どうやら私はバッドエンドに辿りつくようです。

夏目

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第三章 嫌われた王子様と呪われた乞食

191 ●クロード

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※クロードとのHシーンあり






 
 巨大な獣にのしかかられてられている。荒い息、男臭いにおい。下半身がやけに熱くて、ぬかるみにはまったように生温かい。それに、信じられないほど心地よかった。
 ぴたりと肌に何かが張り付いている。硬くて、それなのに弾力があった。どくんと疼く音がした。心音だ。

「あ、ぁあっ!」
「ぼおっとして……。いい度胸だな?」
「なっ……」

 首の裏がピリピリと痺れるような低い声。
 夜目がだんだん慣れて、のしかかっている獣の輪郭が露わになる。
 ――クロードだった。彼が、私にのしかかり腰を振っている。――腰?
 途端に、腹部になにかが埋まっていることに気がついた。太くて、長く熱い棒のようなもの。それが潮の満ち引きのように中に押し寄せたり、引いたり、忙しなく行き来している。強い衝撃が走る。シーツを掴まないとやり過ごせないような強烈な快感だった。

「ひっ……や、やだ、やめて……」
「どうした? そんなに締め付けて」

 分厚い唇が首や胸を何度も啄むように口付ける。
 何だこれ。……何なんだ、これ。

「ん。締まりがいいな。気持ちがいい」

 熱っぽい吐息がかかる。
 口から出る声が抑えられない。上擦って、甘い犬みたいな声だ。

「ひぁ、ひぃっ……ぁ、あぁっ」
「今日はえらく……初心な反応だな」

 ぽたりとクロードの汗が落ちてくる。鍛え上げられた体が露わになっていた。首から下げているペンダントだけが動きに合わせてゆらゆら揺れる。

「俺は楽しいがーーおいおい、逃げるな」

 後ずさると中に入っていたものが抜けた。腕でシーツの海をかく。溺れているようだと思いながら、背中を擦りながら移動する。こんと小さな音を立てて壁にあたった。

「あっ……」

 肩を掴まれ、引き摺り戻される。嫌だと何度も首を振る。何で私は裸なのだろう。この行為はなんだろう。この青臭いにおいはどうして私の体からするのだろう。
 ずっと股の間が濡れている。怖くてたまらない。何が起こっているんだ。夢から覚めたと思ったのに、まだ夢の中にいるのだろうか?
 だとしたらとびきりと悪夢だ。

「俺が怖いのか、ディア?」
「ディア……?」
「カルディアだろうが。名前を忘れたのか?」

 抱き締められ、額に口付けられる。じぃんと唇が触れたところが痺れる。ぶるりと震えると、クロードがかすかに笑った。

「久しぶりだからか、異常に感度がいい。まるで生娘みたいな恥じらいも、嫌いじゃないぞ」

 何かが股の間に押し付けられている。熱い、もの。ゆっくりと中に入ってくる。違和感はなかった。ただ、快感が駆け抜けるだけ。
 腰を掴まれ、押し入られる。頭が真っ白になって、何も考えられなくなった。長くて甘い声が漏れていた。

「気をやったのか? 今ので?」
「……きを……なに?」
「いや、いいさ。ほら、喘いでいろ。俺がいくまで付き合えよ?」

 腰を掴まれ、ぐいっと押し込まれる。腹の中を突き破られると思って、必死で逃げようとした。だが、掴まれた腰を力任せに引っ張られて、逃げれない。
 がつがつと何度も出し入れされる。肌と肌とが触れ合って、ぱんぱんと音が鳴る。最奥に届くたびに、頭が何度も白で埋め尽くされた。

「ふあッ、ああっ、ひ、っ!」
「はっ、ははっ」

 クロードは笑って、動物のように何度も喉を鳴らした。
 おかしくなる。
 奥ではちきれそうなほど、入っている何かが膨らんだ。クロードがもたれかかってきて、背中に腕を回す。逃げられないようにのしかかられ、抉られるようにねじ込まれる。
 奥で何かが爆ぜた。中に注ぎ込まれる。どろりとした、何かだ。興奮を抑え込むように、クロードが何度も何度も私の唇に口付けた。
 上唇を舐めて、歯の中に舌が押し入ってくる。中に入っていたものは、弾けて力を失くしていたはずなのに、徐々に形を取り戻しつつあった。
 クロードの体を力なく押す。まるで、抵抗を笑うように小さく笑われた。
 再び動き始めた。また変な声が口から洩れる。もう嫌だと泣き出したい。
 硬くて、反りかえったものがぐりぐりと中を蹂躙するたび、味わったこともない快感が引き出される。頭の中がぐちゃぐちゃになって、戻ってこれないような、激しく押し寄せる痛みにも似た悦びだった。

「はあっ、あぁ、愛している、ディア。カルディア」

 うわごとのように、クロードが私の唇にぴったりとくっつけながら溢した。砂糖菓子よりも甘い、恋人に向ける声だ。
 ――これは夢だ。
 はっきりと分かった。こんなことをクロードが私に向かってするはずがない。あいつは私を嫌悪している。こんな甘い声で愛しているなど口が裂けても言わない。
 強烈な悦楽が、体を襲う。これも、夢に違いない。そう思えば、なんだか急に気が楽になった。これは夢。現実じゃない。
 頭の中に極彩色の美しい花々が咲き誇った。
 この快楽も、頭が勝手に作り上げたもの。大丈夫、大丈夫だ。

「またいったのか?」

 大きな手が私の髪を撫でた。汗ばむ頬に触れられると、じりじりと痺れる。腰の浮いた。
 それを見て、クロードは一瞬驚いたように目を開いて、急ににやついた。

「淫乱。なんで撫でただけで腰が浮くんだ?」

 そういいながら、黙らせるように体を折って奥へと入り込んでくる。ぐりぐりと中を虐められるたびに、また中のものが膨らんでいく。

「はあっ、は、はあっ……はっ」
「死ぬほどいいぞ、はあっ、う、うっ、……は、はあっ、なあ、ディア。俺にはお前だけだ。お前だけだよ……」

 体が熱くて、疼いて、気持ちよくてたまらなかった。獣のような咆哮をあげて、クロードが胴を震わせる。注ぎ込まれたものは温かくて、腹がぱんぱんに膨れるほど大量だった。クロードの体が離れていくと、中にあったものが、垂れていくのが分かる。どうにかしなくてはと思うのに、指一つ動かせない。

「風呂に入るか。なあ、俺が洗ってやろうか?」

 意識がどろどろに溶けていく。やっと、夢から覚める。よかった。やっぱり夢だ。
 体が浮いた。クロードが抱え上げたらしい。重くなっていく目蓋に逆らわずに閉じる。

 ――これが夢だと思っていた。
 目を開けたら、私は離宮にいて、テウの朝食を食べれるのだと。

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