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22.ストロベリー侯爵は、彼女を救いたい。②
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「ついてきてくれ」
イシドール様に促されて、ラヴィーナさんは小さく頷いた。
私は何も言わずに、そのあとを静かについていく。
廊下を曲がり、階段を降り、重い空気がじわじわと肌に貼りついてくる。
ラヴィーナさんは、途中で不安げに私を振り返った。
「地下……? 昨日、どこからか声が聞こえたような気がしていて……シャロットは気づかず眠っていたけれど」
気になりますよね。昨日は大した声じゃなかったし、私たちはもう慣れてしまっているけれど。
「大丈夫です。怖くありません」
私はそう告げ、頷いて見せた。
大きな叫び声が響くことは、もうほとんどなくなっている。
家礼のエミリオが、日に何度も足を運んでは水を替え、食事を与え、まるで祈るようにあの人に語りかけているから。
その献身が届いているのかもしれない。
地下室の前まで来たところで、イシドール様が無言で鍵を取り出し、扉を開ける。
あの、重い音が響く。
ぎぃ……。
そして、そこにいたのは──
「……クラリーチェ?」
ラヴィーナさんの声が、震えた。
部屋の奥、薄暗い光の中で、ベッドに座る女性がいた。
くすんだ煉瓦色の髪がぼさぼさに乱れ、目はうつろで、でもかすかにこちらを見つめてる。
「嘘……クラリーチェなの? ……どうして……っ」
ラヴィーナさんは、まるで時間が止まったかのように立ち尽くしてた。
イシドール様は黙ってラヴィーナさんを見つめ、それからゆっくりと口を開く。
「……彼女は、ラヴィーナの駆け落ちを手助けしただろう。それが家に知られて……追放されたんだ」
ラヴィーナさんの肩が、びくりと震える。
「……っ」
声にならない息が、喉の奥で詰まったように。美しい顔が苦しい表情に変わる。
「行く当てのない彼女を、俺の屋敷で引き取った。屋敷の手伝いをさせながら、静かに暮らさせるつもりだった。彼女はシャロットを可愛がってくれて……シャルも懐いていた」
イシドール様は、そこで少し言い淀んでから、視線をラヴィーナさんから外し、遠くを見るように言葉を継いだ。
「だが──“ラヴィーナは死んだ”と、俺はシャロットを守るために嘘をついていた。それを彼女は、本気で信じてしまったんだ」
ラヴィーナさんが、顔を上げる。
瞳は揺れていて、でも必死に真実を受け止めようとしていた。
「……そんな……」
「彼女は……自分のせいで君が死んだと、そう思い込んだ。どれだけ説明しても、耳を貸さなかった」
イシドール様の声は低く、沈んでいた。
「自分を責め続けて……やがて、心が壊れた。外の光を怖がるようになり、無理に外へ出ようとすれば、自分を傷つけようとする。だから、地下で静かに過ごしてもらっていた。ここなら、誰も彼女を責めない。誰も、彼女を脅かさないから」
ゆっくりと語られる言葉のひとつひとつが、重たく、切なかった。
ラヴィーナさんはそれを、まっすぐ受け止めていた。苦しそうに、震えるほどに。
「……クラリーチェ……!!」
悲鳴のような声とともに、ラヴィーナさんはその場に崩れ落ちた。
膝が床につき、かすれた息が漏れる。
「私、そんな……何も……知らなくて……!」
震える手が胸元を掴み、指が白くなる。
その瞳は涙でいっぱいになって、今にも零れそう。
私は一歩近づこうとして──でも、踏みとどまった。
今は、私の言葉に出番なんかない。
ラヴィーナさんとクラリーチェさん。二人の時間なんだって、胸の奥でちゃんとわかってた。
「ごめんなさい……駆け落ちを手伝うと言ってくれたあなたの優しさに漬け込んで……巻き込んでしまった……なのに私は何も知らずに、何も、何も……っ!!」
こらえきれなかった涙が、ぽろぽろとこぼれ落ちていく。
ラヴィーナさんはよろめきながら、ベッドのそばに膝をつき、クラリーチェにそっと手を伸ばした。
「クラリーチェ……私よ。ラヴィーナ。ねえ……あなたの、ラヴィーナよ」
震える声で、何度も、何度も呼びかける。
だが、クラリーチェの瞳はただ虚空を見つめ、どこにも焦点を結ばない。
「見て……お願い……私を見て。私、生きてるの。ここにいるのよ……」
ラヴィーナさんは、その手をそっと両手で包み、祈るように顔を近づけた。
吐息のかかるほどの距離で、ふるえる唇が、もう一度名前を呼ぶ。
「……クラリーチェ……クラ……。ねえ……あの頃みたいに、呼んでもいい?」
かすかに、優しく囁くように。
「……リーチェ」
その名を耳にしたときだった。
クラリーチェのまなざしが、ほんのわずかに動いた。
わずかに、わずかに瞬きする。
ラヴィーナさんは気づき、息を呑んだ。
「リーチェ……私よ、ラヴィよ……あなたがいつも、そう呼んでくれたでしょう? 庭で隠れんぼしたときも、お菓子を分け合った時のことも……全部、覚えてる……!」
かすれるような吐息とともに、クラリーチェの唇が、ほんの少し動いた。
「……ら……ヴィ……?」
かすれた声だった。
でも、たしかに──たしかに、ラヴィーナさんの名前だった。
「そうよ! 私よ、リーチェ……! 私、生きてるの! 本当に、生きてるのよ……!」
クラリーチェの目に、涙が浮かびはじめる。
その一滴が頬をつたって、ぽろりとこぼれた。
「……ら、ヴィ……死、ン……」
「嘘よ……全部、私のせい。私の娘を守るための嘘だったの……あなたを巻き込んで……こんな目にあわせてしまったのは、私のせい……!」
涙を流しながら、ラヴィーナさんはクラリーチェを抱きしめる。
壊れものに触れるように、でも強く、抱きしめて。
「ごめんね……ごめんね、リーチェ……!」
「……ラ、ゔぃ……ラヴィ……?」
「そう、ラヴィよ! 生きてるの! 本物なの……!」
「……ラ……あ、あ、あ、あぁぁぁぁああああああ!!」
クラリーチェさんの声は、夜中に聞こえるようなゾッとした声じゃなかった。
人の血が通った、人の心を取り戻した、そんな泣き声。
二人は抱き合って、ずっと泣き続けた。
時が止まったかのような、静かな地下の部屋で──ただ、二人の涙の音だけが、微かに響いていた。
イシドール様に促されて、ラヴィーナさんは小さく頷いた。
私は何も言わずに、そのあとを静かについていく。
廊下を曲がり、階段を降り、重い空気がじわじわと肌に貼りついてくる。
ラヴィーナさんは、途中で不安げに私を振り返った。
「地下……? 昨日、どこからか声が聞こえたような気がしていて……シャロットは気づかず眠っていたけれど」
気になりますよね。昨日は大した声じゃなかったし、私たちはもう慣れてしまっているけれど。
「大丈夫です。怖くありません」
私はそう告げ、頷いて見せた。
大きな叫び声が響くことは、もうほとんどなくなっている。
家礼のエミリオが、日に何度も足を運んでは水を替え、食事を与え、まるで祈るようにあの人に語りかけているから。
その献身が届いているのかもしれない。
地下室の前まで来たところで、イシドール様が無言で鍵を取り出し、扉を開ける。
あの、重い音が響く。
ぎぃ……。
そして、そこにいたのは──
「……クラリーチェ?」
ラヴィーナさんの声が、震えた。
部屋の奥、薄暗い光の中で、ベッドに座る女性がいた。
くすんだ煉瓦色の髪がぼさぼさに乱れ、目はうつろで、でもかすかにこちらを見つめてる。
「嘘……クラリーチェなの? ……どうして……っ」
ラヴィーナさんは、まるで時間が止まったかのように立ち尽くしてた。
イシドール様は黙ってラヴィーナさんを見つめ、それからゆっくりと口を開く。
「……彼女は、ラヴィーナの駆け落ちを手助けしただろう。それが家に知られて……追放されたんだ」
ラヴィーナさんの肩が、びくりと震える。
「……っ」
声にならない息が、喉の奥で詰まったように。美しい顔が苦しい表情に変わる。
「行く当てのない彼女を、俺の屋敷で引き取った。屋敷の手伝いをさせながら、静かに暮らさせるつもりだった。彼女はシャロットを可愛がってくれて……シャルも懐いていた」
イシドール様は、そこで少し言い淀んでから、視線をラヴィーナさんから外し、遠くを見るように言葉を継いだ。
「だが──“ラヴィーナは死んだ”と、俺はシャロットを守るために嘘をついていた。それを彼女は、本気で信じてしまったんだ」
ラヴィーナさんが、顔を上げる。
瞳は揺れていて、でも必死に真実を受け止めようとしていた。
「……そんな……」
「彼女は……自分のせいで君が死んだと、そう思い込んだ。どれだけ説明しても、耳を貸さなかった」
イシドール様の声は低く、沈んでいた。
「自分を責め続けて……やがて、心が壊れた。外の光を怖がるようになり、無理に外へ出ようとすれば、自分を傷つけようとする。だから、地下で静かに過ごしてもらっていた。ここなら、誰も彼女を責めない。誰も、彼女を脅かさないから」
ゆっくりと語られる言葉のひとつひとつが、重たく、切なかった。
ラヴィーナさんはそれを、まっすぐ受け止めていた。苦しそうに、震えるほどに。
「……クラリーチェ……!!」
悲鳴のような声とともに、ラヴィーナさんはその場に崩れ落ちた。
膝が床につき、かすれた息が漏れる。
「私、そんな……何も……知らなくて……!」
震える手が胸元を掴み、指が白くなる。
その瞳は涙でいっぱいになって、今にも零れそう。
私は一歩近づこうとして──でも、踏みとどまった。
今は、私の言葉に出番なんかない。
ラヴィーナさんとクラリーチェさん。二人の時間なんだって、胸の奥でちゃんとわかってた。
「ごめんなさい……駆け落ちを手伝うと言ってくれたあなたの優しさに漬け込んで……巻き込んでしまった……なのに私は何も知らずに、何も、何も……っ!!」
こらえきれなかった涙が、ぽろぽろとこぼれ落ちていく。
ラヴィーナさんはよろめきながら、ベッドのそばに膝をつき、クラリーチェにそっと手を伸ばした。
「クラリーチェ……私よ。ラヴィーナ。ねえ……あなたの、ラヴィーナよ」
震える声で、何度も、何度も呼びかける。
だが、クラリーチェの瞳はただ虚空を見つめ、どこにも焦点を結ばない。
「見て……お願い……私を見て。私、生きてるの。ここにいるのよ……」
ラヴィーナさんは、その手をそっと両手で包み、祈るように顔を近づけた。
吐息のかかるほどの距離で、ふるえる唇が、もう一度名前を呼ぶ。
「……クラリーチェ……クラ……。ねえ……あの頃みたいに、呼んでもいい?」
かすかに、優しく囁くように。
「……リーチェ」
その名を耳にしたときだった。
クラリーチェのまなざしが、ほんのわずかに動いた。
わずかに、わずかに瞬きする。
ラヴィーナさんは気づき、息を呑んだ。
「リーチェ……私よ、ラヴィよ……あなたがいつも、そう呼んでくれたでしょう? 庭で隠れんぼしたときも、お菓子を分け合った時のことも……全部、覚えてる……!」
かすれるような吐息とともに、クラリーチェの唇が、ほんの少し動いた。
「……ら……ヴィ……?」
かすれた声だった。
でも、たしかに──たしかに、ラヴィーナさんの名前だった。
「そうよ! 私よ、リーチェ……! 私、生きてるの! 本当に、生きてるのよ……!」
クラリーチェの目に、涙が浮かびはじめる。
その一滴が頬をつたって、ぽろりとこぼれた。
「……ら、ヴィ……死、ン……」
「嘘よ……全部、私のせい。私の娘を守るための嘘だったの……あなたを巻き込んで……こんな目にあわせてしまったのは、私のせい……!」
涙を流しながら、ラヴィーナさんはクラリーチェを抱きしめる。
壊れものに触れるように、でも強く、抱きしめて。
「ごめんね……ごめんね、リーチェ……!」
「……ラ、ゔぃ……ラヴィ……?」
「そう、ラヴィよ! 生きてるの! 本物なの……!」
「……ラ……あ、あ、あ、あぁぁぁぁああああああ!!」
クラリーチェさんの声は、夜中に聞こえるようなゾッとした声じゃなかった。
人の血が通った、人の心を取り戻した、そんな泣き声。
二人は抱き合って、ずっと泣き続けた。
時が止まったかのような、静かな地下の部屋で──ただ、二人の涙の音だけが、微かに響いていた。
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