レベル0の最強剣士~レベルが上がらないスキルを持つ俺、裏ダンジョンに捨てられたが、裏技を発見し気が付いたら世界最強になっていた。

つくも/九十九弐式

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第77話 エルフの国へ

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 情報屋ジェームズから情報を仕入れたソル達は北にあるエルフの国へと向かう。

「エルフの国は歩いて一週間くらいかかるわよ? どうやって行くつもりなの? 馬車を借りなくていいの?」

 当然のようにクレアは疑問を呈する。

「ああ……それなら問題ない」

「問題ない? どうして?」

「ふふっ! それはなっ! 我がいるからであるっ!」

 バハムートは胸を張った。

「バハムートさんが?」

 クレアは首を傾げる。

「ふっ! 見て驚くが良いっ! そして喝采せよ! 我の真なる姿をっ!」

 バハムートは変身(トランス)した。真なる姿になる。目の前に現れたのは巨大な黒竜の姿だ。

「す、すごいっ……これがバハムートさんの本当の姿」

 クレアは息を飲む。

『あっはっはっは! 見たか、小娘っ! 驚いたであろう! 我の真なる姿を見て』

 バハムートの念話のような声が聞こえてくる。

「本当に竜なんだ……ただの大飯食らいの女の子じゃないのね」

『当たり前であろうっ! 我をただの食費だけ無駄にかかるお荷物だと思っておったのかっ!』

 バハムートは憤った。

「クレア……乗ろうか」

「うん。ソル」

 ソルとクレアはバハムートの背に乗った。

 ◇

「怖いわ……ソル」

 天高く舞ったバハムートであった。バハムートは天空を高速で飛び続ける。

 クレアはソルにしがみつく。

 良い匂いと柔らかい感触がした。

「ク……クレア」

 鈍いソルでも流石に多少の動揺をする。

『……小娘。人の背中で発情せんでくれぬか?』

「だ、誰も発情してないっ! 発情なんてっ!」

『それより、もう降り立つから振り落とされるでないぞっ!』

「え? もう着くの?」

 クレアは驚いていた。バハムートは瞬く間に目的地まで連れて行ったのである。

 ◇

「ふむ……到着だ」

 バハムートは元の人型の姿になる。

「はぁ……その姿の方が落ち着くわね。あんなにおっきい竜(ドラゴン)がいると、味方だとわかってても気疲れするもの」

 クレアは胸を撫で下ろす。流石に、エルフの国の近くまでは来れたが、間際まではいけなかった。あまりに竜形態で近づきすぎると何かと問題があったからだ。

 それなりに離れた距離に着陸する事になる。

「……あれがエルフの国だ」

 バハムートは指を指す。

「国って言っても……森しか見えないけどな」

「あの森の中にエルフの国があるのだ。そして森の先に行ったところにある山……あそこがエルフ領の鉱山。恐らくはあそこに魔晶石(クリスタル)が眠っている……はずだ。まあ、神の魔晶石(ゴッドクリスタル)たるものはもはや掘り起こされているかもしれぬが」

 バハムートは語る。

「それでは行こうかの」

 三人はエルフ国を目指して歩き始めた。

 ◇


「ふふふーん♪」

 道中の事であった。バハムートはえらく上機嫌であった。鼻歌交じりで歩いている。

「どうしたの? えらく上機嫌じゃない」

「そりゃもう……エルフの国にはどんな特産物があるのか楽しみなのだ。きっと人間の国にはない、珍しい、美味な食べ物があるに違いないぞっ!」

「そんな観光で行くわけじゃないんだから……それにそんなエルフの国が歓迎してくれるかどうかわからないじゃない」

 クレアはため息を吐いた。

「あの情報屋が言っていた事が本当であれば、エルフ族にとって我々は味方だ。敵の敵は味方というであろう? きっと歓迎されるはずだ。そう、歓迎されればきっと、豪勢な食事で我等をもてなしてくるであろうぞっ! ぐふふっ!」

バハムートは涎を拭う。

「ははっ……そんな上手くいくかな」

 クレアは苦笑した。

「残念ながら上手くは行かなそうだ」

「えっ!?」

 ザシュッ! エルフの森に近づくと、一本の矢が足元に刺さった。

「こ、これは矢……どうして」

「止まれ! ここより先はエルフ国の領土だ! 貴様達は魔族の手の者か!」

 一人の少女が姿を現す。凛々しい金髪をした少女だ。人間で言うならば10代の半ばといった容姿ではあるが、相手はエルフである。本来の年齢はいくつになるかわからない。エルフは長命な種族として知られている種族だからである。

「違います! 私達は人間です! エルフ国と魔族との抗争を避ける為に来たんです! 私達はあなた達の味方です!」

「信用できるかっ!」

 エルフの少女が矢を向けてくる。

「……ふむ。どうするのだ? 殺すのも不味かろう。豪勢な料理によるもてなしを受けれなくなる」

「そこでもやっぱり食欲を優先するんだ……」

 バハムートの発言にクレアは呆れていた。

「冗談だ……半分以上本気だが。あのエルフ娘を殺すのは容易いが、そうなると本格的にエルフ族を敵に回す事になろう……それは何かとまずい」

「そうだな……相手に危害を加えずに何とかしなきゃな」

「エルフ族を仇なす魔族の手下よ! 我等の領土から立ち去るがいい! 我が矢をその身に受けよ!」

 しかし、ソル達の思惑とは裏腹に、エルフの少女は敵と見なして襲い掛かってくるのであった。

 
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