駆け落ちした姉に代わって、悪辣公爵のもとへ嫁ぎましたところ 〜えっ?姉が帰ってきた?こっちは幸せに暮らしているので、お構いなく!〜

あーもんど

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本編

夫と過ごす一日①

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◇◆◇◆

 ────これからも夫と一緒に居ることを決意した翌日。
私はいつものように一人で朝食を摂る……筈だったのに、何故か夫が同席していた。
いや、それ自体は別に構わないのだが……急激な変化に戸惑う。
だって、昨日までの夫は執務室で仕事しながら軽く摘めるものを食べていたから。
朝なんて、特に。

 『夕食は何度かご一緒したことあるけど』と考えつつ、私はカトラリーを動かす。
書類を持ったロルフと、何やら話し込んでいる夫を眺めながら。
『お仕事の話かしら?』と内心首を傾げる中、夫がこちらを見た。

「レイチェル、このあとの予定は?」

「二度寝、昼食、昼寝、夕食、就寝です」

 時系列順に予定を並べると、夫────ではなく、ロルフが反応を示す。

「寝るか、食べるかですね」

「たまに散歩もしますよ」

 『庭の花が綺麗に咲いている時とか』と補足しつつ、私はスープを一口飲んだ。
と同時に、夫がカトラリーを置く。

「出掛ける予定がないなら、別にいい」

 義弟の接触を気にしているのか、夫は少しばかり肩の力を抜いた。
かと思えば、使用人に食事を下げるよう要請する。
ナプキンで口元を拭いながら。
────でも、決して席を立とうとしなかった。

 食後のデザートでも、待っているのかしら?
普段は全くと言っていいほど、甘味に興味を示さないのに。

 『一応食べるから、嫌いではないと思うけど』と頭を捻り、私は使用人の様子を伺う。
が、一向に誰も動こうとしない。
────そうこうしている間に私も食べ終わり、カトラリーを置いた。

「では、お先に失礼します」

 もうお腹いっぱいなのでデザートは控え、さっさと席を立つ。
その途端、夫も立ち上がった。
『あら?たまたま、タイミングが被っただけ?』と困惑する私を前に、彼はこちらへ手を差し伸べる。

「行くぞ」

「えっと、どちらに?」

「レイチェルの自室に決まっているだろう」

「送ってくれる、ということですか?」

 今までこんなことなかったので混乱を隠し切れずに居ると、夫は

「いや、少し違う」

 と、首を横に振った。
かと思えば、真っ直ぐにこちらを見据える。

「私は今日一日、レイチェルの傍に居ることにしたんだ」

「はい?」

 動揺のあまり夫のことを凝視し、私はパチパチと瞬きを繰り返した。
と同時に、納得する。
先程こちらの予定を聞いてきたのはこのためか、と。

 外出する場合は、スケジュールを合わせづらいものね。
今日一日ずっと一緒に居ると言ったって、旦那様には仕事があるでしょうし。
室内の方が何かと都合がいいのは、当たり前。
だけど────

「────一体、何故そんなことを?」
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