大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

確認と気配

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さて、どこまで話そうか。
少し迷いながら、しかし大丈夫だろうと思い、俺は軽くシエルの頭を撫でる。
「………おかあさん?」
「…順を追って確認していくか…。聖女サマは俺が教会だとアタリをつけた理由、知ってる?」
「えぇ、一応。かなり奇跡的な話ですが。これも神のお導きでしょうか」
もちろん、運もあったが、俺の努力も神のお導きでまとめる聖女サマに文句の一つでも言いたくなったが、鼻で軽く笑っていなすだけで我慢してやる。
シャルはまだ起きていないが、もしいたらこう言うだろうな『あの神がそんな面倒な事をするわけがねぇだろ。そんなのするぐらいなら、聖女を切り捨てて新しい聖女を創るだろうよ』ってな。
そんな俺の心中を知らない聖女は、俺の反応に眉をひそめたが、何か言う前に俺が口を開いた。
「なら話は早い。俺は必死こいて走り、教会に到着した後、そこにいた有象無象共を蹴散らしてアンタを救出した。この後、聖女サマはアーネの屋敷へ向かい、俺は神父を追っかけて地下への扉を発見、そのまま下っていった」
ここで一度言葉を切り、周りになにか飲み物がないかと見てみると、ついさっきまであったサンドイッチの皿は消え、代わりにいつの間にか置かれた水差しとコップが四つ。
…メイドさん達、どこからか知らねぇけど、見てるな?まぁ、有難いからいいけど。
コップに一杯水を継ぎ、一息に飲み干す。
よく冷えた水が頭を強く締め付けるような痛みをもたらすが気にしない。
軽く眉間を揉んで、話を続ける。
「で、俺は激闘の末、なんやかんやあって敵の神父が操ってた化物に食われ、一時的に意識を失った後に復活、ぶった斬って出てきた後、お前らと遭遇。神父を仕留めようとした所で邪魔が入った。これが俺から見た話だ。何か質問は?」
「なぜ、あなたは神父を殺そうとしたのですか?」
「…またか、聖女サマよ」
「当たり前です!」
ため息をつき、天井を睨む。
すると、俺やシエルにしか聞こえないような小さな物音がし、数人分の足音と共に去っていく気配がした。
「どうかしたのですか?」
「いや?ちょっと壁と障子に出ていってもらうように合図しただけ。通じてくれてよかった」
「「「…?」」」
わからないといった風のアーネと聖女サマ。シエルは気づいていたようだが、言葉の意味がわからなかったらしい。
よく言うだろ?壁に耳あり障子に目ありって。
まぁ、ようはメイドさん達に出ていってもらっただけなんだが。意味が通じてくれてよかった。
「さて、理由だっけか…聖女サマ、アンタはなんで攫われたのか、分かってるか?」
「はい?あなたがいないうちに攫われたのでしょう?」
あぁ、やっぱり分かってねぇのか。
「魔法をかけられたんだよ。その隙を狙われた」
アーネ、と隣に立つ赤い彼女に声をかける。
「お前、人払いをする魔法って使えるか?」
アーネは一瞬考え、こう答えた。
「多分…どんな人にも無理だと思いますわ」
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