レベル0の最強剣士~レベルが上がらないスキルを持つ俺、裏ダンジョンに捨てられたが、裏技を発見し気が付いたら世界最強になっていた。

つくも/九十九弐式

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第85話 剣の火花散る

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 キィン! キィン! キィン!

 甲高い剣の音が何度も繰り返された。暗黒剣士となったエドの剣は以前の時よりもずっと鋭く重いものであった。

 それは今のソルでさえも決して侮れない程の剣の圧力を有していた。

「くっ……どうしてだ、エド。なぜ魔族に魂を売り渡したんだ? なぜ魔族の味方をする」

「そんなの決まってんだろっ! 兄貴っ! てめぇをぶちのめすためだよっ!」

 エドの凄まじい剣圧に押され、ソルは吹き飛ばされる。その為、両者の間にそれなりの距離が発生した。間合いが離れる。

「そんな事の為にお前は父さんを! ユグドラシル家に居た人達を殺したのかっ!」

「あんな俺を認めない義父(おやじ)もう、必要ねぇんだよ。それにユグドラシル家にいた使用人達なんて、ダニみたいなもんじゃねぇか。そんな連中、捻りつぶしたところで何の問題があるっていうんだっ!」

 ダメだ。今のエドに何を言っても通用しないとソルは思った。前のエドもまともな人間だったとはとても言えなかったが、それでもこうまで人間性を失ってはいなかった。

 今のエドはもはや魔族などよりも魔族らしい存在に成り果てていた。

 もはや今のエドは義弟などではない。会話など成立する存在ではない。対話など不毛である。

 仕方があるまい。最悪の場合、もはやソルは自らの手でエドを斬り捨てる覚悟を決めた。

「へっ! やる気になったようだなっ! 兄貴! 殺気をビンビンに感じるぜっ!」

 エドは剣を構えた。ユグドラシル家に伝わっていた聖剣デュランダルは黒い魔力に浸食されて、真っ黒になっている。

「やろうぜっ! 兄貴、どっちかがくたばるまでなっ! やりあうんだよっ! 当然のようにくたばるのは兄貴! てめぇだけどよっ! この俺様が【レベル0】のてめぇなんかに負けるはずがねぇんだよ!」

 エドは暗黒剣で斬りかかってくる。【暗黒剣士】となったエドは前にはできなかったような攻撃を放つ事ができた。

「ソルっ!」

 危機感を感じたクレアが叫ぶ。だが、クレアも他の魔族兵を相手にしている為、意識を反らしている余裕はなかったのである。

「「「キッケッケッケッケッケッケッケッケッケッケッケッケッケ!」」」

 魔族兵が奇怪な声を発する。

「キケッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

 そのうちの一人が剣で斬りかかってきた。

 キィン!

 クレアはその剣を聖剣レーヴァテインで受け止める。甲高い音が響いた。

「クレアよっ! 余所見をしているでないっ!」

「わ、わかっているわよっ! そんな事っ! はああああああああああああああああああっ!」

 クレアは魔族兵を斬り裂いた。斬られた魔族兵は断末魔を上げて、消し炭となった。クレアの剣は炎を纏っている。いくら魔族と言えども、斬られれば無事では済まない。

「今は目の前の敵に集中するのだっ!」

「……だから、わかってるって。今はソルの心配より、自分達の心配をするわよ。それに大丈夫、ソルならきっとやってくれるわよ」

 クレアとバハムートは目の前にいる敵の対処に追われた。

 エドは暗黒剣を天高く構える。暗黒の波動(オーラ)が天高く、どこまでも伸びていった。

「いくぜっ! 兄貴っ! こいつでトドメを刺してやるっ!」

 来る。ソルは剣を構えた。暗黒剣士となったエドの本気の一撃に備えた。

 まもなく、山を斬り裂く程の規格外の一撃が天から降り注いでくるのであった。

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