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本編
救出《ヘレス side》③
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「これじゃあ、僕に勝ち目はないよ」
やれやれとでも言うように頭を振り、見張りの男はゆっくりと後退していく。
逃げるつもりか?それとも……。
後ろに回された相手の手の動きを目で追いつつ、私は血の流れに意識を向けた。
────ラニット公爵家に伝わる例の能力、テンペスタースを使うために。
「貴様の長話に付き合っている暇は、ない」
そう言うが早いか、私は手のひらを前へ突き出す。
しっかりと座標を定めないといけないので。
『剣に纏わせるだけなら、ここまでしなくていいんだが』と考えながら、手を振り下ろす。
すると────見張りの男の背後に、雷が落ちた。
「いっ……!?」
狙い通り後ろへ回した手に雷が直撃したのか、見張りの男は思い切り顔を歪める。
また、その拍子に何かを落とした。
「やはり────発煙筒を隠し持っていたか」
何かの合図を送る時によく使うソレを前に、私は『大方、味方でも呼ぶつもりだったのだろう』と推察する。
幸いまだ火のついていない状態であることを確認し、見張りの男へ視線を戻した。
「まあ、悪くない判断だ。私が相手じゃなければ」
ゆっくりと歩を進め、私は手に持った剣を振り上げる。
反射的に身を硬くする彼の前で、私はスッと目を細めた。
と同時に、剣を振り下ろす。
「────ま、待って!殺さないで!」
悲鳴にも似た高い声が耳を掠め、私は『あぁ、無事発見したのか』と他人事のように考えた。
その間、剣を止めることはなく────予定通り、持ち手部分で見張りの男を殴る。
しっかり首裏に狙いを定めたおかげか、彼は一瞬にして気を失った。
「えっ……?殺しちゃったの?」
そう言って、倉庫の奥から姿を現したのは他の誰でもないクラリス・アスチルベ・フィオーレだった。
縄の痕が残った手足を使ってこちらに来る彼女は、顔面蒼白である。
『そんな……』と半泣きになる彼女を前に、私は一つ息を吐いた。
「殺していない。気絶させただけだ。だから、いちいち騒ぐな」
『鬱陶しい』と告げ、私は剣を鞘に収める。
と同時に、クラリス・アスチルベ・フィオーレが大粒の涙を流した。
「よ、良かった……」
やれやれとでも言うように頭を振り、見張りの男はゆっくりと後退していく。
逃げるつもりか?それとも……。
後ろに回された相手の手の動きを目で追いつつ、私は血の流れに意識を向けた。
────ラニット公爵家に伝わる例の能力、テンペスタースを使うために。
「貴様の長話に付き合っている暇は、ない」
そう言うが早いか、私は手のひらを前へ突き出す。
しっかりと座標を定めないといけないので。
『剣に纏わせるだけなら、ここまでしなくていいんだが』と考えながら、手を振り下ろす。
すると────見張りの男の背後に、雷が落ちた。
「いっ……!?」
狙い通り後ろへ回した手に雷が直撃したのか、見張りの男は思い切り顔を歪める。
また、その拍子に何かを落とした。
「やはり────発煙筒を隠し持っていたか」
何かの合図を送る時によく使うソレを前に、私は『大方、味方でも呼ぶつもりだったのだろう』と推察する。
幸いまだ火のついていない状態であることを確認し、見張りの男へ視線を戻した。
「まあ、悪くない判断だ。私が相手じゃなければ」
ゆっくりと歩を進め、私は手に持った剣を振り上げる。
反射的に身を硬くする彼の前で、私はスッと目を細めた。
と同時に、剣を振り下ろす。
「────ま、待って!殺さないで!」
悲鳴にも似た高い声が耳を掠め、私は『あぁ、無事発見したのか』と他人事のように考えた。
その間、剣を止めることはなく────予定通り、持ち手部分で見張りの男を殴る。
しっかり首裏に狙いを定めたおかげか、彼は一瞬にして気を失った。
「えっ……?殺しちゃったの?」
そう言って、倉庫の奥から姿を現したのは他の誰でもないクラリス・アスチルベ・フィオーレだった。
縄の痕が残った手足を使ってこちらに来る彼女は、顔面蒼白である。
『そんな……』と半泣きになる彼女を前に、私は一つ息を吐いた。
「殺していない。気絶させただけだ。だから、いちいち騒ぐな」
『鬱陶しい』と告げ、私は剣を鞘に収める。
と同時に、クラリス・アスチルベ・フィオーレが大粒の涙を流した。
「よ、良かった……」
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