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本編
肉塊と慟哭
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「ん、だっ!こりゃ!?」
反射的に後に飛び退き──一瞬前まで身体があった場所にソレが突き刺さり、冷や汗をかく。
『!!』
シャルが息を呑むのがわかる。
何か知ってんのか?
罅割れからどちゃりと落ちてきたそれは。
大体人一人分ぐらいの大きさのそれは、出てくるなり急に飛びついてきた。
よく見ればどうやら人型をしているが、目や鼻はなく、人と同じような形をしているのは口のみで、その口内には人と同じような歯が隙間なく生えていた一方、耳のあるべき場所には単なる穴が空いていた。
どこに関節があるのかよく分からないようなソレは、人型のナニカと言うより、肉塊と言った方がしっくりくる。
なまじ人型のため、見ている者の嫌悪感を逆撫でする。
どうするべきか、どう殺るべきかと思っていると。
「お、ああ、あ、ああああおおぉおぉおぉお、ああ」
急にそれが喋った。
いや、喋ったというか呻いたと言った方が正確かもしれない。
しかしこれは、明らかに意図して喋ったと思えるような声だった。
間違っても、空気を吸って吐いてという呼吸の拍子に音が鳴った、という風ではない。
だが、その肉塊はそう呻いたきり、喋る事も、動くことも無くなった。
──死んだのか?
いや、よく見ると身体(というか肉塊全体)が上下している。
呼吸…している?
「ふふっ、これは見たこともありませんか?」
神父が口を開く。
「あん?魔獣かなんかか?」
いや違うな。何故だかコレは違う、そう勘が囁いている。
案の定、神父は否定した。
「いいえ、違います。これはね、もっと…もっともっと原始的な…そう、木の根よりも前、種のようなものです」
「…は?なんだそりゃ?そんなモン、聞いたこともないんだが」
「それはそうでしょう。何故なら、そう言った事実は全て伏せられている…いや、全て抹消されているのですから」
「抹消された?誰にだよ」
そう聞いてやると、神父は口元の笑みをさらに深めこう返した。
「神に、です」
一瞬、静寂。
その静寂を突き破ったのは、肉塊だった。
「おあわ、ああああ、おおぉあぁおおぉおぉああああぁあぁああぁあ!ああああああああああああ──!!」
「!? なんっ──」
鼓膜を引き裂くような、叫ぶ者そのものの喉を潰すような慟哭。
思わず銀剣を放り捨ててでも耳を塞ぎそうになった瞬間。
「黙りなさい」
神父のその一言が、この空間そのものを崩壊させかねない絶叫の中、やけによく聞こえた。
同時に、頭が聞こえたと認識した瞬間に慟哭は止まった。
「全く、神というものは本当に業が深い。徒にこのようなものを作り上げ、失敗したからと狭間に棄てる。これではまるで小さな子供ではないですか」
「お前…何を言っているんだ?」
神がこれを作った…?神…教会が崇めるグルーマルか?
だとしてもどうして?何のために?
理解できない。
「あぁいえ、気にしないでください。分かると思ってもいませんし──」
再び、神父が空間を押すと、やはり空間に罅が入る。
「──生きて帰すつもりもありません」
今度は、複数同時に。
反射的に後に飛び退き──一瞬前まで身体があった場所にソレが突き刺さり、冷や汗をかく。
『!!』
シャルが息を呑むのがわかる。
何か知ってんのか?
罅割れからどちゃりと落ちてきたそれは。
大体人一人分ぐらいの大きさのそれは、出てくるなり急に飛びついてきた。
よく見ればどうやら人型をしているが、目や鼻はなく、人と同じような形をしているのは口のみで、その口内には人と同じような歯が隙間なく生えていた一方、耳のあるべき場所には単なる穴が空いていた。
どこに関節があるのかよく分からないようなソレは、人型のナニカと言うより、肉塊と言った方がしっくりくる。
なまじ人型のため、見ている者の嫌悪感を逆撫でする。
どうするべきか、どう殺るべきかと思っていると。
「お、ああ、あ、ああああおおぉおぉおぉお、ああ」
急にそれが喋った。
いや、喋ったというか呻いたと言った方が正確かもしれない。
しかしこれは、明らかに意図して喋ったと思えるような声だった。
間違っても、空気を吸って吐いてという呼吸の拍子に音が鳴った、という風ではない。
だが、その肉塊はそう呻いたきり、喋る事も、動くことも無くなった。
──死んだのか?
いや、よく見ると身体(というか肉塊全体)が上下している。
呼吸…している?
「ふふっ、これは見たこともありませんか?」
神父が口を開く。
「あん?魔獣かなんかか?」
いや違うな。何故だかコレは違う、そう勘が囁いている。
案の定、神父は否定した。
「いいえ、違います。これはね、もっと…もっともっと原始的な…そう、木の根よりも前、種のようなものです」
「…は?なんだそりゃ?そんなモン、聞いたこともないんだが」
「それはそうでしょう。何故なら、そう言った事実は全て伏せられている…いや、全て抹消されているのですから」
「抹消された?誰にだよ」
そう聞いてやると、神父は口元の笑みをさらに深めこう返した。
「神に、です」
一瞬、静寂。
その静寂を突き破ったのは、肉塊だった。
「おあわ、ああああ、おおぉあぁおおぉおぉああああぁあぁああぁあ!ああああああああああああ──!!」
「!? なんっ──」
鼓膜を引き裂くような、叫ぶ者そのものの喉を潰すような慟哭。
思わず銀剣を放り捨ててでも耳を塞ぎそうになった瞬間。
「黙りなさい」
神父のその一言が、この空間そのものを崩壊させかねない絶叫の中、やけによく聞こえた。
同時に、頭が聞こえたと認識した瞬間に慟哭は止まった。
「全く、神というものは本当に業が深い。徒にこのようなものを作り上げ、失敗したからと狭間に棄てる。これではまるで小さな子供ではないですか」
「お前…何を言っているんだ?」
神がこれを作った…?神…教会が崇めるグルーマルか?
だとしてもどうして?何のために?
理解できない。
「あぁいえ、気にしないでください。分かると思ってもいませんし──」
再び、神父が空間を押すと、やはり空間に罅が入る。
「──生きて帰すつもりもありません」
今度は、複数同時に。
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