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番外編
番外編⑦ ラウラの結婚式
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今日はラウラとレイフ様の結婚式です。嬉しい事に空は爽やかに晴れ上がり、絶好の結婚式日和です。この季節は雨の心配が少ない時期で結婚シーズンですが、やはり晴れると嬉しいですわね。
私は…まだ身体の変化が十分でなく怠さが抜けませんが、今日ばかりは特別です。明日以降寝込もうとも、今日のラウラの晴れの姿を目に焼き付けなければ気が済みません。
ドレスを着てナタリーさん達率いる美容部隊に化粧を施されたラウラは…まるで春の女神のようです。こんなにも晴れやかな姿を、ラウラの母でもある乳母に見せたかったです。
目の前に佇むラウラは、ほんのり青みのかかったウエディングドレスを纏っていました。幾重にも重なったレースをふんだんにあしらい、まさにお姫様と言った感じのドレスは、丸顔でちょっと童顔のラウラにぴったりです。ところどころ水色の指し色が入っているのが清楚さを一層強めていますわね。人気のデザイナーが手掛けたこのドレスは、ラウラの魅力を最大限に引き出しているように見えます。
ふんわりと結い上げられた茶色の髪も後れ毛が愛らしく、控えめな化粧もドレスの雰囲気にぴったりです。今はレイフ様から贈られた番のピアスも耳に揺れて、文句のつけようがありません。
もし文句があるとするならば…式では被る事になるベールでしょうか…こんなに可愛くて綺麗な花嫁姿ですが…嫉妬深い狼人は番が人目に触れるのを嫌がるので、式の間はずっとベールを被ったままなのです。
でも、レイフ様の懸念もわからなくもありません。こんなに可愛いラウラでは、懸想してしまう男性が出てきてもおかしくありませんもの。
「ラウラ…綺麗だ…」
「本当に…とっても似合っているわ」
「…素敵よ、ラウラ…乳母にも見せたかったわ…」
「エリサ様…ベルタさんとユリア先生も…ありがとうございます」
目に涙を浮かべて感無量と言った感じのラウラは、この日のために半月前からマッサージを施されて肌と髪は艶々で、これではレイフ様もイチコロですわね。理性が崩壊して暴走しないかと…私はそっちの方が心配になってきました。せめて式が終わるまでは我慢して欲しいところです。
獣人の多いラルセンでは、結婚式は非常に簡略化されています。新郎新婦は参列者の前で結婚を宣言し、見届け人となる上司や親戚の前で結婚証書にサインをして終わりです。ちなみに二人の見届け人はヴァルと私です。
王妃の侍女と騎士団の要職に就く二人の式は、王宮のすぐ側にある式場を借りて盛大に行われました。この国では、専用の式場で式を挙げるのが一般的だそうです。式の後はそのまま宴会へと突入するからで、宴会は基本的に無礼講で、新郎新婦が下がっても一晩中続くのだとか。堅苦しい事が嫌いで、みんなでわいわい騒ぐのが好きな国民性がよく表れています。
男性が多いのは…騎士団の関係者が多いのと、既婚の女性はあまり出席しないからだそうです。特に上位種の獣人はこんな時でも妻を人前に出したがりません。お陰で見届け人の私はともかく、アルマ様は今日も欠席ですし、騎士団の要職にある方の奥様の姿も見えません。
ちなみに新郎新婦は途中で退席して、一緒に家に帰るそうです。蜜月は邪魔が入らないようにと、基本的に人を避けて家に籠るのが獣人流なのだそうで、二人は一週間の休暇を取っています。ラウラに至っては、体調次第で休暇が休職になる可能性もあります。
準備が終わって後はレイフ様が来るのを待つだけです。私はラウラやベルタさん達と一緒にお茶を頂く事にしました。これから先はラウラも食事をする事もままならないので、水分補給だけでもと思ったのです。
感無量な思いでお茶を頂いていると、バタバタと足音が近づいてきました。ここは花嫁の控室なので、基本的に男子禁制のエリアですし、こんな場で何でしょうか…その騒がしさにベルタさんの表情が曇ったのと同時に、大きな音を立ててドアが開きました。
「見つけた!」
「ここにいたのね!」
私たちの部屋のドアを開け放ったのは、私達と同じくらいの年の女性三人でした。見覚えがありませんわね、どなたでしょうか?向こうはこちらを知っているようですが…
それにしても、王妃の私がいる場に突撃してくるなんて、驚きしかありません。ベルタさんと侍女さん達が私とラウラを守る様に彼女たちとの間に割って入りました。
「何者だ?」
「王妃様がいらっしゃると知っての狼藉ですか?」
「何の用です?」
あっという間に戦闘態勢に入ってしまったベルタさんと侍女さん達に、私達だけでなく女性達も驚いています。いえ、ある意味この状況は当然なのですが…王妃の居る部屋にノックもせず押しかけてくるなんてあり得ませんから。
「…え?」
「あ、あの…」
勢いよく飛び込んできた三人でしたが…ベルタさんや侍女さんの厳しい口調に、あっという間に萎んだ風船のようになってしまいました。う~ん、この方達ってもしかして…
「あんた達、もしかして…ラウラに嫌がらせして兄貴の逆鱗に触れた…」
ベルタさんはどうやらこの三人に見覚えがあったようです。そう言えば、三月ほど前にラウラに嫌がらせした事務補佐の女性達がいましたわね。確か彼女たちは日頃から仕事そっちのけで他の女性にも嫌がらせを繰り返していたので、首になったと聞きますが…
「あ…」
「べ、ベルタ様…」
どうやらここにベルタさんがいるとは思わなかったようです。ベルタさんは騎士団でも要職についていらっしゃるので、騎士団に勤めている者で顔を知らない者は少ないでしょう。彼女たちにとっては想定外だったようです。
でも…ラウラは私の侍女ですし、ここに私達がいる可能性は考えられたでしょうに…
「何をしている?」
彼女たちが固まって返事もしないために膠着気味になっていましたが、それを崩したのは…今日の主役の一人でもあるレイフ様でした。
現れたレイフ様は、騎士団の正装に身を包んでいました。やはりこういう時は騎士服なのですね。確かに精悍で男性らしいレイフ様には、騎士服の方がぴったりな気がします。どうやらラウラを迎えに来たようですが…部屋の入り口にいた女性達に気が付いたようで、表情が険しくなっています。
「レ、レイフ様…」
「あ、あの…」
突然の登場に女性達はすっかり動揺している様でした。それもそうでしょうね。憧れの人の番に文句を言いに行ったらご本人登場だなんて、きっと彼女たちには最悪の展開でしょう。でも、同情する気にはなれませんわね。私は何があってもラウラの味方ですし。
「用があるなら俺が聞く。用がないなら消えろ」
「…っ!」
「だが言っておく。ラウラを傷つけたら…俺が絶対に許さない」
さすがにレイフ様の前でラウラに文句を言う事も出来なかったのでしょう。青ざめていた彼女たちでしたが、レイフ様の言葉に一層顔色を失い、怯えるように逃げていきました。最近は甘ったるく緩んだ表情ばかり見ていましたが…さすがは騎士ですわね、怒った時の威圧感はとてつもない威力がありました。
そんなレイフ様でしたが…彼女たちが消え、ラウラのウエディングドレス姿を見た途端、動かなくなってしまいました。ど、どうしたのでしょうか…
「あの…レイフ様?」
「兄貴?どうしたの?変なものでも食べたとか?」
ああ…これはラウラの愛らしさにショック状態なのでしょうね。でも仕方ありませんね。こんなに可愛いラウラなのですもの。むしろこれまでの溺愛っぷりを思えば、これも想定内というものです。
「レイフ…様?」
全く反応しないレイフ様に、さすがにラウラも訝しく思ったのでしょう。首をかしげてレイフ様を見上げていますが…ラウラ、その仕草は今はダメよ!レイフ様の理性が崩壊してしちゃうわ!
「きゃぁっ!」
私の心の声は残念ながらラウラには伝わらず、案の定というべきか、レイフ様が突然ラウラをかき抱きました。でも…
「兄さん!ラウラを放せ!ドレスが皺になる!」
「そうですわ!せっかくの髪が崩れてしまいます!」
「崩れた髪と化粧でラウラさんを人前に出す気ですか!」
すかさずベルタさんとユリア先生、ナタリーさんが止めに入りました。そう言う事は式が終わってからにして欲しいです。さすがに三人の女性の剣幕にレイフ様も我に返り、ラウラの拘束を解きましたが…ラウラの髪が乱れてしまい、レイフ様は結婚式当日だというのに、ベルタさんとナタリーさんから懇々とお説教をされる事となりました。ナタリーさんの美にかける執念は相当なものですね。
それでも、レイフ様にエスコートされて会場に向かうラウラは…とっても幸せそうでした。レイフ様の溺愛っぷりを思えばこれも当然ですが…きっと乳母も空の上からラウラの幸せそうな姿を見ていてくれると思いますわ。
こうして、ラウラとレイフ様は無事結婚式を挙げ、番となりました。幸いと言いますか、ラウラは身体が馴染みやすい体質だったらしく、私ほど体調不良に悩まされる事もなく、私が一年かかった変化も半年で終えてしまいました。そこは…物凄く羨ましいです。ただ、その変わりにレイフ様の体力には散々泣かされたようですが…
変化の後、ラウラは直ぐに一人目を妊娠し、最終的には三人の子を産んで、レイフ様のお母様のような肝っ玉母さんになりました。父親を知らず、母一人子一人で寂しく育ったラウラでしたが、自身の夢だった仲のいい賑やかな大家族を手に入れ、最後は孫やひ孫、玄孫にも囲まれて幸せな人生を送るのですが…それはまだずっと後のお話。
私は…まだ身体の変化が十分でなく怠さが抜けませんが、今日ばかりは特別です。明日以降寝込もうとも、今日のラウラの晴れの姿を目に焼き付けなければ気が済みません。
ドレスを着てナタリーさん達率いる美容部隊に化粧を施されたラウラは…まるで春の女神のようです。こんなにも晴れやかな姿を、ラウラの母でもある乳母に見せたかったです。
目の前に佇むラウラは、ほんのり青みのかかったウエディングドレスを纏っていました。幾重にも重なったレースをふんだんにあしらい、まさにお姫様と言った感じのドレスは、丸顔でちょっと童顔のラウラにぴったりです。ところどころ水色の指し色が入っているのが清楚さを一層強めていますわね。人気のデザイナーが手掛けたこのドレスは、ラウラの魅力を最大限に引き出しているように見えます。
ふんわりと結い上げられた茶色の髪も後れ毛が愛らしく、控えめな化粧もドレスの雰囲気にぴったりです。今はレイフ様から贈られた番のピアスも耳に揺れて、文句のつけようがありません。
もし文句があるとするならば…式では被る事になるベールでしょうか…こんなに可愛くて綺麗な花嫁姿ですが…嫉妬深い狼人は番が人目に触れるのを嫌がるので、式の間はずっとベールを被ったままなのです。
でも、レイフ様の懸念もわからなくもありません。こんなに可愛いラウラでは、懸想してしまう男性が出てきてもおかしくありませんもの。
「ラウラ…綺麗だ…」
「本当に…とっても似合っているわ」
「…素敵よ、ラウラ…乳母にも見せたかったわ…」
「エリサ様…ベルタさんとユリア先生も…ありがとうございます」
目に涙を浮かべて感無量と言った感じのラウラは、この日のために半月前からマッサージを施されて肌と髪は艶々で、これではレイフ様もイチコロですわね。理性が崩壊して暴走しないかと…私はそっちの方が心配になってきました。せめて式が終わるまでは我慢して欲しいところです。
獣人の多いラルセンでは、結婚式は非常に簡略化されています。新郎新婦は参列者の前で結婚を宣言し、見届け人となる上司や親戚の前で結婚証書にサインをして終わりです。ちなみに二人の見届け人はヴァルと私です。
王妃の侍女と騎士団の要職に就く二人の式は、王宮のすぐ側にある式場を借りて盛大に行われました。この国では、専用の式場で式を挙げるのが一般的だそうです。式の後はそのまま宴会へと突入するからで、宴会は基本的に無礼講で、新郎新婦が下がっても一晩中続くのだとか。堅苦しい事が嫌いで、みんなでわいわい騒ぐのが好きな国民性がよく表れています。
男性が多いのは…騎士団の関係者が多いのと、既婚の女性はあまり出席しないからだそうです。特に上位種の獣人はこんな時でも妻を人前に出したがりません。お陰で見届け人の私はともかく、アルマ様は今日も欠席ですし、騎士団の要職にある方の奥様の姿も見えません。
ちなみに新郎新婦は途中で退席して、一緒に家に帰るそうです。蜜月は邪魔が入らないようにと、基本的に人を避けて家に籠るのが獣人流なのだそうで、二人は一週間の休暇を取っています。ラウラに至っては、体調次第で休暇が休職になる可能性もあります。
準備が終わって後はレイフ様が来るのを待つだけです。私はラウラやベルタさん達と一緒にお茶を頂く事にしました。これから先はラウラも食事をする事もままならないので、水分補給だけでもと思ったのです。
感無量な思いでお茶を頂いていると、バタバタと足音が近づいてきました。ここは花嫁の控室なので、基本的に男子禁制のエリアですし、こんな場で何でしょうか…その騒がしさにベルタさんの表情が曇ったのと同時に、大きな音を立ててドアが開きました。
「見つけた!」
「ここにいたのね!」
私たちの部屋のドアを開け放ったのは、私達と同じくらいの年の女性三人でした。見覚えがありませんわね、どなたでしょうか?向こうはこちらを知っているようですが…
それにしても、王妃の私がいる場に突撃してくるなんて、驚きしかありません。ベルタさんと侍女さん達が私とラウラを守る様に彼女たちとの間に割って入りました。
「何者だ?」
「王妃様がいらっしゃると知っての狼藉ですか?」
「何の用です?」
あっという間に戦闘態勢に入ってしまったベルタさんと侍女さん達に、私達だけでなく女性達も驚いています。いえ、ある意味この状況は当然なのですが…王妃の居る部屋にノックもせず押しかけてくるなんてあり得ませんから。
「…え?」
「あ、あの…」
勢いよく飛び込んできた三人でしたが…ベルタさんや侍女さんの厳しい口調に、あっという間に萎んだ風船のようになってしまいました。う~ん、この方達ってもしかして…
「あんた達、もしかして…ラウラに嫌がらせして兄貴の逆鱗に触れた…」
ベルタさんはどうやらこの三人に見覚えがあったようです。そう言えば、三月ほど前にラウラに嫌がらせした事務補佐の女性達がいましたわね。確か彼女たちは日頃から仕事そっちのけで他の女性にも嫌がらせを繰り返していたので、首になったと聞きますが…
「あ…」
「べ、ベルタ様…」
どうやらここにベルタさんがいるとは思わなかったようです。ベルタさんは騎士団でも要職についていらっしゃるので、騎士団に勤めている者で顔を知らない者は少ないでしょう。彼女たちにとっては想定外だったようです。
でも…ラウラは私の侍女ですし、ここに私達がいる可能性は考えられたでしょうに…
「何をしている?」
彼女たちが固まって返事もしないために膠着気味になっていましたが、それを崩したのは…今日の主役の一人でもあるレイフ様でした。
現れたレイフ様は、騎士団の正装に身を包んでいました。やはりこういう時は騎士服なのですね。確かに精悍で男性らしいレイフ様には、騎士服の方がぴったりな気がします。どうやらラウラを迎えに来たようですが…部屋の入り口にいた女性達に気が付いたようで、表情が険しくなっています。
「レ、レイフ様…」
「あ、あの…」
突然の登場に女性達はすっかり動揺している様でした。それもそうでしょうね。憧れの人の番に文句を言いに行ったらご本人登場だなんて、きっと彼女たちには最悪の展開でしょう。でも、同情する気にはなれませんわね。私は何があってもラウラの味方ですし。
「用があるなら俺が聞く。用がないなら消えろ」
「…っ!」
「だが言っておく。ラウラを傷つけたら…俺が絶対に許さない」
さすがにレイフ様の前でラウラに文句を言う事も出来なかったのでしょう。青ざめていた彼女たちでしたが、レイフ様の言葉に一層顔色を失い、怯えるように逃げていきました。最近は甘ったるく緩んだ表情ばかり見ていましたが…さすがは騎士ですわね、怒った時の威圧感はとてつもない威力がありました。
そんなレイフ様でしたが…彼女たちが消え、ラウラのウエディングドレス姿を見た途端、動かなくなってしまいました。ど、どうしたのでしょうか…
「あの…レイフ様?」
「兄貴?どうしたの?変なものでも食べたとか?」
ああ…これはラウラの愛らしさにショック状態なのでしょうね。でも仕方ありませんね。こんなに可愛いラウラなのですもの。むしろこれまでの溺愛っぷりを思えば、これも想定内というものです。
「レイフ…様?」
全く反応しないレイフ様に、さすがにラウラも訝しく思ったのでしょう。首をかしげてレイフ様を見上げていますが…ラウラ、その仕草は今はダメよ!レイフ様の理性が崩壊してしちゃうわ!
「きゃぁっ!」
私の心の声は残念ながらラウラには伝わらず、案の定というべきか、レイフ様が突然ラウラをかき抱きました。でも…
「兄さん!ラウラを放せ!ドレスが皺になる!」
「そうですわ!せっかくの髪が崩れてしまいます!」
「崩れた髪と化粧でラウラさんを人前に出す気ですか!」
すかさずベルタさんとユリア先生、ナタリーさんが止めに入りました。そう言う事は式が終わってからにして欲しいです。さすがに三人の女性の剣幕にレイフ様も我に返り、ラウラの拘束を解きましたが…ラウラの髪が乱れてしまい、レイフ様は結婚式当日だというのに、ベルタさんとナタリーさんから懇々とお説教をされる事となりました。ナタリーさんの美にかける執念は相当なものですね。
それでも、レイフ様にエスコートされて会場に向かうラウラは…とっても幸せそうでした。レイフ様の溺愛っぷりを思えばこれも当然ですが…きっと乳母も空の上からラウラの幸せそうな姿を見ていてくれると思いますわ。
こうして、ラウラとレイフ様は無事結婚式を挙げ、番となりました。幸いと言いますか、ラウラは身体が馴染みやすい体質だったらしく、私ほど体調不良に悩まされる事もなく、私が一年かかった変化も半年で終えてしまいました。そこは…物凄く羨ましいです。ただ、その変わりにレイフ様の体力には散々泣かされたようですが…
変化の後、ラウラは直ぐに一人目を妊娠し、最終的には三人の子を産んで、レイフ様のお母様のような肝っ玉母さんになりました。父親を知らず、母一人子一人で寂しく育ったラウラでしたが、自身の夢だった仲のいい賑やかな大家族を手に入れ、最後は孫やひ孫、玄孫にも囲まれて幸せな人生を送るのですが…それはまだずっと後のお話。
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