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番外編
誕生日プレゼント②
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「レイチェル・プロテア・ラニット────貴様は誰のものだ?」
真っ直ぐにこちらを見つめ、夫は分かり切ったことを尋ねてきた。
なので、私は迷わずこう答える。
「私のものです」
「……」
夫はおもむろに身を起こし、席へ座り直した。
ちょっと呆れたような……毒気が抜けたような素振りを見せながら。
「言い方を変える。貴様は誰の妻だ?」
「ヘレス・ノーチェ・ラニット公爵の妻です」
『それが何か?』と困惑し、私はそっと眉尻を下げた。
夫の言わんとしていることが、分からなくて。
『ただ、こちらの認識を確かめたかっただけ?』と思案する中、彼は足を組む。
「そうだ。なら、他の男になぞ構うな」
……ん?他の男?それって、誰のこと?
夫以外の異性と深く関わったことなどないため、戸惑いを覚える。
敢えて候補を挙げるとすれば、父だが……身内との交流に、夫が口を出してくるとは思えない。
とはいえ、本人に確認してみないと本当のところは分からないので、聞くことにした。
「あの、お父様との交流に何か不満でも?」
「いや、特にないが……」
そこまで口走ると、夫はハッとしたように目を見開く。
「待て。もしや、プレゼントの送り先はフィオーレ伯爵だったのか?」
「いえ、旦那様です」
「……はっ?」
訝しむような視線をこちらに向け、夫は頭を捻った。
『プレゼントをもらう心当たりなど、ないが』と思案する彼を前に、私はパチパチと瞬きを繰り返す。
「だって、もうすぐ旦那様の誕生日じゃないですか」
「……そういえば、そうだな」
『興味がなくて、忘れていた』と零し、夫は自身の顎を撫でた。
かと思えば、馬車の天井をじっと見つめる。
「……レイチェル。悪いが、先程の発言は聞かなかったことにしてくれ」
「はあ……分かりました」
『結局、何だったんだ?』とは、思うものの……あまり根掘り葉掘り聞くのもどうかと思い、私は疑問を押し殺した。
と同時に、夫がこちらを向く。
「それから、プレゼント楽しみにしている」
────と、夫に言われた数週間後。
私は屋敷でささやかな誕生日パーティーを催し、万年筆をプレゼントした。
しかも、かなりシンプルなデザインのものを。
一応、特別感が出るよう名前を彫る程度の工夫はしてあるが……本当にそれだけ。
でも────
「ロルフ、次の書類を持ってこい」
────夫は愛用してくれている。
執務室でいつものように仕事している彼を前に、私は少しばかり表情を和らげた。
やっぱり、プレゼントしたものを使ってくれると嬉しくて。
来年は何を贈ろうかしら?
早くも次のプレゼントについて考え始めている私は、夫の誕生日を心待ちにするのだった。
真っ直ぐにこちらを見つめ、夫は分かり切ったことを尋ねてきた。
なので、私は迷わずこう答える。
「私のものです」
「……」
夫はおもむろに身を起こし、席へ座り直した。
ちょっと呆れたような……毒気が抜けたような素振りを見せながら。
「言い方を変える。貴様は誰の妻だ?」
「ヘレス・ノーチェ・ラニット公爵の妻です」
『それが何か?』と困惑し、私はそっと眉尻を下げた。
夫の言わんとしていることが、分からなくて。
『ただ、こちらの認識を確かめたかっただけ?』と思案する中、彼は足を組む。
「そうだ。なら、他の男になぞ構うな」
……ん?他の男?それって、誰のこと?
夫以外の異性と深く関わったことなどないため、戸惑いを覚える。
敢えて候補を挙げるとすれば、父だが……身内との交流に、夫が口を出してくるとは思えない。
とはいえ、本人に確認してみないと本当のところは分からないので、聞くことにした。
「あの、お父様との交流に何か不満でも?」
「いや、特にないが……」
そこまで口走ると、夫はハッとしたように目を見開く。
「待て。もしや、プレゼントの送り先はフィオーレ伯爵だったのか?」
「いえ、旦那様です」
「……はっ?」
訝しむような視線をこちらに向け、夫は頭を捻った。
『プレゼントをもらう心当たりなど、ないが』と思案する彼を前に、私はパチパチと瞬きを繰り返す。
「だって、もうすぐ旦那様の誕生日じゃないですか」
「……そういえば、そうだな」
『興味がなくて、忘れていた』と零し、夫は自身の顎を撫でた。
かと思えば、馬車の天井をじっと見つめる。
「……レイチェル。悪いが、先程の発言は聞かなかったことにしてくれ」
「はあ……分かりました」
『結局、何だったんだ?』とは、思うものの……あまり根掘り葉掘り聞くのもどうかと思い、私は疑問を押し殺した。
と同時に、夫がこちらを向く。
「それから、プレゼント楽しみにしている」
────と、夫に言われた数週間後。
私は屋敷でささやかな誕生日パーティーを催し、万年筆をプレゼントした。
しかも、かなりシンプルなデザインのものを。
一応、特別感が出るよう名前を彫る程度の工夫はしてあるが……本当にそれだけ。
でも────
「ロルフ、次の書類を持ってこい」
────夫は愛用してくれている。
執務室でいつものように仕事している彼を前に、私は少しばかり表情を和らげた。
やっぱり、プレゼントしたものを使ってくれると嬉しくて。
来年は何を贈ろうかしら?
早くも次のプレゼントについて考え始めている私は、夫の誕生日を心待ちにするのだった。
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