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本編
決闘②
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「それでは、両者構えて」
大盾の後ろから中央に立つ二人を見つめ、シャノン皇太子殿下は片手を振り上げる。
と同時に、夫とデニス皇子殿下が剣を引き抜いた。
光に反射して煌めく刃を前に、シャノン皇太子殿下は
「────決闘開始」
手を振り下ろす。
その瞬間、夫は音もなく走り出した。
さっさと剣を落とそうとしている、デニス皇子殿下を見据えて。
殿下は最初から、まともに戦う気なんてなかったみたいね。
まあ、相手がラニット公爵ならしょうがないわ。
むしろ、賢明な判断だと思う。
『ルール違反じゃない以上、誰も文句は言えないだろうし』と思いつつ、私は事の成り行きを見守る。
────と、ここでデニス皇子殿下が剣を手放した。
が、これだけではまだ不完全。
剣が床に落ちないと、勝敗を決したことにはならないため。
とはいえ、そんなの誤差でしかない。ほんの数秒の出来事なのだから。
『常人なら、何も出来ずに終わるわ……常人なら、ね』と思案する中、夫は剣を持ち直す。
どうやら、デニス皇子殿下を攻撃出来る範囲に入ったらしい。
『速い』と思わず目を剥く中、彼は横に薙ぎ払うような動きで剣を振るった。
相手の手首目掛けて。
「あがっ……!」
デニス皇子殿下はブランと垂れ下がる利き手を見つめ、苦悶する。
と同時に、手放した剣が音を立てて床へ転がった。
「────両者、そこまで」
手のひらを前に突き出し、シャノン皇太子殿下は決闘終了を宣言。
痛みに喘ぐデニス皇子殿下と平然としている夫を一瞥し、背筋を伸ばした。
「デニス・ターラー・アヴニールが剣を落としたことにより、この決闘ヘレス・ノーチェ・ラニットの勝利と見なす。異議のある者は居るか」
いつもより堅苦しい口調で問い掛け、シャノン皇太子殿下は周囲を見回す。
が、誰も否を唱えていないことが分かるなり前を向いた。
「異議者なしとして、此度の決闘────満場一致で、ヘレス・ノーチェ・ラニットの勝利とする」
夫の方を手で示し、シャノン皇太子殿下は正式に勝敗を決する。
その分かり切った結果を前に、観衆達は苦笑を漏らした。
「想像以上にあっさり決着が、ついたわね」
「正直、もうちょっと楽しませてほしかったな」
「まあ、パーティーの余興程度にはなったんじゃない?」
「それに相手はあのラニット公爵なんだから。よく頑張った方よ」
思い思いの感想を口にし、観衆達は中央に立つ二人の男性を眺める。
────と、ここでシャノン皇太子殿下がパンパンッと軽く手を叩いた。
「さあ、早く後片付けを。それから、誰かデニスを医者のところへ連れて行ってあげて。手首の具合から察するに、多分折れているだろうから」
大盾の後ろから中央に立つ二人を見つめ、シャノン皇太子殿下は片手を振り上げる。
と同時に、夫とデニス皇子殿下が剣を引き抜いた。
光に反射して煌めく刃を前に、シャノン皇太子殿下は
「────決闘開始」
手を振り下ろす。
その瞬間、夫は音もなく走り出した。
さっさと剣を落とそうとしている、デニス皇子殿下を見据えて。
殿下は最初から、まともに戦う気なんてなかったみたいね。
まあ、相手がラニット公爵ならしょうがないわ。
むしろ、賢明な判断だと思う。
『ルール違反じゃない以上、誰も文句は言えないだろうし』と思いつつ、私は事の成り行きを見守る。
────と、ここでデニス皇子殿下が剣を手放した。
が、これだけではまだ不完全。
剣が床に落ちないと、勝敗を決したことにはならないため。
とはいえ、そんなの誤差でしかない。ほんの数秒の出来事なのだから。
『常人なら、何も出来ずに終わるわ……常人なら、ね』と思案する中、夫は剣を持ち直す。
どうやら、デニス皇子殿下を攻撃出来る範囲に入ったらしい。
『速い』と思わず目を剥く中、彼は横に薙ぎ払うような動きで剣を振るった。
相手の手首目掛けて。
「あがっ……!」
デニス皇子殿下はブランと垂れ下がる利き手を見つめ、苦悶する。
と同時に、手放した剣が音を立てて床へ転がった。
「────両者、そこまで」
手のひらを前に突き出し、シャノン皇太子殿下は決闘終了を宣言。
痛みに喘ぐデニス皇子殿下と平然としている夫を一瞥し、背筋を伸ばした。
「デニス・ターラー・アヴニールが剣を落としたことにより、この決闘ヘレス・ノーチェ・ラニットの勝利と見なす。異議のある者は居るか」
いつもより堅苦しい口調で問い掛け、シャノン皇太子殿下は周囲を見回す。
が、誰も否を唱えていないことが分かるなり前を向いた。
「異議者なしとして、此度の決闘────満場一致で、ヘレス・ノーチェ・ラニットの勝利とする」
夫の方を手で示し、シャノン皇太子殿下は正式に勝敗を決する。
その分かり切った結果を前に、観衆達は苦笑を漏らした。
「想像以上にあっさり決着が、ついたわね」
「正直、もうちょっと楽しませてほしかったな」
「まあ、パーティーの余興程度にはなったんじゃない?」
「それに相手はあのラニット公爵なんだから。よく頑張った方よ」
思い思いの感想を口にし、観衆達は中央に立つ二人の男性を眺める。
────と、ここでシャノン皇太子殿下がパンパンッと軽く手を叩いた。
「さあ、早く後片付けを。それから、誰かデニスを医者のところへ連れて行ってあげて。手首の具合から察するに、多分折れているだろうから」
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