伊号式潜水艦。

ゆみすけ

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カテリーナ・クラリスは内地へ・・・

あたしが、ママよ!

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 地中海ならぬ、瀬戸内海へ救助飛行艇が着水する。
呉の飛行艇基地沖の海上だ。
 「ふう、やっと・・・」と、スツキ機長は操縦席から立って背伸びだ。
「こちら、呉基地だ。」「はるばる、日本まで、歓迎しますぞ。」などと、無線が入ってるようだ。
 「こちら、救助飛行艇です。」「飛行艇どうぞ。」
「陸上用のギアは無いので、牽引よろしく。」「基地、了解した。」
 やがて、飛行艇用の小型タグ・ボートがやってくる。
水陸両用のフネだ。
 陸軍の水陸両用の戦車を改造したらしい。
それに、曳かれて・・・・基地の駐機場へ・・・
 事前に無線でアポを取ってあるので、歓迎式典があるようだ。
海軍の憲兵が機体の警備についた。
 つまり、軍事機密扱いになるようだ。

 「おお、これが8発エンジンか、すごいな。」と、技術将校が早速おでましだ。
「君がマツモト艦長か。」「そうです。」
 「オレは、潜水艦開発技官の田中という。」「よろしく、おねがいします。」「うむ。」と、互いに敬礼をかわした。
 「まあ、詳しい話は後日だが・・・」「艇内を見てもいいか。」「どうぞ。」
数人の技官がやってきたのだ。
 やはり、エンジン問題は大きいんだろう・・・
「しかし、8発とは考えましたね。」と、田中技官だ。
 「それも、翼を長くするんでは無くて・・・前後に配置したのですね。」
「3連排気タービンの部品はありますか?」と、田中技官が小声で聞いた。
 「え、え、あのカバンに入れてあります。」と、答えるマツモト君だ。
「ロールス社には排気タービンで、我が国が勝てないですから・・・」と、複雑な表情だ。
 「ニッケル耐熱合金やら、解決せねばならない問題が多いんですよ。」と、田中技官が愚痴る。
「あとで、救助潜航艇の担当が会いたいそうですから、よろしく。」「ハァ。」
 忙しそうに、田中技官は帰っていった。

 歓迎のマツモト夫妻やスツキ君には、興味がない式典が終わって・・・
具体的な救助飛行艇と救助潜水艇の話へが・・・やっと始まったようだ。
 今回の訪日はマーガレット王女様がいなかったので、ある意味よかったようだ。
肩ぐるしい形式や式典は時間の無駄としか見てない、マツモト、スツキ両人だ。
 軍人だが、技術屋でもあるからだ。
でなければ、はるばる日本まで飛行艇で飛ぶことはないからだ。
 英国人技師も同伴してるが・・・言葉の壁があるからだ。
通訳には、専門の工学用語の通訳が無理な面が多いからである。
 それで、技師らとの技術関連の打ちあわせが多くなる。
つまり、カテリーナ・クラリスは時間が空くのだ。
 それで、マツモト君の両親への顔見世だ。
当時の、我が国の国民はほぼ和服だ。
 洋装なんて、役人か軍人くらいだ。
洋服は戦後に普及したのだ。
 特に、女性や子女は和服である。
なんせ、交換手のお姉さんも和服の袴だったのだ。
 「アナタ、アタイノ服装は、どう?」と、たどたどしい日本語のカテリーナ・クラリスだ。
「OK,OK.]と、マツモト君の英語モドキだ。
 カテリーナ・クラリスは軍人だから・・・英海軍の軍服なのだ。
そう、海軍の軍服といえば・・・セーラー服しかないではないかっ!
 紺色の幹部軍人(なんせ、大尉なのだ。)のセーラー服であるのだ。
現在の日本のJKより、スカートはロングだ。
 スケバン刑事ほど、ロングではないが・・・
 
 呉より汽車で、ひさぶさの故郷へ・・・
外人さんは眼を引くから・・・カテリーナ・クラリスは目立つし・・・オレは肩身が狭いや!
 背丈もカテリーナ・クラリスが10センチほど、マツモト君よりお高いのだ。
それに、シレンダーで・・・かっこイイから、マツモト君は栄えない事限りなしなのであったのだ。
 どう見ても、カテリーナ・クラリスのカバン持ちにしか・・・見えないのだ。
もちろん、マツモト君も英海軍の制服なのだが・・・
 歩く速さも、コンパスの差がでるから・・・追従するマツモト君なのである。
まあ、英国はレディ・ファーストのお国だから、英国ではイイんだが。
 マツモト君の両親が、どう見るかだな・・・
汽車で、故郷へ到着する夫妻である。
 駅前でタクシーをひろい・・・実家へ・・・
実家までの途中でカテリーナ・クラリスを公衆へ晒したくないマツモト君だった。
 どう見ても、カバン持ちにしか見えない自分だからなんだが・・・

 実家の門前で降車する。
カバンは、もちろんカバン持ちが・・・
 「ただいま、戻りました。」と、日本語で・・・
「兄さま、お久~。」と、妹が・・・カテリーナ・クラリスを見て・・・固まったのだ。
 「オウ、カワイイデスネ。」「・・・・・」
やっと、吐いたセリフが・・・「誰よ。」だ。
 「あ、あ、オレの嫁のクラリスだよ。」「これは、オレのシスターだ。」と、両人を紹介する。
「オウ、アタシハ、カテリーナ、イイマス。」「かて、かてり・・・」
 「カテリーナ・クラリス、デス。」
「なんじゃこりゃ、兄貴!」と、妹が切れる・・・
 どう見ても、兄貴が引き立て役にしか見えないからである。
「オヤジは?」「奥よ。」「そうか。」
 「まあ、あがれよ。」と、靴を脱いで上がるように説明する。
カテリーナ・クラリスは、長い御足をさらっとだして、見るからに高額なハイヒールをスルット脱いだ。(さすが、英国お貴族様だ。)
 絵になるのだ。 そう、草鞋(ワラジ)を脱ぐようなマツモト君との対比が・・・

 

 
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