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変わっていく関係
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「ラウラが…とうとう兄貴と結婚なんて…」
「こんなに早くだとは思わなかったわ…」
翌日、朝から公務でお忙しいジーク様の代わりに、今日はベルタさんとユリア先生が来てくださいました。そして今日の話題と言えば…ラウラとレイフ様の事になるのは当然でしょう。
ラウラがお気に入りのお二人ですが、ベルタさんはご自身のお兄様が相手という事で複雑な心境のようです。ベルタさん曰く、脳筋の兄で大丈夫なのかと不安なのだそうですが、そこはユリア先生が、むしろ真っすぐで一途なんだから却って安心、トール様みたいな方が心配だわと言ったため、ベルタさんも確かに…と納得されたようです。ええ、そこは私も同感ですわ。
一方のユリア先生は…年齢的な面で思うところがおありのようです。先生は現在二十二歳。十七歳と五つ下のラウラが先に結婚する事に少なからずショックを受けているようにも見えます。
もちろん、そんな素振りは見せたりはしませんが、ベルタさんの話では先生には未だお相手はいらっしゃらないので、気にされているのだろうとの事でした。先生もベルタさんも今は仕事が楽しくて仕方ないので、結婚しようという気にはなれないのだとか。
でも、確かに先生のお年ならそろそろ結婚を…となっても仕方ありませんわね。ラルセンは獣人の国で寿命が長い獣人が多いのと、番の概念があるせいで、結婚する年齢をどうこう言う事は少ないのだそうです。ですが、人族となると二十二歳はそろそろ…と言われる年なので、先生も周りからの圧力があるのだろうとベルタさんが言っていました。
一方の私はというと…複雑と言いますか、ラウラをレイフ様にとられたような気分で、嬉しさと同時に寂しさも感じていました。ラウラは私の侍女を辞める選択肢はないと言い切ってくれますが…さすがに結婚した後も今まで通り常に一緒…というわけではないでしょう。多分、ベルタさん達のように通いになってしまうのだろうと思います。これまでは一緒に住んでいたのでいつでも会えましたが…今後はそうとは限らないのですよね。
生まれた時からずっと一緒で、離れた時間が殆どなかっただけに、何だか大事なものを奪われたような感覚がします。レイフ様に嫉妬するなんて、お門違いなのに…
でも、ラウラの幸せそうな顔を見ると、そんな事など些細な事に思えてしまうのですから不思議です。やっぱりラウラの笑顔が凄い力を持っているのは変わらないようです。
「それで…プロポーズを受けたのは、何が決め手になったの?」
いつもの女子会メンバーが集まれば、これは聞かずにはいられないでしょう。勿論レイフ様も一生懸命アピールしていましたが、それで絆されるラウラでもないと思います。ラウラはほんわかした雰囲気ですが、芯はしっかりしていて強いのですから。
「具体的には…この前、一緒にハシャのケーキのお店に行った時、ですかねぇ」
「ハシャのケーキって、あの噂の?」
ハシャは小さな実ですが、とっても酸っぱくてそのままで食べる事はほぼありません。煮詰める事で甘さが出るので、それをジャムなどにして使うのが一般的ですが…とにかく酸っぱいのでお菓子でもあまり使われる事はありません。
でも、王都にはこのハシャの実を使ったケーキが売りのお店があり、そこは密かな人気店なのです。私も買って来て貰った事がありますが…あの酸っぱさと甘さは好き嫌いがとっても分かれますわね。私はたま~に食べるならいいかな、という程度ですが、あのケーキを好きだというコアなファンはたくさんいると聞きます。
「ええ、話題のお店で興味があったので、レイフ様に連れて言って貰ったんです」
それからラウラはその店で起きた事を教えてくれました。お店に並んでようやく席について注文を待っていたところ、とある客が騒ぎ始めたそうです。その客はケーキが酸っぱすぎてマズいと騒ぎ、終いにはこんな商品が看板メニューだなんておかしい、他の商品にしろと店員に言っていたのだとか。
「あの客、よくあんな事言えるなぁ…みんなが食べに来ているのはあのケーキなのに」
「そうですよねぇ。周り見えてなさそうですね」
周囲を見渡すと、客の皆さんは眉をしかめてその客を見ていたそうです。それもそうでしょう、自分が気に入り、美味しいと思って食べに来ているものを不味いと言い、看板メニューを変えろと言われては、客としても気分のいい人はいないでしょう。
「でも…レイフ様もあのケーキ、苦手ですよね?」
「そりゃあ、酸っぱすぎるし甘いし、確かに俺も苦手だけど。でも、だからって不味いって文句言うのは違うだろう?好きな人がいる以上、それを否定するなんて失礼だ」
「確かにそうですね」
「それに、マズいとか嫌いなんてただの好みの違いだろう?自分が好きじゃないからって否定するのって、なんか違わなくねぇか?勿論、こうした方がいいって提案はありだろうけど、みんなの前でああも長々と文句言える神経が理解出来ねぇよ」
ラウラはこの会話で、ああ、この人なら大丈夫だと思ったそうです。ストレートに物を言うレイフ様なのでこのケーキにも文句を言うかと思っていただけに、この言葉はとてもラウラの心に染み入ったのだと。こんな風に考える人となら子供も安心して育てられると、そう感じたそうです。
「確かに、そう言うところで人間性って出るわね」
「うん、確かに…でも、あの兄貴がねぇ…」
「そうかしら?レイフ様って真っすぐだし、そんなに意外でもないと思うわよ」
確かにレイフ様は直情的で周りを見ていないようにも見えましたが、そうではなかったのですね。騎士団でも人気者だとお聞きしていますが、こういう配慮が出来るところが好かれているのでしょう。
「それで、式はいつごろにするの?」
「う~ん、それはこれから相談、ですね。まだご両親に挨拶にも行っていませんし、レイフ様の仕事の事もあるし。それに…ウエディングドレスも作って下さるというので、そっちがどれくらいかかるかが…」
「ああ、ラウラもエリサ様と同じ店にするんだっけ?」
「ええ。でも…予約がいっぱいだから時間がかかりそうだって」
「そっか。でも、そこは妥協しちゃダメだよ。一生に一度の事なんだから。兄貴の事なんて待たせておけばいいんだよ」
「そうね、ドレスは妥協しちゃだめね。私もどこの店のどんなデザインにするかは、ある程度決まっているわよ」
「あ、私も」
何と、ユリア先生もベルタさんも、ウエディングドレスのデザインや頼むお店は既に決まっているのですね。そんな話を聞くと、自分ももっと考えるべきだったかと感じてしまいました。
でも、あのドレス以上の物と言われても…何も浮かびませんわ。私の好みはしっかり入っていましたし、しかも最高級品です。やっぱりあのドレスで正解だったと思います。
「で、結婚したら侍女の仕事は?通いになるよね?」
「そうですね。まだ具体的にはわかりませんが…さすがに今までと同じ王宮暮らしというわけにはいかないでしょうね」
「そうね、結婚したら通いになるだろうね。だとしたら、ラウラの代わりに夜エリサ様に付く侍女を探さないとね」
「やっぱり、そうなっちゃいますよねぇ…」
ラウラも私と離れるのを寂しいと思ってくれているようで、変わりの者をとの話になると表情が沈みました。私にしてみればラウラの代わりはいないのですが…
でも、結婚した後も夜もずっと一緒…は難しいのも確かです。ベルタさんもユリア先生もお仕事がありますし…
「まぁ、エリサ様も陛下と番ったら、夜の侍女は要らないんだけどね」
「そうね、陛下が甲斐甲斐しく世話をお焼きになるでしょうし…」
そんな事をベルタさん達が言い始めて、私は思わず昨日のジーク様とのやり取りを思い出してしまいました。あの話は、ラウラ達が来たためそこで終わりましたが…ジーク様はどうお感じになったのでしょうか。あの後ジーク様は他国との話し合いに行かれたため、それからはお会いしていません。次にお会いした時、どんな顔で会えばいいのでしょう。
その時です。護衛のため部屋の入り口に控えていた騎士が、ジーク様の訪れを告げました。私はまだ心の準備といいますか、どんな表情でお迎えするかも決まっていなかったので、急な事に鼓動が跳ねるのを感じました。
もうお仕事は終わったのでしょうか?今日は昨日とは変わり、朝からお忙しいと聞きましたが…入ってきたジーク様は少し慌てているようにも見えました。
「ジーク様、もうお仕事は終わりましたの?」
「いや、またこれから会議がある。長くなりそうだから、その前にこれを貴方にと思って」
そう言ってジーク様が差し出されたのは、手のひらに乗るくらい小さな包みでした。それを渡したジーク様は、ではまた、と言って足早に戻っていかれてしまいました。私はいきなりの事に呆然としていましたが…三人の視線に我に返りました。
「え?それってもしかして…」
「陛下、とうとう行動に?」
「やっとですか…」
三人三様の反応を受けながら、私がその包みを開くと…そこには、私の瞳の色でもある新緑色の玉が付いた髪飾りが入っていました。小さいけれど繊細なデザインは、もしかしたらアルマ様の作られた物でしょうか。
「うわ、すっごく綺麗」
「やぁっと陛下も行動する気になったんだね」
「ふふ、これから贈り物攻撃が始まるわね」
どうやら昨日の会話で、ジーク様の中で何かが変わったようです。皆さんの話ではスイッチが入ったとの事ですが…もしかしてレイフ様のようにしたかったと言っていた事に関係しているのでしょうか…可愛らしい髪飾りを手に取りながら、結婚式の時よりも楽し気な三人の様子を前に、私は何かが変わっていくのをまた感じました。
「こんなに早くだとは思わなかったわ…」
翌日、朝から公務でお忙しいジーク様の代わりに、今日はベルタさんとユリア先生が来てくださいました。そして今日の話題と言えば…ラウラとレイフ様の事になるのは当然でしょう。
ラウラがお気に入りのお二人ですが、ベルタさんはご自身のお兄様が相手という事で複雑な心境のようです。ベルタさん曰く、脳筋の兄で大丈夫なのかと不安なのだそうですが、そこはユリア先生が、むしろ真っすぐで一途なんだから却って安心、トール様みたいな方が心配だわと言ったため、ベルタさんも確かに…と納得されたようです。ええ、そこは私も同感ですわ。
一方のユリア先生は…年齢的な面で思うところがおありのようです。先生は現在二十二歳。十七歳と五つ下のラウラが先に結婚する事に少なからずショックを受けているようにも見えます。
もちろん、そんな素振りは見せたりはしませんが、ベルタさんの話では先生には未だお相手はいらっしゃらないので、気にされているのだろうとの事でした。先生もベルタさんも今は仕事が楽しくて仕方ないので、結婚しようという気にはなれないのだとか。
でも、確かに先生のお年ならそろそろ結婚を…となっても仕方ありませんわね。ラルセンは獣人の国で寿命が長い獣人が多いのと、番の概念があるせいで、結婚する年齢をどうこう言う事は少ないのだそうです。ですが、人族となると二十二歳はそろそろ…と言われる年なので、先生も周りからの圧力があるのだろうとベルタさんが言っていました。
一方の私はというと…複雑と言いますか、ラウラをレイフ様にとられたような気分で、嬉しさと同時に寂しさも感じていました。ラウラは私の侍女を辞める選択肢はないと言い切ってくれますが…さすがに結婚した後も今まで通り常に一緒…というわけではないでしょう。多分、ベルタさん達のように通いになってしまうのだろうと思います。これまでは一緒に住んでいたのでいつでも会えましたが…今後はそうとは限らないのですよね。
生まれた時からずっと一緒で、離れた時間が殆どなかっただけに、何だか大事なものを奪われたような感覚がします。レイフ様に嫉妬するなんて、お門違いなのに…
でも、ラウラの幸せそうな顔を見ると、そんな事など些細な事に思えてしまうのですから不思議です。やっぱりラウラの笑顔が凄い力を持っているのは変わらないようです。
「それで…プロポーズを受けたのは、何が決め手になったの?」
いつもの女子会メンバーが集まれば、これは聞かずにはいられないでしょう。勿論レイフ様も一生懸命アピールしていましたが、それで絆されるラウラでもないと思います。ラウラはほんわかした雰囲気ですが、芯はしっかりしていて強いのですから。
「具体的には…この前、一緒にハシャのケーキのお店に行った時、ですかねぇ」
「ハシャのケーキって、あの噂の?」
ハシャは小さな実ですが、とっても酸っぱくてそのままで食べる事はほぼありません。煮詰める事で甘さが出るので、それをジャムなどにして使うのが一般的ですが…とにかく酸っぱいのでお菓子でもあまり使われる事はありません。
でも、王都にはこのハシャの実を使ったケーキが売りのお店があり、そこは密かな人気店なのです。私も買って来て貰った事がありますが…あの酸っぱさと甘さは好き嫌いがとっても分かれますわね。私はたま~に食べるならいいかな、という程度ですが、あのケーキを好きだというコアなファンはたくさんいると聞きます。
「ええ、話題のお店で興味があったので、レイフ様に連れて言って貰ったんです」
それからラウラはその店で起きた事を教えてくれました。お店に並んでようやく席について注文を待っていたところ、とある客が騒ぎ始めたそうです。その客はケーキが酸っぱすぎてマズいと騒ぎ、終いにはこんな商品が看板メニューだなんておかしい、他の商品にしろと店員に言っていたのだとか。
「あの客、よくあんな事言えるなぁ…みんなが食べに来ているのはあのケーキなのに」
「そうですよねぇ。周り見えてなさそうですね」
周囲を見渡すと、客の皆さんは眉をしかめてその客を見ていたそうです。それもそうでしょう、自分が気に入り、美味しいと思って食べに来ているものを不味いと言い、看板メニューを変えろと言われては、客としても気分のいい人はいないでしょう。
「でも…レイフ様もあのケーキ、苦手ですよね?」
「そりゃあ、酸っぱすぎるし甘いし、確かに俺も苦手だけど。でも、だからって不味いって文句言うのは違うだろう?好きな人がいる以上、それを否定するなんて失礼だ」
「確かにそうですね」
「それに、マズいとか嫌いなんてただの好みの違いだろう?自分が好きじゃないからって否定するのって、なんか違わなくねぇか?勿論、こうした方がいいって提案はありだろうけど、みんなの前でああも長々と文句言える神経が理解出来ねぇよ」
ラウラはこの会話で、ああ、この人なら大丈夫だと思ったそうです。ストレートに物を言うレイフ様なのでこのケーキにも文句を言うかと思っていただけに、この言葉はとてもラウラの心に染み入ったのだと。こんな風に考える人となら子供も安心して育てられると、そう感じたそうです。
「確かに、そう言うところで人間性って出るわね」
「うん、確かに…でも、あの兄貴がねぇ…」
「そうかしら?レイフ様って真っすぐだし、そんなに意外でもないと思うわよ」
確かにレイフ様は直情的で周りを見ていないようにも見えましたが、そうではなかったのですね。騎士団でも人気者だとお聞きしていますが、こういう配慮が出来るところが好かれているのでしょう。
「それで、式はいつごろにするの?」
「う~ん、それはこれから相談、ですね。まだご両親に挨拶にも行っていませんし、レイフ様の仕事の事もあるし。それに…ウエディングドレスも作って下さるというので、そっちがどれくらいかかるかが…」
「ああ、ラウラもエリサ様と同じ店にするんだっけ?」
「ええ。でも…予約がいっぱいだから時間がかかりそうだって」
「そっか。でも、そこは妥協しちゃダメだよ。一生に一度の事なんだから。兄貴の事なんて待たせておけばいいんだよ」
「そうね、ドレスは妥協しちゃだめね。私もどこの店のどんなデザインにするかは、ある程度決まっているわよ」
「あ、私も」
何と、ユリア先生もベルタさんも、ウエディングドレスのデザインや頼むお店は既に決まっているのですね。そんな話を聞くと、自分ももっと考えるべきだったかと感じてしまいました。
でも、あのドレス以上の物と言われても…何も浮かびませんわ。私の好みはしっかり入っていましたし、しかも最高級品です。やっぱりあのドレスで正解だったと思います。
「で、結婚したら侍女の仕事は?通いになるよね?」
「そうですね。まだ具体的にはわかりませんが…さすがに今までと同じ王宮暮らしというわけにはいかないでしょうね」
「そうね、結婚したら通いになるだろうね。だとしたら、ラウラの代わりに夜エリサ様に付く侍女を探さないとね」
「やっぱり、そうなっちゃいますよねぇ…」
ラウラも私と離れるのを寂しいと思ってくれているようで、変わりの者をとの話になると表情が沈みました。私にしてみればラウラの代わりはいないのですが…
でも、結婚した後も夜もずっと一緒…は難しいのも確かです。ベルタさんもユリア先生もお仕事がありますし…
「まぁ、エリサ様も陛下と番ったら、夜の侍女は要らないんだけどね」
「そうね、陛下が甲斐甲斐しく世話をお焼きになるでしょうし…」
そんな事をベルタさん達が言い始めて、私は思わず昨日のジーク様とのやり取りを思い出してしまいました。あの話は、ラウラ達が来たためそこで終わりましたが…ジーク様はどうお感じになったのでしょうか。あの後ジーク様は他国との話し合いに行かれたため、それからはお会いしていません。次にお会いした時、どんな顔で会えばいいのでしょう。
その時です。護衛のため部屋の入り口に控えていた騎士が、ジーク様の訪れを告げました。私はまだ心の準備といいますか、どんな表情でお迎えするかも決まっていなかったので、急な事に鼓動が跳ねるのを感じました。
もうお仕事は終わったのでしょうか?今日は昨日とは変わり、朝からお忙しいと聞きましたが…入ってきたジーク様は少し慌てているようにも見えました。
「ジーク様、もうお仕事は終わりましたの?」
「いや、またこれから会議がある。長くなりそうだから、その前にこれを貴方にと思って」
そう言ってジーク様が差し出されたのは、手のひらに乗るくらい小さな包みでした。それを渡したジーク様は、ではまた、と言って足早に戻っていかれてしまいました。私はいきなりの事に呆然としていましたが…三人の視線に我に返りました。
「え?それってもしかして…」
「陛下、とうとう行動に?」
「やっとですか…」
三人三様の反応を受けながら、私がその包みを開くと…そこには、私の瞳の色でもある新緑色の玉が付いた髪飾りが入っていました。小さいけれど繊細なデザインは、もしかしたらアルマ様の作られた物でしょうか。
「うわ、すっごく綺麗」
「やぁっと陛下も行動する気になったんだね」
「ふふ、これから贈り物攻撃が始まるわね」
どうやら昨日の会話で、ジーク様の中で何かが変わったようです。皆さんの話ではスイッチが入ったとの事ですが…もしかしてレイフ様のようにしたかったと言っていた事に関係しているのでしょうか…可愛らしい髪飾りを手に取りながら、結婚式の時よりも楽し気な三人の様子を前に、私は何かが変わっていくのをまた感じました。
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