レベル0の最強剣士~レベルが上がらないスキルを持つ俺、裏ダンジョンに捨てられたが、裏技を発見し気が付いたら世界最強になっていた。

つくも/九十九弐式

文字の大きさ
86 / 90

第86話 持ち越される決着の時

しおりを挟む
「この俺様の【ダーク・エクスカリバー】を受けやがれ! この無能兄貴っ!」

 来る。ソルは魔剣ラグナロクを構えた。もはや避ける事は敵わない。避けたらクレア達にまで被害が及ぶかもしれない。いや、遥か遠くにあるはずのエルフの国にまで届くかもしれない。それほどまでに膨大なエネルギーをエドの暗黒剣は纏っていた。

 ソルはその剣――【ダーク・エクスカリバー】を受け止める覚悟を決めたのである。

 暗黒の剣である【ダーク・エクスカリバー】に対抗するべく、ソルは技スキル『魔法剣』で『聖魔法(ホーリー)』を付与(エンチャント)した。

 ソルの魔剣ラグナロクは『聖魔法(ホーリー)』を付与(エンチャント)された事で、輝かしいばかりの光を放つ。

「へっ! 無駄なあがきをしやがって! 【レベル0】の無能兄貴がよっ! この【ダーク・エクスカリバー】相手に太刀打ちできるわけがねぇだろうがっ!」

 エドはその【ダーク・エクスカリバー】を振り下ろす。ちなみに武器の名前ではなく技の名前である。

「【ダーク・エクスカリバー】!」

 山をも斬り裂くような強烈な一撃が天空から襲い掛かってくる。

 ソルはその【ダーク・エクスカリバー】を『聖魔法(ホーリー)』を付与(エンチャント)された【ホーリー・ブレイド】で受け止めた。

「ソルっ!」

 凄まじい力のぶつかり合いに、流石にクレアもバハムートも心配になったようだ。闘いの手を止めざるを得ない。それは他の魔族兵に関しても同じだったようだ。

 皆がもはや自分達の闘いどころではなくなっていた。ソルとエド、二人の闘いを固唾を飲んで見守るようになったのである。

 ソルはエドの剣を迎え打った。巨大な暗黒エネルギーの塊を聖なるエネルギーで迎え打ったのである。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 エドが叫んだ。

「はあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 ソルが叫んだ。

 光と闇のエネルギーが盛大にぶつかり合い、けたたましい音と光を発した。それから凄まじい暴風を発生させる。

「くっ!」

 クレアは吹き飛ばされないように、何とかその場にしがみついていた。

「……ほうっ。凄まじい剣と剣のぶつかり合い……実に見事だ。あの小僧、人間を捨ててまで悪魔から膨大な力を得たか」

 不可視の防御障壁(シールド)を発生させたバハムートは平然とその場に立っていた。直撃を食らうわけでもないのなら彼女にとっては何てこともない。微風のようなものであった。

 どれほど長い間拮抗状態が続いていただろうか。見ている側としては永遠にも思える程長い時間であった。だが、実際のところはせいぜい1分といったところであろう。

 決着はついた。光のエネルギーも闇のエネルギーも綺麗さっぱり相殺して消失していた。

「「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」」

 両者は互角であった。両者とも肩で息をしているだけで生死の問題にはなっていなかった。健在であった。

「ちっ! しぶとい野郎だぜっ! 無能兄貴っ! 生命力がゴキブリみてぇな奴だっ! この俺様の一撃を耐えきるなんてなっ!」

 エドは悔しそうであった。

「だったらよっ! 耐え切れなくなるまで何発でもお見舞いしてやるぜっ!」

 エドは再び【ダーク・エクスカリバー】を放つ準備を整えた。【ダーク・エクスカリバー】とて何の代償もなく放てる技ではないだろう。相応のMPを消費するはずだ。それを連発できるという事はエドの保有しているMPが膨大であるという事を示していた。

 ――と、その時であった。エドの脳裏に念話(テレパシー)のようなものが聞こえてきた。

 魔人レイからの念話であった。

『目的の神の魔水晶(ゴッドクリスタル)は手に入った』

「なっ!? だからなんだっ! 俺は兄貴をぶっ殺す間際なんだぜっ!』

『撤退だ……これ以上の交戦は無意味だ。我々は撤退する』

「ふざけんなっ! 俺は兄貴をぶっ殺すまで止まらないぜっ!」

『心配するな……ちゃんとステージを整えてやる。魔道砲で天界を滅ぼした末に人間界に攻め入る……。それに貴様の兄——ソル・ユグドラシルの前で一人ずつ人間を殺していくというのもなかなかにおつではないか? クックック』

「そいつは……確かにそうかもな」

 エドはにやりと笑みを浮かべた。

『ああ……だから今のところはお楽しみは後にとっておけ』

「ああ……わかったぜ。この力を授けてくれたのはあんただからな。従うぜ」

 こうして念話は終了したようだ。

「命拾いしたようだな……兄貴。お楽しみは後に取っといてやる」

「ま、待て! エドっ! お前はこれ以上悪行を重ねるつもりなのかっ!」

「天界を滅ぼした後は次は人間だ……血の雨が盛大に降るぜ。無能兄貴……てめぇはその様子を見ながら自分の無力さに絶望するんだ……クックック! アッハッハッハッハッハッハッハ!」

 エドと魔族兵は転移魔法(テレポーテーション)で姿を消した。

「な、なんだったんだ」

「それより……神の魔結晶(ゴッドクリスタル)が失われたと言っていた。その事が気になる……故、一度エルフ城に戻らぬか?」

 バハムートは聞いた。敵の追跡は困難だと悟ったからだ。

「ああ……そうしようか」

 闘いが終わったソル達は慌ててエルフ城へと戻るのであった。



しおりを挟む
感想 57

あなたにおすすめの小説

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚

熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。 しかし職業は最強!? 自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!? ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果

安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。 そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。 煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。 学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。 ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。 ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は…… 基本的には、ほのぼのです。 設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ

天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。 彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。 「お前はもういらない」 ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。 だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。 ――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。 一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。 生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!? 彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。 そして、レインはまだ知らない。 夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、 「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」 「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」 と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。 そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。 理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。 王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー! HOT男性49位(2025年9月3日0時47分) →37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

身寄りのない少女を引き取ったら有能すぎて困る(困らない)

長根 志遥
ファンタジー
命令を受けて自らを暗殺に来た、身寄りのない不思議な少女エミリスを引き取ることにした伯爵家四男のアティアス。 彼女は彼と旅に出るため魔法の練習を始めると、才能を一気に開花させる。 他人と違う容姿と、底なしの胃袋、そして絶大な魔力。メイドだった彼女は家事も万能。 超有能物件に見えて、実は時々へっぽこな彼女は、様々な事件に巻き込まれつつも彼の役に立とうと奮闘する。 そして、伯爵家領地を巡る争いの果てに、彼女は自分が何者なのかを知る――。 ◆ 「……って、そんなに堅苦しく書いても誰も読んでくれませんよ? アティアス様ー」 「あらすじってそういうもんだろ?」 「ダメです! ここはもっとシンプルに書かないと本編を読んでくれません!」 「じゃあ、エミーならどんな感じで書くんだ?」 「……そうですねぇ。これはアティアス様が私とイチャイチャしながら、事件を強引に力で解決していくってお話ですよ、みなさん」 「ストレートすぎだろ、それ……」 「分かりやすくていいじゃないですかー。不幸な生い立ちの私が幸せになるところを、是非是非読んでみてくださいね(はーと)」 ◆HOTランキング最高2位、お気に入り1400↑ ありがとうございます!

処理中です...