大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

揉め事と説明

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「これで終わり…だな」
三人目も糸で縫い終わり、潰した虫の死骸を長い身体そのもので軽く縛ってまとめる。
「おいニケ!どこにいる!終わったぞ!」
部屋から顔を出し、そう呼びかけるが、ニケの反応がない。
「…どこいった」
部屋に三人を置いておく訳にもいかないが、ニケに頼みたいこともあるのだが。仕方ないのでメッセージを飛ばすが、しばらく待っても返事がない。
「…あぁん?」
『おい、レィア、外。なんか聞こえる』
「あ?」
言われて一旦家を出ると、ニケが誰かと何か言い合っている。
「おい、どうした」
「あっ、レィアさん!もう終わったんですか!?」
「んー…まぁ、原因はどうにかした。ところで、急ぎお前に頼みたいことがあるんだが、その前に何を揉めてた?」
「君が件の客人か?初めまして、私はコルド・バーンと言う者だ」
歳の頃は四十ぐらいか。小じわが顔の色んなところに見えるが、不思議と老けた印象は与えられない。男で結構ガタイがいいのは羨ましいことだが、どうにもその体格を十全に使う気がないのは、両手の指にこれでもかと嵌められている赤青緑様々な色をした指輪を見れば一目で分かった。
「そうか。俺はレィア・シィルってモンだ。割と今込み合ってるんだが、急ぎの用か?」
「あぁそうだとも。君が私の部下三名を預かっていると聞いたのだが、それは本当かね?」
「…あ?あぁ、魔法部隊のアイツら?中にいるけど。それがどうかしたか?」
「何を、していた?」
中々に凄い剣幕。別に隠す事じゃないし、怒られるようなことでもないだろう。正直に答えとくか。
「ちょいと新手の魔獣にやられてたみたいでな。中で治療を」
「そうか。しかし…見たところ杖も指輪もないようだが、何の治療を?」
「あー、治療っつーか、奴さん達の身体ン中に新手の寄生虫が入っててな。身体開いてそいつを引っ張り出した」
ほれ、といまさっき縛った虫を見えるように持ち上げると、ニケが気持ち悪そうに顔を顰め、コルドが顔を顰める。
「で、見てわかるのか知らんが、見た通り、俺は魔法を使えない。流石に開いたままじゃないが、身体を縫っただけだ。回復か、出来れば治癒の魔法が使える奴をニケに探してきてもらいたかったんだが…行かせてやってもいいか?」
「あぁ。そういう事なら……ニラルケ隊長、今回は明らかに君の領分を超えた判断だぞ」
「重々承知です。しかし、私はこれが正しいと判断しました。その判断に間違いはないと確信しております」
それだけ言って、ニケは走り始めた。きっと十分としないうちに戻ってくるだろう。
「で?アンタどうすんの?」
「…いや、何も無い。部下が戻ってくるのならそれでいい」
そうコルドが言い、踵を返して去っていく。
…何がしたかったんだ?あのおっさん。
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