レベル0の最強剣士~レベルが上がらないスキルを持つ俺、裏ダンジョンに捨てられたが、裏技を発見し気が付いたら世界最強になっていた。

つくも/九十九弐式

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第71話 優勝パーティーでの出来事

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 ソルは剣神武闘会の優勝者として王城に招かれた。ついでにバハムートも。

「なんとっ! 先日の料理よりもよほど豪華ではないかっ!」
 
 バハムートは目を輝かせていた。優勝パーティーには所狭しと豪勢な料理が並んでいた。並んではいたのだが、他にも煌びやかな衣装を着た貴婦人であったり、音楽隊の演奏など、注意が行く要素はあったのだが。それらには一切関心がないようで、ただひたすらに食事の事だけをバハムートは気にしていた。

 流石はバハムートと言った感じである。食べる事以外に大した関心がないのだ。や、食べる事に関心がありすぎるだけか。

 ともかく、紆余曲折、様々な事があったが無事(?)剣神武闘会も無事終了したというわけだ。そして、こうして優勝パーティーが開かれる事となる。

「主人(マスター)よ! これは全て我が食べてよいのだなっ!」

 バハムートは垂れ流される涎を手の甲で拭った。女の子というよりは獣のような動きである。

「ま、待て。バハムート、どうして『全て』お前が食べていい事になる?」

 ソルはバハムートの発言に耳を疑った。

「違うのか? ダメなのか?」

「ダメに決まってるだろ」

「ええっーーーーーー! そんなーーーーーー!」

 バハムートは涙を流す。

「他の人の分もちゃんと残して食べるんだぞ」

「はーい。ぐすっ。だがよい。満腹にはならないかもしれないが、それでもこれだけのご馳走は楽しみである!」

 一瞬落ち込んだバハムートではあったが、途端に笑顔を浮かべる。そしてテーブルの料理にかっつき始めた。

「まったく……乾杯とか、そういう文化を知らないからな。バハムートは」

 ソルはため息を吐いた。周りが食べ始めるまで食べない、などというマナーだとかそういう事をバハムートは知らなかった。無理もない。彼女は人間ではないのだから。

 これより国王が祝いの言葉を述べ、そして盃が鳴らされるのである。

「皆の者……待たせたな。様々な事があり、その後始末にも追われたが、一応は無事に剣神武闘会が開催され、そして閉幕した事は喜ばしく思う。そしてこの度、剣神武闘会に優勝したのがそこにいるソル殿だ。改めておめでとう、ソル殿」

 国王が祝いの言葉を述べた。

「皆の者、盛大な拍手でソル殿の健闘を称えて欲しい。実に見事な闘いぶりであった」

 パチパチパチパチ。周りにいるパーティーの参加者達。主にはフレースヴェルグの貴族や武闘会の関係者達であろう。彼らがソルに盛大な拍手を送る。

「それでは存分に飲み食いをしてくれっ! 今日は無礼講だ! 乾杯っ!」

「「「乾杯っ!」」」

 盃が鳴らされた。こうして優勝パーティーが始まったのだ。約一名、盃が鳴らされるより前に食事に手をつけていた者がいるが。その点については触れないでおこう。

 ◇

「クレア姫だ……」

「ああ……なんとお美しい」

 クレアはドレスを着ていた。普段は王女らしからぬ、まるで女騎士のような凛々しい恰好をしていた彼女ではあるが、彼女は今宵ばかりは流石に王女らしい恰好をしていた。剣を手に持たせても似合うが、こういった王女らしい恰好をさせても、彼女はそつなくこなしていた。

「剣を美しいが……やはり王女らしい恰好もまた似合っているな」

「ああ……優勝者のソル殿のところへと向かったぞ」

 貴族たちもまた、ドレスを着こなすクレアの美しさに見惚れていた。

「剣神武闘会の優勝おめでとう。ソル。そしてあなたのおかげで我々も救われたわ。あの魔人レイがデーモンを召喚した時はどうなるかと思ったもの。おかげで死者も出ずに、その上に重傷者もいなかったそうよ。ありがとう、ソル」

 クレアは笑みを浮かべる。

「ありがとう……けど、俺一人でデーモンを退けたわけじゃない。あくまでも皆の力だ」

「はいはい。そういう事にしておくわ」

 クレアは笑みを浮かべる。

「それよりどう、私のドレスは……女の子がおめかししているんだから、何か一言くらいあってもいいんじゃない?」

「ああ……綺麗だよ」

「本当!? ……それは良かった。ソルに似合ってないなんて言われたらどうしようかと思っちゃった」

 クレアは胸を撫で下ろす。

「ああ……それより、エドの事はどうなったんだ?」

「エド?」

「お前の婚約者になってたんだろ」

 確か、クレアはエドが優勝した場合、婚約者として正式に認める、という旨の契約でエドは剣神武闘会に出場したのだ。しかし、エドはソルに敗れた事で優勝できなかった。その場合は、一体、どういう風に事が進展するのか、気がかりであった。

「ええ……お父様に申し立てて、エドとの婚約は破棄させてもらったわ。これもソルのおかげよ……」

 クレアは微笑む。

「そうか……それは良かった。そんなにエドとは結婚したくなかったのか」

 確かにエドの性格は良いとは言えない。傲慢だし、自信過剰だし、嫌味な奴だ。クレアが嫌がるのも理解できるソルであった。

「それもそうだけど……私には他にもっと結ばれたい人がいるから」

 クレアは頬を赤くしてソルを見る。

「え? ……なんだ? クレア、顔が赤いぞ。酒でも飲んでるのか?」

「飲んでないわよ! それに飲み始めてすぐにそんなに顔赤くならないから」

「ふふふっ! 我を捨て置いて発情しているのぉ。この雌猫が。くっくっく」

 バハムートが笑みを浮かべる。

「雌猫って誰がよ」

「照れなくてもよいぞ。発情期の雌猫が……。孕みたくてどうしようもないのだろう? くっくっく」

「孕むって、へ、変な言い方しないでよっ!」

 クレアは顔を真っ赤にして叫ぶ。

 皆が楽しく会食をしていた時の事であった。

「な、なんだと!? それは本当か!?」

 何かの報せが入ったようだ。国王の顔色が歪む。

「お父様……何かあったのかしら?」

「ソル殿、バハムート殿、それからクレア。少し場所を変えてくれないか? 四人で少し話をしたい」

「え、ええ……はい。お父様。ソル、バハムートさん。いいかしら?」

「ああ。いいよ」

「ええーーーーーーーーーー! 我はもっと食べていたいぞっ!」

「どうやらこれは緊急事態だっ! 状況を考えろっ!」

「はーーーーーいっ! ぐすっ!」

 ソルに嗜まれ、バハムートは渋々折れた。

 四人はパーティー会場から応接室まで移動するのであった。
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