レベル0の最強剣士~レベルが上がらないスキルを持つ俺、裏ダンジョンに捨てられたが、裏技を発見し気が付いたら世界最強になっていた。

つくも/九十九弐式

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第78話 エルフの国に招かれる事に

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「魔族の手先めっ! 我等のエルフ国から立ち去るが良い!」

 エルフの少女は弓矢を構えた。

「来るぞ!」

 バハムートが注意を促す。

「ゆくぞ!」

 矢を放つ。矢とは通常、そう簡単に連発できるものではなかった。弦を引っ張り、力を溜めなければならない。そうしなければまともな威力で矢は放たれない。

 しかし、彼女は装備による恩恵なのか、あるいはスキルによるものなのか、高速で矢を連発してきた。

 瞬時に放たれた無数の矢は手数の多さも速度もまともな人間では防げる代物ではなかった。

 ――だが。

 キィン! キィン! キィン!

 甲高い音が響いた。ソルは放たれた矢を全て打ち落としたのである。

「なっ!?」

 エルフの少女は驚き、目を大きく見開いた。

「何者だ! 貴様達は! 私の矢をこうまで容易く防ぐなど」

「どうか俺達の話を聞いてください。俺達はあなた達、エルフ族の敵ではないんです!」

「情報屋から情報を入手してな。エルフ族と魔族の間で抗争が起こりそうだと聞いている。神の魔晶石(ゴッドクリスタル)を巡って、抗争になりそうだと。それは誠か?」

「なっ! なぜその事を知っているっ!」

 エルフの少女は動揺していた。その動揺をソル達は『是(YES)』と捉えた。

「やはり……その情報は本当であったか。あの情報屋も伊達に情報屋はやっておらんと見る。人間やはり見た目ではわからぬものだな……」

 バハムートはにやりと笑みを浮かべた。

「その事を知っているからと言ってそれが何の証拠になる! むしろお前達が魔族の手先であると考えた方が自然な流れだろう! 我々エルフ族の味方という証拠にはならないっ!」

 彼女の言っている事ももっともであった。だが、ソル達は情報の正しさは確認できた。魔族の矛先はエルフ族に向いている。間違いなく、魔道砲の動力源となる神の魔晶石(ゴッドクリスタル)を求めているのだ。

 ――――と。
 
 エルフの少女と抗争している時の事であった。

 オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

 森の奥から獣の咆哮が聞こえてくる。

「なんだ? この叫び声は」

 獣——それも犬のような咆哮だった。いや、狼か、それも大型の狼の咆哮のように聞こえた。

 大きな足音が聞こえる。

「……あ、あれはっ」

 エルフの少女はたじろいだ。大型のモンスターが出現する。狼だ。それも巨大な狼。

「ビッグウルフか……人の匂いを嗅ぎつけてここまできたのか」

 巨大な狼は『ビッグウルフ』という名前のモンスターらしい。ビッグウルフはソル達を餌だと思っているようだった。

 口から涎を垂れ流している。

「くっ!」

 エルフの少女は弓矢を構えた。放つ。しかし、ビッグウルフのような体の大きいモンスター相手には毒矢でもなければ致命傷にはなりえない。矢は突き刺さるもビッグウルフには大したダメージにはならないようであった。

 だが、それでもそれなりに痛かったようだ。ビッグウルフは怒りを覚えた。
 
 オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

 咆哮が再び森に響く。

「なっ!?」

 ビッグウルフが鋭い爪でエルフの少女に襲い掛かった。少女は瞳を閉じる。痛みと――そして死を覚悟した事であろう。

 ――だが、やってくるはずの痛みはやってこなかった。

 ザシュッ! 剣が迸った。ビッグウルフの肉が斬り裂かれる。

 キャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

 犬のような甲高い悲鳴が響いた。ソルの剣がビッグウルフを斬り捨てたのである。

 エルフの少女は驚いたように目を開いた。

「なぜ、私を助けたのですか!? あなた達は魔族の手先ではないんですか!?」

「どうか信じてください。私達は魔族の手先なんかではありませんっ! 魔族は魔道砲で天界を攻め落とした後、次は人間を攻める魂胆なんです。だから私達は魔族の狙いを阻止したいんです。あなた達、エルフ族に手を貸させてください!」

 クレアは情熱的に訴える。

「……確かにあなた達は魔族の手先ではないようだ。だが、私のような木っ端では判断のしようがないんだ。あなた達をエルフ国まで案内する。そこには国王様と王妃様、それから王女様がいる。王族の判断を仰がなければならない」

「連れて行ってくれるのですか? 私達をエルフ国まで」

「……命を助けてもらった礼だ。ついてくるがいい」

 こうしてソル達はエルフの少女に連れられ、エルフ国に招かれる事となった。

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