが、酒飲んで話し合えば・・・というが、酒飲んで話し合えば大抵ケンカとなるのである。 言い合いで終わらない、酒の上でのケンカはよくあることだ。 話がソレたので、独逸帝国の話に戻そう。 総帥は独逸帝国、近衛兵1小隊18名と共に訪問することとなった。 キール軍港での歓迎式典が始まる。 互いの軍楽隊の演奏で雰囲気が盛り上がる。 さて、ポンポン船で・・・・えっ、ポンポン船ではないって? 空母から昆虫様のでかい飛行機が飛んでくる。 しかし、軍楽隊の演奏が・・・・イヤ、演奏はジャマされない。 えっ、なんで?と独逸帝国側の軍関係者が不思議な顔だ。 そりゃそうだわ、飛行機は飛んでるとエンジン音が、すごいのだ。 鼓膜が破れんばかりの音がエンジンから聞えるのだ。 しかしだ、あの白い昆虫様飛行機は静かだ。 軍楽隊の前に飛行機は水平に着陸する。 まるで、SF映画か、未来の世界から時を飛び越えて来たようだ。 白い、でかい昆虫様の飛行機のハッチがパカリと開いた。 タラップが出る。 タラップを降りてきたのは、オトタチバナⅡの泣く子も黙るお局士官だ。 見た目は三十路越えだが、有無をイワサナイ、凜とした気品は世界一であろう。 そして、流暢なドイツ語で、「空母見学のお迎えに・・・・」 軍港の桟橋に居た独逸帝国軍人はひとり残らず、ポカーーーンと口を開けたまま固まった。 日本の最新兵器を観たのだ。 最新VTOLの静かな飛行音と、お局士官という(ウワサでは艦長も逆らえないらしい。)究極の最終兵器の二段攻撃は、まさに決まったのである。
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