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第二章 君を守るために僕は夢を見る
九話 爆裂! ザ・ノブナガマン!?(3)
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織田軍の諸将は、可近(信長のコスプレ中)から撤退だと聞かされて仰天するが、すぐに整然と撤退を始める。
金森可近が殿に残るような、異常事態である。
逃げるしかない。
森可成「先に行くぞ、なるべく生き残れよ、木下組」
森可成は、信長の退路に待ち伏せがいる場合に備えて、追い付く事を優先させる。
柴田勝家「これ、やる。使い尽くせ」
柴田勝家は、鉄砲と矢弾の半分以上を、木下組に置いていった。秀吉たちが戦死すると思っているので、いつもより優しく会釈して別れた。
丹羽長秀「すまぬ、孫犬丸様を京都に届ける任務がある故、手勢は裂かぬぞ」
馴染みの武将も仕方なく先行するが、別の動きも起きた。
池田勝正「池田隊も、木下隊と殿を務めよう。二つの隊で交互に最後尾を守りあった方が、逃げ易いぞ」
池田勝正が率いている兵力は三千なので、木下秀吉は土下座して感謝を並べ立てる。
可近(信長のコスプレ中)は、彼が松永秀久と仲が悪い事を知っているので、逆張りしたのだろうと察したが顔には出さずに済ませる。
秀吉が大喜びする援軍もあれば、可近が喜ばない援軍も残った。
可近(信長のコスプレ中)の立ち振る舞いを、明智光秀が嬉しそうにガン見している。
「先輩…最高です…先輩のやる織田様のコスプレ、最高です」
「とっとと行け!」
「いやです。行きません。先輩を見守る為に、殿に参加します」
可近(信長のコスプレ中)は信長のようにキレて、明智光秀の尻を蹴り飛ばす。
それでも明智光秀は、殿に加わった。兵数は少ないが、伏兵の役目を任せる。
最後に、徳川家康の軍勢が、食料も装備も一切捨てずに撤退を開始する。
(吝だなあ、こんな時でも。移動速度が遅くなるのに。一周回って、凄いかも)
そんな感想を抱かれているとは知らず、徳川家康は可近(信長のコスプレ中)に別れの挨拶をしに寄る。
「金森殿。ご武運を」
「自分が討ち死にしたら、妻子が三河に行くと思う。その時は、頼みます」
「…承知しました」
「ついでに、弟子の長屋喜藏も、面倒を頼みます」
ここで可近は、弟子を家康と顔合わせさせる。
「ご子息ですか?」
「弟子です」
「…隠し子?」
「嘆かわしい! 徳川様が、『あの』松永弾正と同じ事を言うなんて、信じられない」
「福も、そう疑っておりましたが?」
ほぼ全員が、長屋喜藏は可近の隠し子だと、疑っている。
『あの』松永弾正の邪説としてイメージの転覆を図ろうとしても、無駄だった。
しかも長屋喜藏は、徳川軍に付いて行かず、可近と一緒にいると言い張る。
「初陣が殿になるのは、武田信玄と同じで超レアです。残って体験します」
強がりではなく、本気である。
長屋喜藏が目指すのは、護られる存在ではないし、逃げ上手でもない。
師匠に足りない攻めの部分を担う武将を、弟子は志している。
「もう行ってくれ、竹ちゃん」
貴重な時間を費やしてしまうので、可近(信長のコスプレ中)は弟子を預けるのを諦めて、とっとと家康を出発させる。
「承知しました」
徳川軍も撤退し、最後に木下・池田・明智の殿軍が残された。
指揮官役は、一応は金森可近(信長のコスプレ中)。
結構ノリノリで、信長のふりを見せつけながら、金ヶ崎城を出発する。
そのタイミングで、堀久太郎も合流する。
「金森殿! 某も、参陣します」
「で、あるか」
金森可近(信長のコスプレ中)は、乗り心地抜群の馬を駆り、殿軍の中でも目立つように振る舞う。
側に堀久太郎や長屋喜藏が常に付いて回るので、遠目には小姓を侍らせた織田信長に見えるだろう。
「アレに騙されてくれると…何が起こるの?」
早歩きで進みながら、秀吉は竹中半兵衛に質問する。
「木下組への、追撃が苛烈になるのだ」
馬上の竹中半兵衛が、貧相な老馬よりも蒼白な顔をしているので、秀吉が小声で尋ねる。
「コスプレ中の金森が、殿として討たれた場合は?」
「味方は総崩れになるのだ。周辺の落ち武者狩りも群がって来るので、生還率が下がるのだ」
「うん、理解した」
秀吉は、さっさと金森可近(信長のコスプレ中)に戦死してもらう案を、脳内でゴミ箱に捨てる。
金ヶ崎城(福井県敦賀市)から京都まで、徒歩で約二十四里(約95キロメートル)
馬で疾走する信長なら、確実に数時間で京都に到着する。
問題は、残された兵力の、移動速度になる。
徒歩では歩き通しでも、丸一日かかる。
小休止を取りながらだと、どうしても二日。
隊列と物資を維持しながらだと、三日。
この間、朝倉・浅井連合軍が背後から追撃してくるのを防げば、織田軍は兵力の九割を保存出来る。
殿軍が抜かれて背後からの追撃を許した場合は、織田軍は大きく兵力を損ない、京都を中心とした覇権は、再び他の大名が掌握するだろう。
「三日間、交代して戦いながら、京都に着くスケジュールなのだ。そうすれば来月には、何事も無かったかのように、浅井征伐に行けるのだ」
竹中半兵衛は、あくまで軍勢を維持したまま、京都まで帰る方針を伝える。
長屋喜藏は、味方が逃げるには一日か二日、時間を稼げばいいと思っていたので驚く。
驚く顔が視界に入ったのか、竹中半兵衛が説明を追加する。
「朝倉・浅井にとっては、織田の兵力を大幅に削れる好機なのだ。好機を逃さない為に、殿軍を遮二無二抜こうとします。抜けないなら、せめて殿軍だけでも壊滅させようとします。そうしないと、両家は念入りに復讐されますので」
長屋喜藏は、見積もりよりも遥かに危険度の高い殿軍になると、ようやく理解する。
時間稼ぎというより、波状攻撃を掛けてくる二万の軍勢を相手に、三日間戦う荒業である。
「だから徳川様と一緒に行けと言ったではないか」
可近(信長のコスプレ中)が、接近する朝倉・浅井軍に鉄砲を放つ十秒前に、喜藏を揶揄う。
「お先に」
師匠よりも早く射撃を開始する。
弾は外れずに、先頭の武者の顔面を砕く。
初めて撃った相手が倒れるのを見届ける暇などなく、金森師弟の周囲に敵兵が殺到しようとする。
追撃軍を半包囲して鉄砲や弓矢で狙撃し易い場所で迎撃したのに、相手は怯まずに押し寄せて来る。
明智軍が敵軍を横から突いて攪乱してくれるまで、木下&金森隊は、乱戦に巻き込まれていきなり疲弊した。
長屋喜藏は、三人斬った後は、数えるのをやめた。
敵が一旦引いて、池田軍が第二迎撃地点を設置した場所まで駆け込んだ時、味方の数は三割減っていた。
「これを三日も?」
愕然とする喜藏に、可近(信長のコスプレ中)は更に駆けるよう、急かす。
「休むのは、第三迎撃地点まで走ってからだで! 走れ! 寝るな!」
師匠に怒鳴られて(軽く)蹴られるまで、喜藏は馬上で寝落ちしかけていた事に、気付かなかった。
金森可近が殿に残るような、異常事態である。
逃げるしかない。
森可成「先に行くぞ、なるべく生き残れよ、木下組」
森可成は、信長の退路に待ち伏せがいる場合に備えて、追い付く事を優先させる。
柴田勝家「これ、やる。使い尽くせ」
柴田勝家は、鉄砲と矢弾の半分以上を、木下組に置いていった。秀吉たちが戦死すると思っているので、いつもより優しく会釈して別れた。
丹羽長秀「すまぬ、孫犬丸様を京都に届ける任務がある故、手勢は裂かぬぞ」
馴染みの武将も仕方なく先行するが、別の動きも起きた。
池田勝正「池田隊も、木下隊と殿を務めよう。二つの隊で交互に最後尾を守りあった方が、逃げ易いぞ」
池田勝正が率いている兵力は三千なので、木下秀吉は土下座して感謝を並べ立てる。
可近(信長のコスプレ中)は、彼が松永秀久と仲が悪い事を知っているので、逆張りしたのだろうと察したが顔には出さずに済ませる。
秀吉が大喜びする援軍もあれば、可近が喜ばない援軍も残った。
可近(信長のコスプレ中)の立ち振る舞いを、明智光秀が嬉しそうにガン見している。
「先輩…最高です…先輩のやる織田様のコスプレ、最高です」
「とっとと行け!」
「いやです。行きません。先輩を見守る為に、殿に参加します」
可近(信長のコスプレ中)は信長のようにキレて、明智光秀の尻を蹴り飛ばす。
それでも明智光秀は、殿に加わった。兵数は少ないが、伏兵の役目を任せる。
最後に、徳川家康の軍勢が、食料も装備も一切捨てずに撤退を開始する。
(吝だなあ、こんな時でも。移動速度が遅くなるのに。一周回って、凄いかも)
そんな感想を抱かれているとは知らず、徳川家康は可近(信長のコスプレ中)に別れの挨拶をしに寄る。
「金森殿。ご武運を」
「自分が討ち死にしたら、妻子が三河に行くと思う。その時は、頼みます」
「…承知しました」
「ついでに、弟子の長屋喜藏も、面倒を頼みます」
ここで可近は、弟子を家康と顔合わせさせる。
「ご子息ですか?」
「弟子です」
「…隠し子?」
「嘆かわしい! 徳川様が、『あの』松永弾正と同じ事を言うなんて、信じられない」
「福も、そう疑っておりましたが?」
ほぼ全員が、長屋喜藏は可近の隠し子だと、疑っている。
『あの』松永弾正の邪説としてイメージの転覆を図ろうとしても、無駄だった。
しかも長屋喜藏は、徳川軍に付いて行かず、可近と一緒にいると言い張る。
「初陣が殿になるのは、武田信玄と同じで超レアです。残って体験します」
強がりではなく、本気である。
長屋喜藏が目指すのは、護られる存在ではないし、逃げ上手でもない。
師匠に足りない攻めの部分を担う武将を、弟子は志している。
「もう行ってくれ、竹ちゃん」
貴重な時間を費やしてしまうので、可近(信長のコスプレ中)は弟子を預けるのを諦めて、とっとと家康を出発させる。
「承知しました」
徳川軍も撤退し、最後に木下・池田・明智の殿軍が残された。
指揮官役は、一応は金森可近(信長のコスプレ中)。
結構ノリノリで、信長のふりを見せつけながら、金ヶ崎城を出発する。
そのタイミングで、堀久太郎も合流する。
「金森殿! 某も、参陣します」
「で、あるか」
金森可近(信長のコスプレ中)は、乗り心地抜群の馬を駆り、殿軍の中でも目立つように振る舞う。
側に堀久太郎や長屋喜藏が常に付いて回るので、遠目には小姓を侍らせた織田信長に見えるだろう。
「アレに騙されてくれると…何が起こるの?」
早歩きで進みながら、秀吉は竹中半兵衛に質問する。
「木下組への、追撃が苛烈になるのだ」
馬上の竹中半兵衛が、貧相な老馬よりも蒼白な顔をしているので、秀吉が小声で尋ねる。
「コスプレ中の金森が、殿として討たれた場合は?」
「味方は総崩れになるのだ。周辺の落ち武者狩りも群がって来るので、生還率が下がるのだ」
「うん、理解した」
秀吉は、さっさと金森可近(信長のコスプレ中)に戦死してもらう案を、脳内でゴミ箱に捨てる。
金ヶ崎城(福井県敦賀市)から京都まで、徒歩で約二十四里(約95キロメートル)
馬で疾走する信長なら、確実に数時間で京都に到着する。
問題は、残された兵力の、移動速度になる。
徒歩では歩き通しでも、丸一日かかる。
小休止を取りながらだと、どうしても二日。
隊列と物資を維持しながらだと、三日。
この間、朝倉・浅井連合軍が背後から追撃してくるのを防げば、織田軍は兵力の九割を保存出来る。
殿軍が抜かれて背後からの追撃を許した場合は、織田軍は大きく兵力を損ない、京都を中心とした覇権は、再び他の大名が掌握するだろう。
「三日間、交代して戦いながら、京都に着くスケジュールなのだ。そうすれば来月には、何事も無かったかのように、浅井征伐に行けるのだ」
竹中半兵衛は、あくまで軍勢を維持したまま、京都まで帰る方針を伝える。
長屋喜藏は、味方が逃げるには一日か二日、時間を稼げばいいと思っていたので驚く。
驚く顔が視界に入ったのか、竹中半兵衛が説明を追加する。
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長屋喜藏は、見積もりよりも遥かに危険度の高い殿軍になると、ようやく理解する。
時間稼ぎというより、波状攻撃を掛けてくる二万の軍勢を相手に、三日間戦う荒業である。
「だから徳川様と一緒に行けと言ったではないか」
可近(信長のコスプレ中)が、接近する朝倉・浅井軍に鉄砲を放つ十秒前に、喜藏を揶揄う。
「お先に」
師匠よりも早く射撃を開始する。
弾は外れずに、先頭の武者の顔面を砕く。
初めて撃った相手が倒れるのを見届ける暇などなく、金森師弟の周囲に敵兵が殺到しようとする。
追撃軍を半包囲して鉄砲や弓矢で狙撃し易い場所で迎撃したのに、相手は怯まずに押し寄せて来る。
明智軍が敵軍を横から突いて攪乱してくれるまで、木下&金森隊は、乱戦に巻き込まれていきなり疲弊した。
長屋喜藏は、三人斬った後は、数えるのをやめた。
敵が一旦引いて、池田軍が第二迎撃地点を設置した場所まで駆け込んだ時、味方の数は三割減っていた。
「これを三日も?」
愕然とする喜藏に、可近(信長のコスプレ中)は更に駆けるよう、急かす。
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この物語はフィクションです。登場人物、団体等実際に同じであっても一切関係ありません。
それでは、小説「黄昏夫婦」をお楽しみ下さい。
読者の皆様の何かにお役に立てれば幸いです。
作家 蔵屋日唱
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