追放された雑用係、実は神々の隠し子でした~無自覚に世界最強で、気づいたら女神と姫と勇者パーティがハーレム化していた件~

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第4話 封印されし力の覚醒

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森の朝は、霧と光が混ざり合うように静かだった。  
鳥の声と木々のざわめき、その隙間を縫うように、レオンとユリィは洞窟を出て歩き出していた。  
前を行くレオンの背中を見つめながら、ユリィが口を開く。  
「ねえ、これからどうするの?」  
「まずは王都には戻れないだろ?お前が追われてるなら、帝国の追手が来る前に安全な場所を探したい。」  
ユリィはうなずいたが、不安は拭えないようだった。  
「安全な場所……そんなところ、この国にあるのかしら。」  
「あるさ。人のいない場所でも、俺たち二人がいれば何とかなる。」  

その時、風が強くなり、木の葉がざわめいた。空気が不穏に震える。  
「……感じるか?」レオンが周囲を見回す。  
「なにか、嫌な気配……」  
彼女の声が終わらぬうちに、漆黒の影が木々の間から飛び出した。  
数十体の魔物。人間の姿をしているが、よく見ると皮膚は黒く爛れ、目は赤く輝いている。  
「……帝国の“魔操兵”か。」  
「魔操兵?」  
「人の死体を魔法で操る兵隊。帝国が闇の魔導士を雇ってるって噂は本当だったか。」  

魔操兵たちは躊躇なく攻撃を仕掛けてきた。  
矢のように飛ぶ闇の槍。レオンは片腕を振り上げ光の障壁を展開する。  
光が瞬き、黒い槍が弾かれ、爆ぜた。  
「ユリィ、下がっていろ!」  
彼女を背にかばいながら、レオンは前に出た。  
魔操兵が次々と襲いかかるが、レオンの動きはすでに人間のそれではなかった。  

片手で空を切ると、雷が落ちる。  
地面が割れ、土煙が上がり、十体が一瞬で消し炭になる。  
さらにもう一手。彼が足を踏みしめると、大地が光り、無数の剣が地から突き上がった。  
残った魔操兵たちが悲鳴を上げ、崩れ落ちる。  

だがその直後、森の奥から不気味な笑い声が響いた。  
「ふふ……なるほど。神の血を継ぐ者とは、貴様か。」  
姿を現したのは、黒い外套をまとった青年。銀髪に冷たい瞳。  
「誰だ?」  
「帝国魔導師団・副団長、ゼルカ。貴様を捕獲するのが、我々の任務だ。」  

彼の背後に六つの魔法陣が展開された。  
紫の炎、氷の刃、雷の槍、風の刃、次元の槍、そして死霊の霧。  
「全属性魔法……だと?」レオンが目を細める。  
「驚いたか?我は神々の力を模して造られた者。貴様と同じ“逸脱者”だ。」  
「模した力じゃ、本物には勝てないと思うが。」  
「それを今から証明してやろう。」  

ゼルカの六陣が同時に輝き、無数の光が森を覆った。  
炎が舞い、雷が走り、氷が大地を凍らせる。  
レオンはユリィを抱えて後方へ跳ぶ。直後、爆音が森を揺らした。  

土煙の中から現れたレオンの目には、怒りではなく冷たい決意が宿っていた。  
「もう遠慮はしない。」  
両手を広げると、紋章が黄金に輝く。光が弾け、背から巨大な光の翼が広がった。  

「な……神性解放だと!?」  
ゼルカの動揺が走る間もなく、レオンが一歩踏み出す。  
その瞬間、空間の色が変わった。  
すべての魔力が吸い込まれ、音が消える。まるで世界そのものが停止したかのようだった。  

「封印を解く……!」  
レオンの胸が光り輝き、光が走った。眠っていた力が奔流のように溢れ出す。  

雷と炎、氷と光が同時に彼の中で渦を巻き、爆発的な波動を生み出す。  
空を裂くような轟音が響き、ゼルカが防御の魔法陣を展開するが、その全てが一瞬で崩壊した。  

「ば、馬鹿な……人間の器で、神力を制御しているだと!?」  
「俺は人でも神でもない。ただ、“俺”として生きるだけだ。」  

レオンが指を向けると、黄金の閃光が放たれた。  
それは直線的な光の奔流であり、空気を焦がすようにゼルカを包み込んだ。  

轟音と共に、数百メートル先の森が焼け、風が吹き荒れる。  
地面が揺れ、熱波が吹き抜けてくる。  

煙の中、ゼルカの外套が焦げ、片膝をついた。  
「こ……れが……神の血か……く、くくっ……」  
彼は笑った。  
「お前は知らぬ。この力は世界を分ける。神の力は均衡を破壊する……やがて、神々すらお前を恐れるだろう。」  
「俺を恐れるなら、それでいい。俺は力を、誰かを守るためだけに使う。お前たちの道具にはならない。」  

ゼルカは血の混じる笑みを浮かべ、影と共に消えた。  
空に残るのは、黒煙と焦げた匂い。  

ユリィが駆け寄る。  
「レオン、大丈夫!?あの光……すごかった……」  
彼は少しふらつきながら笑った。  
「平気だ。まだ手加減したほうだ。」  
「本当に……あなたの力、どこまでが本気なの?」  
「さぁな。今ので封印が一枚破れた程度みたいだ。」  
彼の掌に浮かぶ紋章が、再び静かな光を放つ。  

「でも、これで帝国に“俺たちの存在”がバレた。これからは間違いなく動いてくる。」  
ユリィは目を伏せて頷く。  
「あなたを狙う者……きっとこれから増える。」  
「構わないさ。来るなら来い。今度は逃げない。」  

レオンは空を見上げた。  
雲間から一筋の光が差し込む。それはまるで、彼の覚醒を祝福するかのように優しく輝いていた。  

その光の中で、彼の背中にうっすらと金色の羽が揺れる。  
レオン自身は気づかないまま、その存在は確かに“神の片鱗”を示していた。  

森に静けさが戻る。だが、すでに帝国の遠征軍は動き始めていた。  
追われる者、覚醒する者、そして世界の運命を変える者。  

レオンの物語は、まだ始まったばかりだった。  

(続く)
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