大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

剣とキーワード

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いつの間にか動き出していた馬車を飛び移り、自分のテントに向けて歩く。
結構体調は良くなったから、みんなの所へ行こうかとも思わなくもなかったが、あまり間を開けずに行くと、先生の説教第二弾が炸裂しそうだったのを思い出し、やっぱり自分のテントに戻ろうと思った次第だ。
アーネに眼をどうにかしてもらった後、簡単に使用方法というか、制御方法を聞いた。
ザックリ説明すると、魔力を眼に通し、目標をじっと見ると見えるようになったらしい。
自分の魔力もなんとか見えたし、それに伴ってなんとなく感じられたから、アーネのテントで何回か練習し、多分大丈夫だと言うレベルになってから出てきた。
自分の部屋に入ると、ベッドの横に立てかけてある金の剣が嫌でも目に入る。
ナナキが自分に遺したものの一つ、比翼の剣の片割れ。
思いつきで首にかけてあった自分の剣も並べてみる。
見れば見るほどそっくりな剣だな。…色以外。
効果も結構似たようなもんだし、中に剣が内蔵されているのも同じだし…。
違いといえば、俺の剣の方は中に双剣が入っている…というか、銀の部分は普通に鞘だし。
一方、ナナキの剣は、どちらも剣だ。
剣の腹の中、そこに完全に剣が入っており、取り出した後もどちらとも剣として使える。
あ、当然、双剣じゃないからな?両刃の片手剣だ。
…一応、ナナキの中の方の剣をチェックしておくか。
取り出す方法は、強い衝撃を剣の腹に与えるか、俺の《煌覇こうは》みたいに鍵を開ける言葉が必要。
余談だが、ナナキが使っていた《征断せいだん》も、昔は鍵を開ける言葉を一々言っていたらしいが、そのうち必要なくなるほど繰り返したらしい。
俺の《煌覇こうは》も、そのうちそのレベルまで使いこなせられるのだろうか…?
…話が思った以上にズレたが、つまりはまだ慣れていない俺はどうしたってその言葉が必要な訳だ。
一応、ナナキから正式に譲り受けたわけだから、俺が言葉を言ったら反応するはずだ。
ナナキの記憶から必死になってその言葉を探すが、かなり深い所にあるらしく、中々見つからない。
「…『この身は揺るがぬ壁となりて』?」
お、これか。
「『この手が握るはその誓い』」
剣が反応した。様に見えた。
「『望むは誓いの姿なり』」
カタッ、と剣が揺れる。
「『その姿は彼の者を護る、唯一にして絶対の守護者である』」
言い切った途端、剣の腹が開き、剣が飛び出し、俺の目の前に飛んできた。
「あっぶねぇ…」
真剣白刃取りって、ホントにやる羽目になる日が来るなんて思ってもなかったわ。
しかし、これを相手の強力な攻撃に合わせて使い続けるとか、ナナキってかなり頑張ったんだな…。
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