38 / 90
第38話 クリア報酬でバハムートが使い魔になる
しおりを挟む
「ううっ……」
倒れたバハムートは目を覚ます。最初の時のような少女の姿形をしている。先ほどのような巨大な竜の姿は威圧感がある為、現状の姿の方がソルとしても好ましかった。
「わ、我は負けたのか……」
バハムートは敗北を受け入れられていないようであった。
「ま、まさか我が負けるとはな。それも一人きりを相手に」
バハムートは立ち上がった。
「だが認めなければならぬな。ソルよ。貴様がこのダンジョン『ゲヘナ』を最初に制覇した。その偉業を我が認めよう」
バハムートは微笑んだ。
「ありがとうございます、バハムート様。それで、俺はこのダンジョンから出られるんですよね? 外の世界に」
「うむ。そうだな。出られる。後でちゃんと転移魔法(テレポーテーション)で外に出してやる。我にはその権限が与えられているのである」
バハムートは胸を張った。
「だが、その前にクリア報酬の話だ」
「クリア報酬ですか」
とはいえ、ソルはバハムートを倒した事で膨大なSPを手に入れた。その獲得SPは実に『10000』である。これだけのSPがあればステータスをカンスト近くまで上げる事もできるし、スキルも半ば取り放題になった。
ソルにとっては十分すぎる報酬と言えた。だが、貰えるというのならば貰っておいた方がいい。
「ちなみにそのクリア報酬って言うのは何ですか?」
「うむ! 聞いて驚くが良い! このダンジョンのクリア報酬は大変豪華なものである!」
「豪華なものですか……」
それは装備なのか……あるいは金銀財宝なのか。何なのかはわからないが、バハムートがそうまで言うのだから期待感を持てた。
「聞いて驚け! クリア報酬はなんと!」
「なんと?」
「貴様に頼もしい使い魔が手に入るのだ!」
「頼もしい使い魔ですか! どんな使い魔なのです!?」
使い魔――ソルは基本的にソロプレイで闘ってきた。仲間は愚か、使い魔の一匹もいなかったのである。
「見てわからないのか? 今、貴様の目の前にいるであろう!」
「もしかして、バハムート様が俺の使い魔になるんですか!?」
ソルは驚いた。
「うむ! そうだ! このダンジョン『ゲヘナ』の報酬は我、自身である! どうだ!? 嬉しいであろう!」
バハムートは胸を張った。
ソルの目の前に選択肢が現れる。
『バハムートを使い魔にしますか? YES/NO』
ここに来て、バハムートを使い魔にしないという選択肢はあるのか? ソルは考えた。
「まさかソルよ。いや、我が主人(マスター)よ! ここで我を使い魔にしないなんて選択肢はないだろう? 我はこのダンジョンにずっと引きこもっていて退屈だったのだ!」
バハムートはソルに泣きついてきた。
「我とて引きこもりは嫌であった! だがそれが責務だったから仕方なかったのだ! ソルよ! そなたが我の主人(マスター)になって外の世界を見せてくれるのだろう! 我はもっと外の世界を見たいのだ! 色々なものを見て回りたい、そなたが我を連れ出してくれるのではないのか!」
その泣きついてくるバハムートの顔はとても竜王と呼べるようなものではなかった。尊厳がなくなっている。まるで子供が駄々をこねているかのようだ。
「我は役に立つぞ! 空も飛べるし! 移動も便利だ! それに戦闘でも役に立つ! どんな強敵が現れても存分に闘ってみせよう! それにそなたがどれほど好色であったとしても、必ずや満足させてみせようではないか! 我はこう見えても脱げば凄いのだぞっ!」
バハムートは色々と主張してくる。
「うっ……」
可哀想だ。ここに来て使い魔にしないという選択肢はないだろう。ソルは大人しく『YES』の選択肢を選んだ。
『竜王バハムートが使い魔になりました』
ソルの目の前に表示がされる。ソルとバハムートには魔術契約が施され、主人(マスター)と使い魔の関係になったのだ。
「ふう……」
バハムートはほっと一息、胸を撫で下ろしていた。
「それではこれから頼んだぞ。我が主人(マスター)よ。我の名は竜王バハムートである」
こうしてバハムートがソルの使い魔になった。これで一応はクリア報酬をもらった事になる。
「それじゃバハムート様」
「様はいらぬ。呼び捨てでよい。我はもう主人(マスター)の使い魔なのだからな」
「じゃあ、バハムート。外に出してもらえるか?」
ソルはバハムートに最初の指示を出した。
「うむ。わかったぞ。主人(マスター)。転移魔法(テレポーテーション)」
ソルとバハムートを魔法の力が包み込む。
そして二人は外の世界へと転移したのである。
長かった『ゲヘナ』での闘いに終止符が打たれたのだ。
倒れたバハムートは目を覚ます。最初の時のような少女の姿形をしている。先ほどのような巨大な竜の姿は威圧感がある為、現状の姿の方がソルとしても好ましかった。
「わ、我は負けたのか……」
バハムートは敗北を受け入れられていないようであった。
「ま、まさか我が負けるとはな。それも一人きりを相手に」
バハムートは立ち上がった。
「だが認めなければならぬな。ソルよ。貴様がこのダンジョン『ゲヘナ』を最初に制覇した。その偉業を我が認めよう」
バハムートは微笑んだ。
「ありがとうございます、バハムート様。それで、俺はこのダンジョンから出られるんですよね? 外の世界に」
「うむ。そうだな。出られる。後でちゃんと転移魔法(テレポーテーション)で外に出してやる。我にはその権限が与えられているのである」
バハムートは胸を張った。
「だが、その前にクリア報酬の話だ」
「クリア報酬ですか」
とはいえ、ソルはバハムートを倒した事で膨大なSPを手に入れた。その獲得SPは実に『10000』である。これだけのSPがあればステータスをカンスト近くまで上げる事もできるし、スキルも半ば取り放題になった。
ソルにとっては十分すぎる報酬と言えた。だが、貰えるというのならば貰っておいた方がいい。
「ちなみにそのクリア報酬って言うのは何ですか?」
「うむ! 聞いて驚くが良い! このダンジョンのクリア報酬は大変豪華なものである!」
「豪華なものですか……」
それは装備なのか……あるいは金銀財宝なのか。何なのかはわからないが、バハムートがそうまで言うのだから期待感を持てた。
「聞いて驚け! クリア報酬はなんと!」
「なんと?」
「貴様に頼もしい使い魔が手に入るのだ!」
「頼もしい使い魔ですか! どんな使い魔なのです!?」
使い魔――ソルは基本的にソロプレイで闘ってきた。仲間は愚か、使い魔の一匹もいなかったのである。
「見てわからないのか? 今、貴様の目の前にいるであろう!」
「もしかして、バハムート様が俺の使い魔になるんですか!?」
ソルは驚いた。
「うむ! そうだ! このダンジョン『ゲヘナ』の報酬は我、自身である! どうだ!? 嬉しいであろう!」
バハムートは胸を張った。
ソルの目の前に選択肢が現れる。
『バハムートを使い魔にしますか? YES/NO』
ここに来て、バハムートを使い魔にしないという選択肢はあるのか? ソルは考えた。
「まさかソルよ。いや、我が主人(マスター)よ! ここで我を使い魔にしないなんて選択肢はないだろう? 我はこのダンジョンにずっと引きこもっていて退屈だったのだ!」
バハムートはソルに泣きついてきた。
「我とて引きこもりは嫌であった! だがそれが責務だったから仕方なかったのだ! ソルよ! そなたが我の主人(マスター)になって外の世界を見せてくれるのだろう! 我はもっと外の世界を見たいのだ! 色々なものを見て回りたい、そなたが我を連れ出してくれるのではないのか!」
その泣きついてくるバハムートの顔はとても竜王と呼べるようなものではなかった。尊厳がなくなっている。まるで子供が駄々をこねているかのようだ。
「我は役に立つぞ! 空も飛べるし! 移動も便利だ! それに戦闘でも役に立つ! どんな強敵が現れても存分に闘ってみせよう! それにそなたがどれほど好色であったとしても、必ずや満足させてみせようではないか! 我はこう見えても脱げば凄いのだぞっ!」
バハムートは色々と主張してくる。
「うっ……」
可哀想だ。ここに来て使い魔にしないという選択肢はないだろう。ソルは大人しく『YES』の選択肢を選んだ。
『竜王バハムートが使い魔になりました』
ソルの目の前に表示がされる。ソルとバハムートには魔術契約が施され、主人(マスター)と使い魔の関係になったのだ。
「ふう……」
バハムートはほっと一息、胸を撫で下ろしていた。
「それではこれから頼んだぞ。我が主人(マスター)よ。我の名は竜王バハムートである」
こうしてバハムートがソルの使い魔になった。これで一応はクリア報酬をもらった事になる。
「それじゃバハムート様」
「様はいらぬ。呼び捨てでよい。我はもう主人(マスター)の使い魔なのだからな」
「じゃあ、バハムート。外に出してもらえるか?」
ソルはバハムートに最初の指示を出した。
「うむ。わかったぞ。主人(マスター)。転移魔法(テレポーテーション)」
ソルとバハムートを魔法の力が包み込む。
そして二人は外の世界へと転移したのである。
長かった『ゲヘナ』での闘いに終止符が打たれたのだ。
1
あなたにおすすめの小説
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~
柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」
テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。
この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。
誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。
しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。
その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。
だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。
「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」
「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」
これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語
2月28日HOTランキング9位!
3月1日HOTランキング6位!
本当にありがとうございます!
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
スキル【土いじり】でパーティを追放された俺、開墾した畑からダンジョンが生えてきた。
夏見ナイ
ファンタジー
「役立たず」の烙印を押され、パーティを追放されたアルフォンス。彼のスキルは戦闘に不向きな【土いじり】。失意の彼は都会を離れ、辺境の地で静かに農業を営むことを決意する。
しかし、彼が畑を耕すと、そこから不思議なダンジョンが生えてきた!
ダンジョン内では、高級ポーションになる薬草や伝説の金属『オリハルコン』が野菜のように収穫できる。地味だと思われた【土いじり】は、実はこの『農園ダンジョン』を育てる唯一無二のチートスキルだったのだ。
噂を聞きつけ集まる仲間たち。エルフの美少女、ドワーフの天才鍛冶師……。気づけば彼の農園は豊かな村へ、そして難攻不落の要塞国家へと発展していく。
一方、彼を追放したパーティは没落の一途を辿り……。
これは、追放された男が最強の生産職として仲間と共に理想郷を築き上げる、農業スローライフ&建国ファンタジー!
気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした
高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!?
これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。
日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる